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7話・決意
「カナ、本当に大丈夫かい?」
「はい」
カトルは優しいし、心配性だな。タツミも爪のアカを煎じてもらえばいいのに。
カトルに連れられて、大きな扉の前に連れてこられた。今から王様に会うみたい。
扉を守ってる人たちが、カトル王子の合図で扉をあけた。
「聖女、カナ様をお連れしました」
カトルが頭を下げる。急に様付きで呼ばれ、なんだか距離を感じた。
「契約の乙女、聖女カナよ。よく参った」
また、契約? なんなの契約って。
「そなたには、我が国と光の精霊に忠誠を誓ってもらい、光の守護魔法を会得してもらいたい。そして、滅びの予言の未来からこの国を護ってくれ」
聖女になれってことなのかな。
難しいテストとかあったら嫌だな。
「わかりました」
言うことを聞かないと、どうなるかわからない。
この人たちは私が嫌だって言っても帰してもらえないんだろうな。
自分で帰る方法を探して、帰らないと。それまでは、従順なふりをしないと。生きるために。
帰るために!
「私は何をすればいいんでしょうか?」