プロローグ
これは今よりもずっと昔のある話。
小さな町はずれの丘の上に可愛らしい女の子が住んでいた。町の誰もがその少女をを愛し可愛がっていた、中でも特に少女のおばあさんが溺愛しており、少女もまたおばあさんのことを愛していた。このおばあさんは魔道具制作のプロフェッショナルであり国王からもその腕が認められている国内でも屈指の魔法使いであった。そしておばあさんから魔法の手解きを受けている少女も魔法の才能に関しては歴代の魔法使いを凌駕すると謳われ、既に王宮直属の魔法使いでは相手にならないとされている。
少女が18になる誕生日におばあさんは得意の魔導具作りを活かし、少女に赤いビロードの頭巾を送った。 その頭巾にはいくつもの防御魔法が掛けられており、生半可な物理攻撃は少女に一切触れることができず上級程度の魔法であれば無効化することのできる至高の一品であった。少女はこの赤ずきんを大層気に入った。そんな反則のような性能をしてる赤ずきんは丁寧な刺繍が施されていて、一目見ただけでは貴族が持っていてもおかしくないような美しさである。少女自身も町一番の美少女であったことから、赤ずきんを付けた彼女はまるでおとぎ話の絵本から出てきた妖精のようであった。
いつしか、町の人々からは可憐な少女のことを愛称を込めてを赤ずきんちゃんと呼ぶようになっていた、