表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/115

第五章 セカンドハーフ Ⅷ

 思わずにっこり笑ってしまった。

「わかりました」

 即答した。

 他は、ジェザにリョンジェ、リジル、ジョンス。そして龍介。この5人でPKに臨むことになった。


「キッカーはゴール前に来てください」

 副審に促されて、5人のキッカーとゴールキーパーのルーオンに、ヴァゼッラの選手たちがゴール前に集まった。

 まずはヴァゼッラが先攻、ルーオンがゴール前で身構える。


「PK開始!」

 審判は言い。ヴァゼッラの一番手の選手がボールを蹴った。

 ボールは勢いよく右サイドを飛び、ゴール右端のネットを揺らした。ルーオンも軌道を読んでいたが、指先わずか届かず。

「くそ」

 舌打ちしながらボールを蹴り出す。


 PK、ペナルティーキックというだけあって、至近距離から1対1でシュートを打たれるのはゴールキーパーにってまさペナルティーだった。

 ザフォロは不敵な笑みを浮かべて「よし」と仲間と手をたたき合う。


「まかせろ」

 一番手はディフェンダーのジョンスだった。ぱっと見風紀委員長をしていそうな好青年風の男だが、その目は真剣そのものだった。3失点は守備を司るディフェンダーとして悔しい事、その悔しさをPKにぶつけた。


 ボールを蹴る直前、一瞬動きを止めてから、思い切り蹴った。そのフェイント作戦が効いて、相手のゴールキーパーはボールは左方向に飛んだのと反対の右方向に飛んでしまい。得点を許してしまった。


「よっしゃ」

 ジョンスはにこやかに龍介たちと手をたたき合った。

 それから、順番は周り。4回戦まですべてボールはネットを揺らした。

 最後の5番手はザフォロと龍介。まずザフォロが蹴る。

「龍介……」

 シェラーンは手を握り合わせて、祈りながら龍介を見つめた。


 バジョカ大王とガルドネも真剣なまなざしを送っている。

 ザフォロが蹴った。ボールはなんとルーオンの真正面。

「来い!」

 身構えてボールを受けた。が、しかし……!


 ボールの勢いは思った以上に強く。真正面で受けたにもかかわらず、思わずよろけてしまい。あろうことか、膝が折れてそのまま後ろに尻もちをついてしまった。

 ボールは手から弾き飛んで、頭上のネットを揺らした。


 大喚声が轟いて。ピエロDJは無邪気に「すげえすげえ」と囃し立て。ヴァゼッラ側の観客、サポーターは立ち上がって5回すべての得点を喜んだ。

「ううー、プレッシャーかかるなあ~」

 喉がひりひりし、はらわたが煮えそうな、ひどい緊張感に襲われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ