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元守護者は今を謳歌する

「今日も大量大量?」


霊符で自由を奪った黒装束達を一括りに縛り上げたのは、銀髪巫女は実体無き精霊。


冒険者に転職した彼は、そんな余計な事に忙しくも、やりがいのある日々に終われていた。


文字通り人身御供にされた兵士。彼の証言が無ければ発覚する事は無かった神殿の失態なのだが、貴族から送られた口封じの刺客であった。


どうやら、元守護者の少女は、守護者選定の時に、大貴族出身の守護者の娘と対立していたため、交代要員を丸ごとかっさらわれてしまったようだ。に、一人で送り込まれてしまったらしい。真面目に役目についていたが、期日になっても交代要員が現れないから苦肉の策として兵士を代理に立てたと報告してるらしい。

逆に、そこまで発覚してしまったため、神殿への横槍とそのほかの悪事が発覚し窮地に追いやられた大貴族からの刺客と言う訳だ。


霊符を張り終えた後、銀髪巫女は、駆け出し冒険者の姿に戻し「守護者ザマァで終わるつもりだったのに」と愚痴を零す。

リシェルは、スラム育ちで13で兵士見習いになり半年前まで守護者をし兵士を止めてから冒険者になった少年だ。


守護者をしていたのは国内くっしの危険地域。下から食料が送られて来なかったから下山を余儀なくされたのだが、少年を一時的な代役とした元上官の説明では、下山する時の魔物の活性化は想定以上。で、祠に戻る事が困難になってしまっていたのだと述べていた。

しかも、下山時点で砦はほぼ壊滅していたらしい。


本来なら選ばれた守護者でさえ数ヶ月しか持たないため、残された戦力と守護者で何度となく祠に戻ろうとはしていた。だが、魔物は日に日に強くなり祠のある山の麓どころか数ヶ月で森の入口にたどり着く事すら出来なくなっていたらしい。


しかし、連日の戦闘より負傷者は増え砦に籠もるしかなくなり、今や周囲の偵察任務がやっとの戦力しか残されていないような状態にまで追い込まれていた所を真偽を確かめるために派遣された部隊に救出されたらしい。


しかも、近くの村から送り続けた守護者の追加と、戦力増援要請を記した内容の手紙の悉くが、大貴族の領地で消失していたらしい事まで発覚したらしいな。


祠の存続は、国の有事に関わり危険な行為であった為に、手紙の紛失に関わった者はまとめて更迭。


問題の大貴族は拘留された。


原因となった大貴族のご令嬢はパーティー会場で、元守護者と親しかった聖女様が直々に断罪された。


いまは、騒動の元となった兵士に目が向けられている。


神殿が守護者を選ぶが、選定基準は公開されていない。守護者でもない者が孤立した山中で年単位で無事に生きて戻ってこられるのか?また、国が邪魔な貴族を排斥するために、存在しない者を作り上げ一芝居うったのではないかと、実在を疑問視する声まで上がり始めている。


そうした中、冒険者ギルドから彼に強制任務としてある場所に送り出す事にした。


冒険者ギルドには、組合員が依頼を円滑に行えるよう便宜を図る事を義務づけられている。


元々は依頼人と揉め事が起きた場合の措置だが、国の機関と連携し強制任務と言う形で、ほとぼりが覚めるまで安全な場所に彼の身柄を預ける事にした

国内で最も安全な場所とは即ち王城。


放棄されていた古い時代の祠の管理者として送り込まれる事になる。



「ここのどこを掃除するって?」


綺麗にかられた芝生は枯れ葉一つなく、足を踏み入れる事すらはばかられる。


芝生の養生地らしいが、広大な土地に祠であるらしい巨大な石がポツンと取り残されているように見えた。四方は以外は高い壁に囲まれ城を守る監視塔には常に人影が見える。


箒とハタキ。掃除道具一式を与えられリシェルは申し訳程度の大きさの管理小屋を目指し歩きだした。


体の言い幽閉ではないのか?と疑問に 思いながらも素直に従う以外になかった。


監視の目があるため祠よりもタチが悪い。


だが、街中に在るため抜け出したければ精霊体になれば容易く抜け出せてしまうのだが…。


「…まぁ、祠ほど悪くはないか」


家具一式に台所の地下食料庫には数日分の材料を支度されていた。


安全であるとは聞かされているが、果たしてそれらが本当に安全である保証はあるのかと疑惑の念は止まらない。


「市場で売り払うのも手だけど毒入りだったら大変だしな。てきとーに床下に埋めて隠すのほうが無難でいいか」


飲み食いは街中で済まし、自力で調達したもの以外は一切口にしない方法もある。


正直、保護の為と言う言葉を全く信用していない。強制依頼で体よく外界から隔離されただけ。


期限が提示されてない強制任務など幽閉処分の何者でもない。


祠が本物で、精霊体のままエネルギー補給していいれば半永久的に食を必要としないが、精霊体についても言及されていない以上。あからさまに食事を絶つ訳にもいかない。最低でも一度晩通常に食事をしているように見せなければならないのは面倒そうである。


普通に大量に作り置きしても放置できる状況か?

そもそも、秘密の通路でもあれば、毒なんて入れ放題。


入り口を閉ざした後は、精霊体になり床板や地下の石壁をすり抜け徹底的に空間を探した。

隣接せるトイレは汲み取り式で回収し堆肥に利用しているらしい。


因みに外に井戸はないが、食料倉の一部に湧水が湧き出し、出口が低い位置にあるらしい土管にと吸い込まれていた。


飲み水と倉庫を一定の温度に保つのに一役買っているらしい。

ジャガイモばかりで、小麦粉が少ないのは、小麦粉が湿気を嫌うからだろう。


まあ、小麦粉が大量にあってもナンの失敗作みたいな平たいパンくらいしか焼けないのだ。


そうした理由から外食がメインになるのは間違いなかった。


「…まぁ、地下牢に入れられるよかマシか」


塔からは丸見えで、兵の上は通路になっていて警備の兵も巡回している。 騎士団か警備兵の練兵所も近くにあるようで剣戟や掛け声が聞こえる。


空が見え、施設の管理依頼であるため手当てもでる。保護名目で押し込められたが、地下牢で幽閉されるより幾分かマシな対応をしてもらえたようだ。


それ故の砦を無視して王都行き。


本来なら砦にむかって合流するなりなんなりすれば何の問題もなかった。退職時に上官の怠慢と守護者の責任放棄を進言したが、下手な人間に報告していたら、命令無視や敵前逃亡ととられかねない軽率な行為だったらしい。


だが。まがりなりにも実害があったのだから、逆恨みして密告したと言われたらキレていただろう。


騒動の果てに大貴族没落に至のは予定外もいい所だが…。


直接関与した訳ではないが、神殿関係者も何れ顔を出すとの話だ。

まあ、祠にはこちらからは触れない不思議な掲示板があり常に世間の情報や予定を伝えてくれていたから、山中に取り残されても絶望しなくても済んだのだ。


神殿関係の施設には必ずあるが、秘匿技術で作られているらしい。


正式な守護者でない代理では不可能だった。


こうした知識は精霊化した時に自然と理解した物だ。


神殿や聖域にいる人に長く関わってきた精霊は個の意識があり、会話や意志疎通が出来るのだが、野良の精霊に人のような意志はないから精霊からの干渉はない。


精霊の力を存分に奮える訳ではなく、形こそ人型だが、彼の精霊化の核になる部分は野良の精霊と彼の肉体。


精霊の霊装は使用者に見合う形になるが、基本的に精霊の力だが、彼の精霊は大自然をたゆたいし、理の“無属性”。


存在する限り無害であり無敵だ。


四属は扱えず、精霊に意志がないから能力を作らなければならなかった。


生きるのに便利な力がが霊符だったと言うわけだ。


四属のような派手な術は扱えないが、霊符は念として込めた事がほぼ可能。


補助魔法や強化などに類する力らしい。


「…中はもう大した物はないし、祠に行ってみるか」


一通り探索を終え、本命の遺跡に向かう。


石を積み重ねられた壁に囲まれ地下に階段が伸びていた。


突き当たりは、鉄柵で物理的に封鎖されていたが、精霊体になればそんなものは障害にすらならない。


「…井戸の中か?」


たゆたう天井に空間が水に満たされて居るかのように見えた。

山の祠みたいに流れが繋がっている感覚はない。

長期間空間に溜まった力の一部が視覚に影響を与えているようだ。


精霊体だから不思議な空間に見えるが、生身であればただ真っ暗なだけの洞窟でしかないだろう。


聖域であれば足を踏み入れただけで満たされる感覚が得られるのだが、聖域ほど余剰エネルギーはないが、精霊体の肌がほんのりとした暖かさを感じる事から補給は問題ないだろう。


以前は霊符を使った後は、精霊力を街中の神殿の隅に居座ってこっそり補給をしていたりしたのだ。


魔力と違い存在力に影響する霊力は神殿や聖域化した場所でなければ回復しない。


霊力=存在力であり、霊力の塊である精霊体は存在力で様々な現象を起こせるが、霊力を使うほど存在力を失う。


そして、存在力の自然回復は微々たる物で、あの祠などは、中継点として術で人工的に作られた場所のため例外として、こうした全くの手付かずの場所は珍しいが、使い終わって一肌になった温石カイロ的なエネルギーしかないのでは純粋な精霊には物足りないからだろう。

神殿や祠で祭られていない野良の精霊は縄張りを荒らされるのを嫌うので、精霊体でコソコソ隠れ家的に使わせてもらえないだろうか。


後でマーキングしとこうと思いながら生身に戻ってから階段を上がる。


一面の芝生とポツンと一軒の小屋。


-ここが牢屋でないと誰が言った?


地下物資で悠々自適?娯楽は?会話は?


見回りのある地下牢の方がまだ人気があるぞ。

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