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空の蒼きあと、  作者: 古明地白根
1/2

第1話 理沙の父方の叔母

こんにちは、古明地白根です。


今回の作品は友達の勧めによって書き始めました。


高校生の日常の風景を想い描きながらの作品になります。


尚、この作品は、東方Projectとは、直接の関係はありませんが、私自身の作品とは関係があり、その作品が東方Projectと関わりがあるため、固定キーワードの方に関与していると表記しております。


その為、私の作品である、白黒信夢録のネタバレに繋がることがあります。


そのような事が苦手な方は、読む順番等を考慮するなどして頂けると幸いです。



それでは、『空の蒼きあとに、』


お楽しみください。


初めて会った時には、君がそんな事を想っていただなんて、


私は気付かなかった。





私は、高校三年の春にして、父親の転勤によって京都から広島へと転校することになった。

父親の転勤によって転校することは別に嫌じゃなかった。

ただ、元の地域に慣れている者が他県、他地域に急に行く事になるのは、ほとんどの者が恐怖と感じるのではないのだろうか。

私もその一人。



京都での暮らしは窮屈だったが親しみはあった。

今までの生活を手放すのは名残惜しいが、同時に新しい場所に行くのは楽しみに思っていた。

京都での暮らしが夏はとても暑く、冬はとても寒かったということは嫌だったが。

ただ、私は高校三年なため、受験も控えている。

新たな生活を楽しみに思うのも良いが、やはり焦りもあった。



そんな多々ある思いを抱えたまま、私達は広島へと引っ越し、私は転校した。



夜、広島に着いた後、直ぐに新居へと向かった。

築三十年は超えているだろうのマンションの五階にある一室だった。

急な紹介になるが、実は、私の父親は、大学の教授なのだ。転勤とさっきは言ったが、少し長めの臨時赴任が正確には正しい。元は京都のとある大学の教授だったが、急遽同じ学校法人の大学へと臨時赴任することになったのだった。

私達は、二人で生活するため、そこまで長くない生活になるため、新居は新しくないマンションが選ばれたのだった。


私は既に部屋に運び入れられていた段ボールの数個を開け、自室とされた和室にてそれらを整える。

とりあえず、寝具(布団類)を出し、敷く。

整えたあと、今度は転校後の高校の制服を取り出し、整えて、敷布団の真横に置く。

私は私服から寝間着へと着替え、まだ私物が入っている段ボールが横にある状態だったが、布団に入った。

次の日から学校だったからだ。


「急な転勤、転校……大変なんだけど。」

そう、口に出し、枕に顔を埋める。

そして、寝返った後、天井を見上げ、寝についた。



翌朝、私は家にある未だに開けてない段ボールを無視して、制服に着替え、冷蔵庫に入れられてあった食材を取り出し、適当に作った朝ごはんを食べて、早めに登校する。


「行ってきます。」

誰も居ない部屋に向かって言い、鍵を閉め、エレベーターへと向かった。



高校までは徒歩で五分。

スマホで検索し、随分と近いところが選べたものだなと再度思いながら、家を出る。


途中にわりと大きな橋があっても本当に五分で着いた。


「めっちゃ近い……。」


高校に着き、事務室へと向かう。

その後、高校の事務員の方であろう人から職員室へ向かってください。

と、言われ、その通りにした。



高校の職員室を訪ねた。

事前に私の父さんが転校について話をしていたらしい先生が私の姿に気づき、近づいて私に微笑む。


「初めまして。白峰さん。私は貴女が編入する理系五型クラスの担任の風雅です。今日から貴女にとって新しい学校での一年が始まるけど、大丈夫?」


「はい。大丈夫です。よろしくお願いします。」


そう、私が告げると、その先生は少し困った顔をした。


「……ごめんね。ちょっと、面談室でお話できるかしら?」


「分かりました。」


担任になる風雅先生の後ろを付いていき、面談室に入り、二人っきりになる。

席がテーブルを挟んで向き合わせになった。


そして、先生はいきなり、さっきまでの口調から大きく変わった。


「……理沙ちゃん、久しぶり!元気にしてた?」


「……はい?」


先生の変わりように私が固まっていると……


「ほら!私よ!私。黒菜よ。」


「……は?」


「もう、覚えていないの?貴女のお父さんの妹、黒菜お姉さんよ。」


「え?黒菜おばさん?」


「こら。」

先生に軽く頭を叩かれた。


「黒菜おば……お姉さんってここの教師だったの!?」


「今、おばさんってまた、言いそうになったわね~?私は、まだ二十九!……もう、やっぱり可愛いんだから~。」


そう言って、私をムギュッと抱き締める。


「苦しいって。」


「ごめんごめん。……そうよ。私はここの教師。美術科の教師よ。」


「……親戚が担任ってOKなの?」


「大丈夫です……多分。」


「多分って……」


おばさ……風雅先生は、目をそらした。


「ま、それは、良いとして。貴女は私のクラス、三年二組よ。今日は年度初の学期の始まりの日だから、体育館で始業式があって、授業は無いわ。その代わり、ホームルームがある。そこで、皆の自己紹介するから、貴女も自己紹介してね。」


「分かりました。」


そして、先生は私の顔を再度見つめ、うんうんと頷く。


「……やっぱ、可愛い。」


「……言わないで。」


その後、暫くの間雑談をし、私はこれからについて安心できると実感していた。


黒菜おばさんは、私の父さんの妹にあたる人で、毎年の正月の三日間のうちの一日だけ会える人だった。

私達、三姉妹は唯一の叔母である、彼女に会うのは凄く楽しみだった。

何せ、彼女は絵を描くのが趣味で、正月の日、外に遊びに出ては、四人で一緒に絵を描いては見せあい、それを楽しんでいたのが思い出だ。

……まさか、私の転校した先の高校の美術科の教師だったとは。

仕事が何かまでは言ってなかったし、近年は、忙しいという理由のもと、正月に帰省していなかったのだ。

それらより、私は先生が黒菜叔母さんだと気づいていなかった。

……父さんも教えてくれれば良いのに。



暫く雑談を続けていたが、校内が少しうるさくなってきた為、打ち切った。


「あ、流石に校内では、私のことは風雅先生で呼んでね。」


「分かってるよ。」


「……それじゃ、私と一緒に体育館へ向かいましょう。クラスの皆は副担任に任せているから大丈夫よ。」


「了解。」


私が返事をすると、今度は真剣な顔になった。


「……理沙。あれだけは、必ず守ってよ。」


「……分かっているって。大丈夫よ。」


そして、また、笑顔に戻る。


「貴女なら、分かっているわよね。よし、じゃあ、行こう。」


そして、私は、先生と一緒に体育館へ向かうのだった。




ありきたりで退屈な始業式も終わり、いよいよクラスへと戻ることになった。


列の最後尾にいた私は帰るときには先頭になる。


そのときに、後ろから、


「あれ?私の後ろって、誰かいたっけ?」


「さあ?居たんじゃない?クラス替えしたし、よく分かんないよ。」


など、聞こえたが、無視して先生の後に続く。




教室に着くと、先生が「出席番号順に席についてね。」

と、言い、私は転入生なので、番号的に一番最後になる席に座った。



そして、皆が着席し、静かになった後、先生が自己紹介する。


「三年二組の担任の風雅ふうが黒菜くろなです。ほとんどの人は分かっていると思うけど、担当は美術科よ。何かあったら、職員室じゃなくて美術準備室に来てね。大抵はそっちにいるから。」


と、先生は笑顔で言う。


「……さてと、気づいている人もいると思うけど、今年からこの高校にやって来た転入生がいるの。……白峰。こちらへいらっしゃい。」


先生は私の方へと手を向け、呼び、皆は私の方を一斉に向いた。


見せ物じゃないですよ。



そう思いながら、私は先生がいる白板の前へと向かう。

先生の真横に立ち、自己紹介を始めた。


「初めまして。今年からこの高校に編入しました、白峰しらみね理沙りさです。高校では一年だけの付き合いになってしまいますが、どうぞ、よろしくお願いします。」


そう告げると、男子勢から、「女子か……」やら、「よし!」やら。


だから、見せ物じゃないっての。



その後、他のクラスメートの簡単な自己紹介が終わり、先生からの少しの雑談があった後、ホームルームは終了した。


「んな訳で、白峰とは仲良くしてあげてね。それじゃ、暮会は無し!後は帰るなり、白峰に問い詰めるなり、お好きに。」


また、男子勢から「よっしや!」やら、「ヒャッホーイ!」やら。


動物園か?




案の定、ホームルームが終わった後は、質問タイムになった。

特に男子からの問い合わせが多かった。

教室の後ろでニヤニヤしている叔母さん。助けて。



「ねぇ、白峰さん。どこから転校してきたんだい?」

最初に聞いてきたのは眼鏡の男子。


「京都だよ。」

私は素直に答える。


「へぇ。」


それだけだった。


……なんなの?



「そこのメガネ!それだけならどけって!」

今度は何なんですか。

そして、そのメガネはさっさと自分の席に戻り、帰り支度をする。


「白峰!一年間だけど、よろしくな!さっきも言ったが、俺はとどろき修馬しゅうま。分からないことが有れば俺に聞けよ?あ、さっきのメガネは岡村おかむら拓志たくし。自称天才の生徒会副会長だ。」


「そうなんだね。」

適当に返す。

そこまで興味は無かった。


ん?分からないことは聞けって?

なら、そこだけ聞いてみよう。


「轟君だっけ?」


「ああ、そうだ。俺は轟。何か気になったのか?」


私は、番号的に一番前になる人のの机を指差し、

「……今日、欠席していたのは誰なの?」


と、言った。


何故か轟は頭を抱えた。

私はさっきから気になっていたのだ。

始業式の日なのに、クラスに欠席者がいたのだから。


「あそこの席は、青木って奴の席だ。……一度も会ったことは無いがな。」


「会ったことがない?」

そう言うと、皆も同じような雰囲気になる。



「あいつがどこで何しているかは知らない。誰も話したことも、見たことも、どんな奴かも知らないし。……気にはなるがな。」


それを言うと、轟は黙ってしまった。


後ろを見ると、先生はいなかった。



その後、黙ってしまった轟を差し置いて、他の男子や女子から質問責めに遭った。


初日からなにやら変な雰囲気はあったが、まぁ、一年だけのお付き合い。

特に大きいことは無いだろう。


……そう、思っていた。




私は、また五分で帰宅し、家の段ボールを片していた。

父さんは暫く帰ってこない。

なんか、大学で色々しないといけないらしく、数日住み込みになる、と、電話があった。


何のための引っ越しなの?


文句を言いながら、段ボールをひたすら開封し、それらの荷物を整頓する。



暫くその作業が続き、あらかた終わった頃には窓から強烈にオレンジ色の光が差し込んでいた。


「もう、夕方?晩御飯用意しないと……」


冷蔵庫は既に使えたのと、今朝分の食糧はあったため、朝食は用意できたのだが、晩御飯分は用意されてなかったのだった。

因みに昼は学校近くのコンビニで買った弁当。


制服のまま、近くの八百屋か小さいスーパーか分からない店に駆け込み、晩御飯を調達する。


「適当に軽く済ませようかな……」


そう思い、惣菜に手を伸ばし、かごに入れる。


そんな感じで夕飯の支度をしていると、私と同じ制服上着を着ている男子が店の真ん中で惣菜パンを手に取っているのが見えた。


同じ学校だよね……近くに住んでいるのかな?


そんな事を思っていると、その男子はレジに行き、買い物を済ませ、足早に店から去った。




その日の晩御飯を済ませ、次の日から始まる授業の準備をし、寝間着に着替えて寝た。


やはり、父さんは帰っては来なかった。



「母さんも会えないのに、父さんにも……」




翌日


昨日の残りを食べ、制服に着替え、短すぎる通学路を行く。


「……しまった。癖で早く着きすぎた。」


京都にいた頃には家から学校までが遠かった為、朝の六時には家から出ていたのだ。

その癖によって、引っ越した後のこの地でも六時に登校してしまったというわけだ。


「着いたのが、六時ちょい過ぎ……これでも遅く出たつもりだったけど。」


しかし、早く着いたのを機にあることを思い付く。


「……校内見学でもしとくか。」


理沙は教室から出て、校内を散歩する。




……あまりにも直ぐに終わってしまった。


普通の人ならば、かなり広く感じるであろうこの高校の敷地でも私ならば、直ぐに見終わってしまった。



しかし、一ヵ所だけ、全く見れていないところがあった。


「屋上……鍵が閉まってて入れないんだよね。」


行ってはみたかったが、諦める。


ここまでで六時三十分。


「残りの時間をどうやって潰そうかな?」


私は教室に戻り、一人、暇な時間を過ごしていた。



「……早く、叔母さん来てくれないかな?」

そう、呟きながら。





昼休み


「暇だなぁ。」

そのように私がぼやくと、前から軽めのチョップが降ってきた。


「何、寝ぼけた事を言ってんのよ。貴女にとって、二日目でしょ?」


叔母さん先生が首を突っ込んできていた。


「だって、教室だったらずっと質問されまくるんだもん。」


「そりゃ、当たり前でしょ。転入生なんて珍しいんだから。ここ(美術準備室)でうなだれてんじゃなくて、教室に行きなさいよ~。……てか、授業については大丈夫なの?」


「大丈夫。ある程度は事前に予習していたし、受験勉強にも取りかかっているから。」


「そういえば、貴女ってそういう子だったわね~。……貴女がこの高校に急に編入出来た理由の一つだったわ。」


あ、という顔でそんな事を言う。


「そういや、なんで、直ぐに私の転入が認められたの?時間は少なかったでしょ?」


叔母さんは、「これ、言っちゃって良いのかしら?」

と、呟く。


そして、開き直って、理由を告げるのだった。


「……いわゆるツテ。」


「は?」


私はその返答に呆れる。


「あ、勿論、それは遠目から見ればの話。実際には貴女の内申点が良すぎた事と学校法人 武刃学園の関係よ。」


「学校法人?」


「実は、ここの高校、以前の貴女が通っていた高校、貴女のお父さんが現在勤めている大学、以前の貴女のお父さんが勤めていた大学の四つの学校は全て同じ学校法人、武刃学園に属しているの。」


「?法人が同じでもそんなにすんなりいくの?」


「普通は出来ないわ。……けど、貴女の場合は違った。……今回の貴女のお父さんの転勤の理由、貴女は知っている?」


理沙は首を振る。


「あのね、武刃理事長って、知っている?」


「……いや、知らない。毎年の正月に遊びに来る武刃の陸おじさんなら知っているけど。」


「その陸おじさんが、武刃理事長なのよ。」


「……はい?」


「あのね、陸おじさんこと、武刃たけばりくって人はね、貴女のお父さん、白峰しらみね和明かずあきとは幼なじみで同級生なの。その人が今回、臨時で貴女のお父さんに転勤させたのよ。……広島の大学の学長にさせるために。」


「学長?なんで?」


「なんでも、こっちの大学の学長が急病を患って、代えが居なかったんだって。その大学の副学長は拒否したらしいし、他の先生はそこまでの経歴が無かったらしいから。急遽、貴女のお父さんに頼んだらしいわ。」


確かに私の父さんは京都の大学の副学長を勤めていたような気がする。

しかし、そんな事が大人の世界ではあったのか……


「……簡単に話すと、陸おじさんが貴女のお父さんに転勤を頼んだ結果、貴女も転校することになったの。

そして、転勤先の広島には武刃学園に属しているウチがあったから、貴女はすんなりと転入できたのよ。……内申点が良すぎだったり、理事長の推薦書が有ったりして、学力試験までもが免除されるとは思ってもいなかったけど。学費免除のおまけ付きだし……ついでに言うと、元の高校も武刃学園だったのは陸おじさんから貴女のお父さんに対しての学費免除優遇だったの。……お父さん達は貴女に知らせてなかったみたいだけど。」


「あはは……」



そんな事を聞かされていた後、チャイムが鳴った。


「次の授業が始まるわ。貴女は教室へ戻りなさい。」


「はーい。じゃあね、黒菜叔母さん。」


「お姉さん!」


「はいはい。」


理沙は走って教室へと戻った。




放課後


「暇だなぁ。」


私がそう言うと、前から今度は掌が降ってきた。


「ここでの授業はどうだった?」

頭を撫でられる。


「……京都の方がテンポ速いから良いな。」


「あっちの方が速いもんね。偏差値もあっちの方が高いし。」


「美術は楽しかったなぁ。」


「そりゃ、私の授業!姪に楽しくないだなんて言われたら私、泣くわ。」


「と言っても、皆、全然完成してなかったけど。」


「それは、貴女が絵を描くのが他の子よりも上手すぎるからでしょ!今日の授業で教えること、無かったわよ!」


「毎年、正月に美術の先生とずっと絵を描いてたらそうなったわ。」


「私が原因なんかい……」


今度は私が黒菜叔母さんの頭を撫でる。


「というか、貴女達三姉妹の出来が良すぎるわ!何なの?姉二人とも中高の成績オール5、理沙も中高五年間の成績オール4って!?」


「特に国語全般と数学全般、理科全般、社会全般、外国語、保健体育、美術、技術科(情報科)、家庭科、音楽、書道は得意です。」


「全部じゃん!!?……と言っても、貴女、オール4?」


「うん。4。」


「……」


「私、姉2人に比べれば頭悪いよ?」


「……意図的にでしょうが。」


「……知ってるんだね。」



その後も暫く雑談を続けた後、叔母さんは仕事があるからと帰宅させられた。


帰り道の途中に昨日、行った店に今晩の晩御飯の買い出しに行った。



そして、また昨日の男子がいた。

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