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第十四章 そして運命は決した……! Ⅺ

 ボールは龍介から見てゴールの左上端を狙って飛び。フォザンも腕を伸ばし跳躍する。ボールはゴールに入るか、フォザンに弾かれるかと思われたが。なんと左のバーに当たって、右方向へ弾かれて落ちた。その時にフォザンは着地した。


 その落ちたボールにすかさず迫る影。リョンジェだった。その右足がボールを蹴り飛ばし。着地してすぐにまた跳躍したフォザンの伸ばされた手の指先をかすめるようにゴールの中へと吸い込まれて。


 ネットを揺らした。


「わあああああーーーーーーー!!!」

 天地鳴動とばかりにコロッセオの観衆の絶叫が轟いた。


 リョンジェはガッツポーズを決め。シェラネマーレの選手たちはリョンジェを取り囲んで得点を賞賛した。

 シェラネマーレのサポーターは歓喜し大旗は上下に揺らめき、テンシャンとローセス、シェラーンは抱き合って得点を喜んだ。

 それぞれのベンチも、それぞれの反応を見せた。ことにレガインとドドパにカージェンたちも抱き合って得点をこれでもかと喜んだものだった。


「あきらめるな! アディショナルタイムで逆転しろ!」

 ドラグンは腕を組み仁王立ちしたまま叫んだ。

「あきらめるな、アディショナルタイムで逆転するぞ!」

 フォザンは叫びながらボールを蹴り出し、それを手でダライオスが受け止め、センターに置いた。


「ボールを追わず異世界人に張り付くべきだった」

 やはり疲労もあってか、判断が鈍っていたと認めざるを得ない。あれはフェイントだった。それに気付かず、まんまとボールを追ってしまい、異世界人を前に行かせてしまった。

 守備に加わらなかった龍介は疲労は少なかった。それに対し、全員が全力で駆けたファセーラは皆が疲労に襲われて、龍介に抜かれてシュートをさせた。


「あきらめるな、まだ時間はあるぞ!」

「最後まで戦い抜くんだ!」

「あと一歩、あと一歩なんだよ!」

 ファセーラのサポーターもあきらめずに声援を送り続けた。

 アディショナルタイム5分が掲示された。


「長ッ!」

 テンシャンは思わず絶叫した。

 ボールがセンターに置かれて、試合再開の笛の音とともにダライオスは思いっきりボールを蹴り上げ再開初っ端からロングシュートを放った。

「何ッ!」

 ボールは正確な軌道を飛び、弧を描いてゴール目掛けて落ちてくる。ルーオンは咄嗟に跳躍して両手で挟むようにボールを捕らえた。


「おお~」

 とコロッセオがどよめく。

「な、なんてやつだ!」

 ルーオンは遠くへボールを蹴り上げた。とにかく、ボールをゴールから遠ざけねばならない。

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