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虐待

作者: 名無し

私の母親は典型的な虐待サバイバーだ


亡くなった祖父、つまり母親の父は古くからの地主の家柄でガチのDVだったらしい


かなりのお金持ちで、私の記憶に残る断片でも、何十羽の鳥だけ飼うための部屋、趣味の絵描き部屋、後妻さん(私の祖母にあたる母にとっては義母)を召使いのように扱い好き勝手振る舞っていたのを覚えている


当時子どもの私からは、よく喋る趣味がたくさんあるおじいちゃん、という印象だけだったが、今思うと祖母や母が、祖父の大声や動きにびくびくしていたことが思い出される


リアルガチで食事中にちゃぶ台をひっくり返されたと母は後に言っていた

そんな父親とその父親からDVを受けていた義母に育てられた私の母


アダルトチルドレンで愛着障害、躁うつ病でPMDD、常に自殺願望があり睡眠障害で睡眠薬常用

興奮して馬鹿笑いしていたかと思えば、霊に憑依されて血走った目をして子どもを殺して私も死ぬとキレだす

思い返すと愉快な家庭であった


そんな中ラッキーだったのは、私は三女だったということ

過干渉の毒親被害を受けた長女、反抗してグレまくった小心者の次女がいてくれたお陰で、私の被害はほったらかしにされたネグレクトだけでほぼすんだのである


姉たちからは意地悪されたし、家の中はサバイバルだったけれども優秀な私はそこまでのダメージを負わなかった

(衣食住もお金には困らなかったので)


幼児期に酷い虐待を受けると、脳に影響が出る

脳の特定部分が肥大することが医学的に証明されている

言語やコミュニケーションに問題を抱えたり、記憶障害が起こる

感情のコントロールが難しくなったり人間関係の構築の妨げになるなどする


そのあたりの詳しいことは世の中にいくらでも資料が出回っている

ともかく、後々の人生にもずっと被害が出る、ということ

現実的に虐待される状況が終わっても、被害者の脳の中では、一生終わらないのだ


後期高齢者になる私の母親も、しわしわの手をしているのに、中身は未だに小さな子どものまま

恐れ脅え、心はずっと泣いている


脳の変化は治らない訳ではないという

育て直しはいつからでもできるのだが

虐待の程度や本人の性質、どれだけ周囲に恵まれるかなど、困難を乗り越えられるか否かはとても難しいところではある


私自身は克服できた、と思う

重篤な無価値感を抱えた母親に育てられて、自分はいらない子だとずっと植えつけられてきたが

母親と自分は違う


この世界にいらない人間なんて存在しない

万物全て存在するものには価値がある、と

全ては愛の化身なのだから

I Knew it.

変わらないものなど、ない




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