4話・聖女とは
「こちらに座れるかい?」
テーブルセットのことだろうか。
目覚めたベッドから降りて、私は移動する。すこし、ふらつくけれどカトルが支えてくれた。椅子に座り、私はカトルの眼を見る。
「喉渇いていないかい?」
「あっ……」
「何か持ってきてもらおう」
そういうと、ドアの外に行き少したってからまた戻ってきた。知らない女の人も、一緒にはいってきた。
「果汁を少しいれた水をお持ちしました」
「ありがとうございます」
泣いたせいかとても喉が渇いていたので、ごくごくと飲んだ。
「紅茶も後程ご用意致しますね」
そういって、女の人はさがっていった。
カトルはゆっくりと隣の椅子にもう一度座った。
「聖女というのはね、国を守ることができる存在なんだ。聖女は光の精霊から特別な力を借りる事が出来、結界をはり、傷や病気を癒したりする力をもつ」
カトルが足を組み直す。
「この国には滅びの予言があるんだ。予言通りならこの国はもうすぐ滅びに瀕する出来事が起こる。その時カナ、君の聖女の力をかりたい」
聖女の力?
「あの、私そんな事出来ませんけど?」
「カナが落ち着いたら、聖女の力を確かめさせてくれないか?」
「えっと」
「難しいことじゃない。ただ、水晶に手をのせるだけだから」
「はい……」
よくはわからないけど、話しを進めるにはやるしかないんだろう。
「明日、用意させておく」
明日? ゆっくりなんてしていられない。
「あの今から、出来ませんか?!」
私の提案に驚いたのか、カトルの動きが止まったが、少し思案してから、答えてくれた。
「わかった用意させよう」