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Romancier votre monde~異世界の作家~  作者: 狂里 李鈴
第1章 元作家と元魔法使い
2/7

第二話 作家と魔法使い

第2話 魔導書・グラン=マルーシェ




ぴんぽーん

ぴんぽーんぴんぽーん

ぴんぽーぴんぽぴんぴぴんぽーん


「えぇい!うっさいわ!連打すんな!」


電話で呼び出したのは自分だけど…


「おう、茉莉ー、魔導書は完成したのか?」


彼の名はクリストファー=アッカーソン、通称クリス君。

私を追ってはるばるイギリスからやってきた大ファンだ。


「いや、お前を殺して本を奪い返せと言われてやってきたんだからな?」


とは言っても彼も欲深き魔法使いの1人だ。

私が魔導書で世界を創るから君も手伝ってくれと頼んで、創った世界に共に行ってみたいでしょ?と言えば容易く陥落した。


「ふふ、いま最後の仕上げよ。世界の設定と主要人物、つまり世界グラン=マルーシェは完成してる。後はーー私とクリス君の魂を向こう側に創った私達に入れるだけ。」


世界の設定

それがこの本の一番の要だ。

ちなみに世界の名前はグラン=マルーシェ、私の小説《勇者アキラの大冒険》の世界の名前。

国名や大陸、主要人物もその設定からそのまま持ってきた。


「もちろん、レベルありきのステータス制だよな?」


ふう、レベル制とは彼が絶対に譲らなかった設定の一つだ。

彼がこちらに居着いてからハマったという、とある最後の物語11というネットゲームのように、レベルの概念が存在する。

最初はリアリティ落ちるから反対したんだけど、彼に進められて私もそのゲームにハマってしまったのが敗因ね。



だけどグラン=マルーシェではレベルが高いというだけで戦闘能力が高いとは一概には言えないの。


種族、性別、年齢、レベル、ステータス、ジョブ、スキル、装備

この8つがグラン=マルーシェには概念として存在し、戦闘能力に繋がっている。

因みにステータスは9種に分けられ、ジョブ、スキルは無数に設定されている。


先日人物設定した1人の男を例にすると




クリストファー=アッカーソン

古代種/男/1126歳/総合Lv2295

マギ=エンシア帝国


★天下無双の剣聖騎士 Lv255

魔印騎士 Lv255/竜騎士 Lv255/魔法剣士 Lv255

剣術士 Lv255/拳闘士 Lv255/魔導士 Lv255

冒険者 Lv255/傭兵 Lv255



HP 390896/MP 32200

STR 6020(255)/VIT 4500(255)

INT 2700(255)/MND 2500(255)

DEX 2580(255)/AGI 3800(255)/CHR 2600(255)


こんな感じになる。

因みにスキル、装備は省略。

括弧内は装備品の数値だ。

つまり彼のSTRは6020+255で6275と…うん最強。



ステータスの意味


HP 生命力

怪我すると減る。勿論痛いし、なくなると死ぬ。


MP 魔力

魔法などスキルを使うと減る。精神的に疲れる。これがなくなるとMP消費のスキルが使えなくなる。


STR 攻撃力

相手に与えるダメージに関係する。

ただ注意してほしい事はSTRの分だけダメージを与える訳ではない。首を斬るのと腕を斬るのでは当然ダメージが違うでしょう?

筋力と武器を考慮し、平均的に通常攻撃で与えられるダメージを計算したのがこの数値。

ちなみに物理攻撃スキルを使用することでダメージは上乗せさせられる。


VIT 防御力

受ける物理ダメージ量に関係している。

これも上と同じで、受ける部位などによって変わるけど、防具を装備してその平均がこの数値と。


INT 魔法攻撃力

魔力を使ったスキルのダメージ量に関わる。

例えばファイアボールを唱えると、ファイアボールの基本攻撃力+INT、当てた部位、相手のMNDなどでダメージ量が決まるって訳ね。


MND 魔法防御力

受けた魔法スキルのダメージ量に関係している。

ちなみに魔法防御ありの防具を付ければ軽減されたりする。


DEX 器用さ

命中率に関係している。

高いと弓の扱いが上手かったり、鍛冶、細工など

の才能もあるかも?


AGI 素早さ

これは上のどのステータスよりも曖昧なんだけど、主に体重と身軽さが関係していて、高いと攻撃スピードが早かったり魔法の詠唱が早かったりする。


CHR カリスマ性

これはAGIより更に曖昧。

その名の通りこれが高いと民衆に支持されやすかったりする。実は裏設定で運にも関係している。

「と、まあこんな感じねー」


「って強すぎだろ俺!!」


そう、彼のグラン=マルーシェでの設定。

役職は北のマギ大陸の帝国《マギ=エンシア帝国》の最強騎士団、魔印騎士団(マギナイツ)の団長にして、帝国軍元帥だったりする。


「えー、でもホントは騎士なんかじゃなくて、皇帝とかやって欲しかったんだけど。てか魔法使いなのに騎士ってどういう心境の変化?」


私達は異世界に行くのだ。

今は設定でいくらでもいじれると言っても、一度創り終えたらもう、改変は出来ないのだ。

やはり最高の権力者が実際の親友だと頼もしい。


「皇帝とか、ぜってぇ無理だから。むしろ3日で滅ぶわ。何よりも…せっかく異世界に行けるんだ。冒険しないとな。

魔法使いじゃない理由?そりゃ当たり前だ。

例えば俺がサラリーマンだったとして、向こうでもサラリーマンしたいと思うか?」


そう言ってニヤニヤと笑う彼は、気持ち悪かった。


「うーん、私は向こうでも物語を書きたいな。あ、こんなに強くても冒険する余地は十二分にあるから安心してね。例えば無限迷宮とか凝ってるよ」


「ほう、そりゃ楽しみだ。ちなみに茉莉のステータスはどんなだ?」


「それは秘密よー」


「おいおい、ここまで来てそれはないだろ?」


「うーん、じゃあ役職だけ。皇帝の姉って設定にしてみたよ」


うん。実際に国を統治するのは無理でも、皇帝の姉なら我が儘はほぼなんでも通るし。

てか私のスキル使えばだいたいなんでも出来ちゃうんだけどね。


「姉!?皇帝っつったらたしか…メルシュ=メイリエッタ?だっけ」


「そそ、正しくはメルシュ=メイリエッタ=エンシア=セカンド。通称二代目魔王メルシュね。年齢2573歳、でも見た目は中学一年生。私の弟そっくりな見た目と性格にしといた」


「名前なげぇ…。ちなみに茉莉の年齢は?」


「私は永遠の17歳」


「釣られないぞ」


メルシュの設定は初代魔王ルシファーが勇者アキラに封印された後、封印を即解除して勇者共にメルシュ専用スキルによって《使い魔》にし、自分の研究所へ持ち去り実験体にしたという酷い奴だ。


その100年後、魔獣の地であるマギ大陸へ渡り、頂点に立つ魔獣達を使役し、マギ=エンシア帝国を建国。


魔法学園や傭兵ギルドなどを、開設しその圧倒的なカリスマ性で技術、武力共に世界最高の国へと育てて行くのだ。



「あ、勇者アキラの大冒険の最終巻が発刊したら出発するからね」


うん、やっぱこの世界最後の作品になるんだから見ておかなきゃ。

ちなみに私達はこの世界に帰ってくることはないだろう。

それが魔導書の最大の欠点でもあるのだから。




9/13クリス君の年齢を正しました。

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