第五章 セカンドハーフ Ⅱ
前半とは反対側の位置で円陣を組むが、リジルはピリピリしているせいで一体感はなく。円陣を解いてそれぞれのポジションにつくときも、足取りはどうにも重かった。
今度はシェラネマーレからボールを蹴っての後半開始となる。
龍介が蹴ってもよかったが、リジルは大声でジェザを指名した。
シェラネマーレを応援する側、特にコアなサポーターたちの雰囲気もどこか悪い。
龍介は喉がひりひりする緊張感を強いられての試合になる。
ぴーー。
という笛の音がし、ジェザはボールを、龍介にパスした。
「ぼやぼやしないで前出ろッ!」
ジェザとリョンジェ、ギャロンまでそう叫ぶ。真ん中の列の一番右に着くリジルは、
「なんでだよ!」
と大声で喚いた。
「……ままよッ!」
龍介はドリブルし、前に進み出る。だが前に相手のヴァゼッラの選手が立ちはだかり、咄嗟にジェザにパスを回した。
一番後ろの列の左側のウォーラは様子を眺め、あまり進まない。反対側のリョンジェはどんどん前に進み出る。
「ほらよ!」
ドリブルをするも突破ならずジェザはすぐ後ろにいたリジルにパスを回した。その脇を真ん中の列の、左から二人目のトゥーシェンというやや褐色の肌の選手が駆け抜け、それにパスを回す。
その回されたパスは龍介にパスされた。
「ああ、なんでだよ!」
あいつにパスを回すな! とリジルは怒ったが、トゥーシェンは怜悧な目つきでリジルを眺めたあと、「まあまあ」と笑顔でなだめる。
パスを受けた龍介は、ゴールまでまだ距離はあったが思い切ってシュートを打ち放った。
ボールは相手選手の間をすり抜けるように飛び、ゴールキーパーは身構えて跳躍し受け止めようとするが。頭上のバーに直撃し。
バン! という衝突音を響かせてボールは跳ね返って、ヴァゼッラのディフェンダーが受けた。
が、そこにすかさず突っ込んでゆくのはジェザだった。彼はボールの動きを予測し、その予測が当たり、ディフェンダーからボールをぶんどると同時にシュートを打った。
思い切り強く、ではなく、程よい力加減でふわりとボールを浮かせて。
思わぬ連続攻撃にキーパーも多少慌てたが、咄嗟に跳躍し手で救い上げるようにボールを掻き出し。バーを越えて後ろのネットに乗ったあと、落ちてゆく。
コーナーキックになった。




