櫛の隙間。
取り除こうとして 結局残る そのひとつを
手にして嘆く 俯いたままで 鏡の前で
丁寧にひっぺがそうとしたって どうせ
染み付いてるんだよ こびりつく錆びと人生が
あれこれ考えていたって にっちもさっちもいかないだろうって
寂しいフリをして 構ってほしいフリをして わざとらしい
洗面台の前ですら 道化師になれない
ひとりきりなのに 馬鹿にできず
狂気じみた笑い声 かきむしる全身
天の邪鬼とか 以前の問題 映ったのは
燦然と輝く 真っ白というより グレーに違いない
抜け落ちた白髪 排水溝に流れる溜め息と―― 酷い後片付け