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Romancier votre monde~異世界の作家~  作者: 狂里 李鈴
第1章 元作家と元魔法使い
4/7

第四話 異世界にて再会

第4話 クリス君





ん……

どうやら着いたみたいだな。

魔導書の設定通りなら、此処は王都クインメルシャタルのアッカーソン公爵邸の自室だろう。

公爵家とは言ってもアッカーソンは現在俺一人だけだ。後の住人は使用人で、よく部下が遊びにくる。


俺の名はクリストファー=アッカーソン。

元、イギリスのとある魔術結社の魔法使いだ。


今は魔術書によりグラン=マルーシェの世界にいる。

グラン=マルーシェでの俺の立場は騎士団長兼帝国軍元帥だ。公爵位なんぞオマケだが、この国の基を造った一人として与えられた…という設定らしい。


ちなみに帝国のお偉いさん順に並べると

皇帝>内親王>大公爵>公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵>准男爵

…となる。


公爵家は三家あり、うちのアッカーソン家を筆頭にハイルシア家、アンフェリット家と続く。

三公には広大な領地が与えられ、富国強兵の信念に基づく政策を行っている。


…が、俺はそんな面倒な事をする気は一切ないので領地を半分に割ってハイルシア家、アンフェリット家に譲渡した。

だが帝国軍のトップを任されているので有事の際には帰国しなければならない、と。

普通に考えたら軍のトップなんざ皇帝なんだろうがなあ。

一応皇帝メルシュには大元帥という肩書きがあるから俺よりも指揮権は大きい…が、メルシュは魔王城という名の研究所に引きこもって古代血統とギフトの研究に夢中らしい。


そこで次に偉い内親王マリーが元帥になると思いきや「私、戦争って好きじゃないから断る」らしい。

いやいや傭兵団時代にどんなけ戦争してきたんだよって言いたくなる。


んで次に偉い大公爵は「断固拒否する」

取り付く島もないとはこのことだ。


んで結局四人の中で誰よりも剣の扱いが長けていて、傭兵団時代においても最も功績を上げたのが俺だと指摘され元帥に就任。

そりゃお前ら三人は研究所に引きこもってばっかで、ほとんど俺が団長扱いだったからな。



「よし」


ここに来るまでにかなりの量の設定資料を読まされたので大体国の歴史やら自分に置かれた環境は覚えている。


シンプルで機能重視の部屋を見渡す。

ベッドは大きい。寝心地は最高だが茉莉か来る前に色々見てみたい。


壁には武器や防具がこれでもか!という程に立てかけてあった。


「おぉー、これこれ、やっぱり異世界に来たなら剣でばっさばっさ戦わないとな」


向こう側のクリスには剣の扱いなど出来るハズもなかったが、今の俺は違う。

なんてったって《天下無双の剣聖騎士》だぜ?

今じゃ剣の扱いで俺に勝てる者なんていないだろう。

あぁ、《勇者アキラ》ならどっちに転ぶか分からない、とか茉莉は言ってたな。

もっとも、今は使い魔兼実験体の身だが…



ふう…

なぜだ。


「なぜこんなに剣があって、聖剣エクスカリバーがないんだっ!!!」




★彡★彡★彡




「や、クリス君。聖剣エクスカリバーは魔界の最下層に眠っている設定なの」


と勝手に侵入してきた猫のような少女が告げる。


「おま、茉莉、いやマリー。なんか若くなってないか?

いやいやそんなことよりも!どういう事だよ、俺は剣聖だぞ?その名の通り聖剣を使って戦うべきじゃないだろうか!?」


「…(そんな事よりってちょっぴりショック)

でもクリス君も若返ってるんだよ」


「ちょ、なに泣きそうな顔してんだ。

あー、もう、俺が悪かったって。


…って、なんだって!?」


茉莉が手鏡を見せてきたので、自分を映してみる。

おー、確かに多少若返ってる。

25、26歳辺りだろうか。

金髪碧眼…177cm68kg、視力はゲームのやり過ぎで悪いかったが、今は両目共に4.0らしい。アフリカ人か。


「クリス君の見た目は26歳!私と最初に会った時のクリス君だね。

そん時私は21だったけどJKに戻れる誘惑に負けて外見だけは17歳さ」


「俺は茉莉に最初に会った時、そんくらいの年かと思ってたがな。今は中学生にしか見えん」


茉莉はちっこい。

身長は150あるかないかだろう。

頭撫でるのに丁度いい高さなもんだから、ついつい撫でるのが癖になってしまっている。


体重も相当軽い筈だ。

実際に酔いつぶれた茉莉を部屋まで運んだ事があるから間違いない。

長くてサラサラな黒髪は二つに分けてる事が多くて、それも茉莉を幼く見せているのかもしれない。



「あら、珍しく正直な事言った?

でも、見た目だけは若いけど実年齢はクリス1126歳、私は1121歳なんだよね」


「あーそういやそんな事言ってたな。

そこら辺の設定はどうなんだ?古代種だから寿命が長いとかそんなオチか?」


「ううん、確かに古代種の寿命は長いけど頑張っても千歳で逝くね。

実はこれもアーティファクトの効果の一つなんだよ。


実は人体にギフトを宿らせる事が可能なの。

ただし宿らせる事が出来るのは、魔力が収束しやすい眼球のみ…。

最初に実験的にクリス君の右目にギフト《不老長寿》を宿らせてみた。

いや、実験はすごく慎重に行われたよ?その後、メルシュがクリス君の血と魔力を視た結果、見事にギフトが宿った事を確認し、残りの三人も不老長寿…多少弱体化してたらしく、寿命はあるけど…軽く見積もって寿命100万年となった訳ね」


……俺も実験体になってたのか。


「ちなみに左目にはナニが…?」



「それは死んでからのお楽しみ。


あ、聖剣はね勇者と魔王の最終決戦の地つまり、魔界の最下層である第七層にあるんだ。

私達四人は魔王と勇者の回収だけにしか目が向いてなくて他の物を持ってく余裕がなかったの」


「し、死んでから!?


あー、なるほどそれが、茉莉の言ってた冒険って訳だな?」


そうだった。記憶を掘り起こせば聖剣の事なんてすぐ思い出せる筈だったんだ。

それに冒険、これこそが俺の一番の目的だったし、丁度いい。


「そそ。七層には聖剣エクスカリバーの他に魔剣

ダーインスレイヴもあるし、何よりルシファー率いる最強の魔人達《七つの大罪》(セブン カーディナル シンス)がいるからね。

あぁ、でも魔王ルシファーは研究所だから、いまは六人しかいないけど。

でも安心して!魔界よりずっとやばい無限ダンジョンがあるから。

そこにはアーティファクトでも最上級の武器とか眠ってるって設定!」


なるほど、だがアーティファクトんてバランスブレイカーが簡単に手に入る筈がねぇ。

こりゃ攻略は大変そうだ。


うーむ、聖剣がないならどの武器を持って行くべきか迷うな。


一番強いのがあれかな。

刃が鮮やかな赤い剣を手に取って確かめてみる。


「あっ、それは魔剣レーヴァティンね。

アーティファクトだからギフトが込められてるよ。

《魔力吸収》と《魔力解放》装備条件は魔剣士Lv95


ねえクリス君、わたしのオススメはね、この日本刀だよ」


と茉莉が指差したのは黒い鞘に収まった一振りの太刀。

うーむ、みた感じなんの特性もない普通の刀だが…


「えぇ、なんの魔性も歴史も持たない、ただの太刀、でも素材は最高なの。

隕鉄、つまり隕石から造った鉄に、アダマンタイトとヒヒイロカネを合成させて造った切れ味最高にして超頑丈、しかも錆びないの三拍子そろったこの世に一つの名も無き太刀《無銘》!!


この太刀の利点はズバリ相手に此方の武器の力を悟られないことにあるわ。

この世界じゃ見た目は珍しいけど一見鉄の剣なんだから。

ところが剣を交えてみると、無銘は相手の受けた剣を紙切れのように裂き、鎧を豆腐のように斬り、身体は真っ二つになる事でしょう…ふふ」


な、なんだと!?

この太刀があれば最早聖剣なんていらねー!

早速腰に差しとこう。レーヴァティンも予備として差すか。


防具は何がいいのだ。

軍服、騎士鎧、傭兵の軽鎧…

よし、傭兵の軽鎧にしよう。

黒ベースで目立たないし、なにより身分がバレない。


「あっ、私とお揃いねー」


茉莉の魔法使いっぽいローブも、傭兵時代の防具らしい。

なんでも暗黒竜を討伐したときに得た素材から造った物らしい。



「さて、そろそろ行くか?」


ん?どこにだって?

決まってるだろう、冒険の旅さ!


黄金時代真っ只中の帝国は揺るがない。

たとえ南のルナ大陸と西のクド大陸が同時に攻めてきたとしても軽く撃退できるだろう。

俺は自室のテーブルの上に、旅に出るので騎士団は副団長に、軍は大将に任せると書いた手紙を置き、茉莉と共にグラン=マルーシェへと飛び出した。







こんにちは~

夜勤はしんどいです。

ホントはもっとガッツリ書きたいけど

ものすごく眠いので…


でも更新は毎日がんばりたいなーと


さて次回から、ようやく二人冒険が始まる!といいなー←


二人のチートっぷりに乞うご期待!?

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