喋った⁉︎
「お願いします。」
親がいなくなった大也は施設に引き取られることになった。親がいなくなってからは大也達が住んでいたマンションの管理人が一週間位引き取って、施設に預けるという形になった。施設の人間に引き取られた大也は大型トラックの狭いベッドに寝かされた。他にも不老不死の能力の子供が乗っているようでとても暑苦しい空間だ。
しばらくして施設に着いた。トラックから一気に他のベッドと一緒に降ろされた。ベッドは全て繋がっているようだ。施設は見た目はかなり大きい。
「番号24万1260番」
施設に入って、よくわからない機械を通した後1人、1人にそういう番号が付けられた。
それからしばらくベッドごと押されていると、何やら広いところに着いた。一面ベッドと赤ちゃん。そのベッドの上には機械みたいな物があって、その先っぽには哺乳瓶が釣られている。多分自動で赤ちゃんにミルクを与える装置?的な感じだと思う。大也もそこの空いているベッドに寝かされた。ベッドの上にはもう一つテレビのような物があって、映画が流れていた。どうやら、赤ちゃん達が鬱病などになってもらうのは困るそうだ。噂ほど悪い場所では無い。大也はこの場所で普段はずっと寝ていた。親がいないことへの不安か、ミルクは一切飲まないし、泣くこともほとんどない。何故か大也は孤立していたため、施設の運営も、
「おい、24万1260番は大丈夫なのか?」
そういう者もいたそうな。常に異常な行動をとる子をチェックし、報告する機械があり、大也はそれにいつも引っかかっているらしい。ただ、特に健康状態に異常は無いため大丈夫という結論にいたった。
「みんなー。今日は久しぶりの着替えの日だよ〜。一年に一回だけとか少ないよなぁ。」
施設の人が何個かのベッドを押して着替えがある部屋に大也達を連れて行った。
「じゃぁ、まず24万1260番の大也君からだね。え〜と大也くんの大きさの服は…これかな?」
施設の人は新しい服を持ってきた。そして大也の服を脱がせ、持ってきた新しい服を着せようとした。
「ん?あれ?」
服が入らなかった。不老不死は成長しないため、服の大きさも変わらないため、表で管理されている。
「大きさ間違えたかな?もう一つ大きいの持ってくるね」
そういった瞬間の出来事だった。
「オナカスイタ」
大也が言った。
「は?」
施設の人は言葉を失った。
「オ〜ナカス〜イタ」
確実に大也が喋っている。
「喋った⁉︎」