夢? Or 現実?
「マジなんだって。目の前でいきなり…」
「はいはい、アニメの見過ぎだよー」
「ホントなんだって」
ボウリング場から帰る途中、さっきのことを奏聖に話してみたのだが…、
「えー、いつから中2病なったの?」
「中2病じゃねえよ!」
まったく信じてくれない。まあ、自分でも信じられないのだから仕方がないのかもしれない。
「利久、熱でもあるんじゃない? 聞いたよ? 最近勉強を遅くまでやってるから3時間くらいしか寝てないんだって?」
「そう…かもな」
そうだ、きっと熱でもあったんだ。あんな事が現実に起きるわけがない。物体が消えるなんて。
「熱…かぁ」
「どうしたんだ?」
「うーん…。ねぇ利久。看病してあげよっか?」
「はぁ!? 別にいいよ、そんなこと!」
「そう? おかゆぐらいなら作ってあげるよ?」
「別にいいって! たぶん熱なんかないから!」
「ホントに?」
と言って奏聖は手を俺の額にあてる。
「うーん…、熱は無いみたい」
「だからそう言ってんだろ、さっきから」
「ならいいけど…。勉強、あんまり無理しないでよ? 体壊したら元も子もないじゃない」
「ああ、分かってる」
「そう。じゃあ私こっちだから。また明日、学校で」
「おう、じゃあな」
『にしてもよー。お前、俺が一人寂しくゲーセン言ってる間に如月とデートとか…、酷くね?』
「だまれ。放課後をどう過ごそうが俺の勝手だ」
『まぁ、そうだけどよー』
今電話してるのは、同じクラスの月光 颯人。あいつの中では俺は親友という位置づけらしい。
『ったく。なんでお前には彼女がいて、俺にはいないんだよ』
「彼女じゃねぇって何度言わせるんだよ」
『これだから自覚のないリア充は…』
「リア充じゃねぇって…」
颯人はいかにもモテそうなのに、そういう話を聞いたことが無い。一応、奏聖の話だと女子からの人気もそこそこあるらしい。
だが、そのことを言ってしまうと、調子に乗るような気がしたので黙っておこう。
「それよりさ…。今日、変なものを見たんだ」
『変なもの?』
颯人は意外と科学が得意だったりする。まぁ、理系だと本人が言っているくらいだからな。この手の話はこいつに聞くのが政界だったりする。
「実は、さ…」
俺は今日見たことを、なるべく細かく話した。『どうせ夢でも見たんじゃないか』っていう答えが返ってくると思いつつ。
そして帰ってきたの答えは…
『その話、もしかすると本物かもしれねぇぞ…』
書きました。塾の予習やんないといけないのにそっちをやらないでw
今回は、『前半は奏聖とイチャイチャしてて、後半は親友との会話から真剣に…』ってイメージでした。