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第七章 やっぱり…… Ⅲ

(でも、久しぶりに日本語を読むなあ)

 そういった懐かしさから、ぐんぐんと物語の世界に引き込まれてゆく。

 裏切りと陰謀渦巻く物語を読みながら、時折そよ風が頬を撫で、鳥のさえずりも聞こえる。

 夢中になりながらもリラックスしているのは久しぶりだった。


 どのくらい時間が経ったのか、最後のページを読み終えたときには陽は傾き空は茜色に染まっていた。

「お嬢さま、夕食の支度ができましたよ」

 召使いの女性が呼びかけて、シェラーンは頷いて龍介とともに屋敷の中に戻って大広間で夕食をとった。


「くつろぐなあ」

 不意にぽろっと出て、自分がリラックスしていることに今更のように気付いたように言う。

 シェラーンは微笑んで、リラックスしている龍介を見つめた。

 ドタバタしたようだったが、振り返ってみれば楽しい一日だった。


第七章終わり 次章に続く

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