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第十四章 そして運命は決した……! Ⅻ

 シェラネマーレの選手たちはリョンジェらディフェンダーたちがセンターに位置するほどに前に出て、サニョンはコバクスと競り合いながらボールを受けた。が、すぐにコバクスにかっさらわれてしまい。


「しまった!」

 とドルブルする背中を追った。が、追い抜かず無人のピッチをゆかせればオフサイドになるので抜かなかった。

 そろそろ、というところでコバクスはミドルシュートを放った。が、ルーオンも来ると身構えていて、しっかりとボールを受け止めた。


 再開していきなり2本もシュートを打たれた。

「いいぞ、その調子だあーー!!」

 ファセーラのサポーターたちは絶叫しっぱなしだ。

「守れえー! 無理に攻めるなあー!」

 レガインは叫んだ。長いとはいえアディショナルタイムに入っているのだ、守って時間が過ぎるのを待つのだ。


「龍介、お前も守備に加われ!」

 言われて龍介もジェザと同じくらい後ろに下がって相手の襲来に備えた。

 ファセーラの選手たちは左右に展開し、状況に応じて短い、あるいは長いパスを使い分けてシェラネマーレの選手たちと攻防戦を繰り広げた。


 ダライオスは最後の力を振り絞って相手選手間を縫うように駆け、ボールを奪い去りシュートを放つところを見せた。

 かろうじてルーオンが右手で軌道をそらすも、ボールは跳ね返って後ろへ飛びネットの上を滑るように落ちて。

 コーナーキックとなった。


 左端にボールが置かれるとともに、ゴールキーパーのフォザンも前に進み出た。まさに11人総がかりである。

 ダライオスがボールを蹴り上げた。ゴール手前の選手たちは競り合いながら、ある者は跳躍した。フォザンも跳躍した。それと張り合うように龍介も跳躍した。


「くそ、背丈が……!」

 この中で一番背の低い龍介は空中戦ではかなわない。ボールは頭一つ抜け出たフォザンがヘディングでゴールへと叩き込んだ。

 が、ルーオンも咄嗟に、体勢を崩しながらも両掌で跳ね返し。ピッチに一旦落ちて跳ね返ってまた浮かんだところをジョンスが左斜め方向へと蹴り上げて、ボールはそのままラインの外へ出そうとするが。


 狙いは外れて、蹴りが甘かったかボールはラインの手前で止まってしまった。そこへすかさず迫る影。龍介とダライオスだ。龍介はフォザンと競り合い跳躍したが、着地とともにボールに集中しそれを追った。ダライオスも同じだった。


「うおおおーーー!!!」

 双方絶叫しながら全力で駆けてボールに迫り。すんでの差で先につま先が触れたのは、龍介だった。

 ボールを先に捕らえて、必死の思いでドリブルで逃げ。ゴールから遠ざかろうとするが。

 あきらめずにダライオスが追う。

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