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第十三章 運命の入れ替え戦! Ⅰ

 騒ぎがあったが、小さいうちに解決できて。シェラーンはサポーターたちとともにゴール裏の観客席にその身を置いた。

 ファセーラ側も冷やりとしたが、気持ちを入れ替え試合に臨んだ。


 それぞれのゴール裏にはそれぞれの紋章をあしらった大旗が5本翻る。

 旗手役のサポーターは大旗の竿を欄干に置き、竿と欄干が触れる部分をひもで括り付けて落ちないようにして、威勢よく交互に上下させていた。

 上下するたびに大旗は命あるもののように揺らめき、紋章を人々に見せつける。


 コロッセオは熱気に包まれた。

 運命を懸けた入れ替え戦である。

「勝って、トップリーグに上がろう!」

「昇格! 昇格! 昇格!」

 ファセーラのサポーターたちはその叫びを繰り返していた。


 シェラネマーレのサポーターたちも、

「勝って残留しよう!」

「残留! 残留! 残留!」

 テンシャンやローセスに、シェラーンまでもが、大声で叫んで声援を送った。


「シェラーネマーレ―ッ!」

 どどんどどん! という太鼓の音が高らかに轟き、その調子に合わせてサポーターたちはクラブ名を叫んだ。

 それはファセーラ側も同じで、

「ファセーラーッ!」

 と、これも太鼓の調子に合わせて威勢よくクラブ名を合唱するように叫んだ。


 選手たちの戦意は高いとはいえ、このサポーターの力のこもった声援に勇気づけられないわけがない。

「やるぞ!」

 と、皆が気を吐いた。


 選手たちはピッチでの試合前を終えて奥に引っ込んでゆく。

 そこにはガルドネがいたが、例のあの、上空から降臨するのはないという。

「自らの足でピッチに向かえ。全てを自らの足で踏みしめるのだ」

 杖をつきながらも仁王立ちして、選手たちにそう言い。皆頷いた。


(ってゆーか、オレの世界はそれが普通なんだけどな)

 逆に考えれば、魔法がある世界ゆえに、魔法なしでの生き様が特別視されることもある、んだろうかと龍介は考えたが埒が明かないので考えるのをやめた。


 選手たちは縦に並んで、二列になり。4人の審判に先導されてピッチに現れた。

 ピッチの芝の状態はいい。そして、運命の時に踏む芝は、どこかいつもの芝と違うようにも感じられて。ガルドネが踏みしめろと言うのも頷けた。


 両ゴール裏からの太鼓や声援が轟きが、コロッセオを包み込んでいた。

 観客席の観衆は皆必死の形相をしていた。まるで自分が試合をするかのような必死さだった。

「サポーターも戦っているんだ。一緒に戦ってくれているんだ」

 龍介は強い緊張感に襲われた。だがそれは必要なものに感じられた。

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