プロローグ
矛盾してるお話です。
【プロローグ】
戦の中。
少女は自分の背に生えてる翼で青年を庇いながら言う。
―また貴女様に出会えて本当に良かった―
少女は笑顔のまま瞳に大粒の雫を溜まられる。
―また生まれ変われるなら―
―今度は……―
途切れ途切れの声は弱々しくなく、いつもの凛とした声だった。
「やめろ……よ。…頼む……これが最後みたいなこと……言いやがって……いつもみたいに……ふざけた言葉で……俺をからかえよ……ナルミ」
涙声の青年が必死に少女の声を掻き消して、止めている。
―私は貴女様……いや、輪廻のことが嫌いでした―
―そして好きでした―
―愛していました―
想いを話す少女の顔は寂しく、そして泣きながら笑を零し、青年の顔を見つめる。
「ナルミ……俺はこんなのは嫌だ……ぐっ……はっ……こんな別れは……嫌だ……」
―輪廻―
―ありがとう―
―後、ごめんね……―
最後の言葉を少女は言うと、自分の闇でもあり光でもある翼を広げ、少女は同じ羽を持つ者達の中に、目掛けて突っ込んで行った。
ドカァァァァァァァ!!
ぶつかった瞬間少女の周りは光りに包まれた。
少女の周りが全て無になる。元に戻るかの様に。
「……ナルミッ!!!」
青年は叫びは虚しく青空に響き渡った。
世界が壊れる日。
青年は生きていた。