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第12話 ドバン

 家の中に通されると、中は店になっていた。ユウトは予想外の中の様子にほんの一瞬だけ驚いた表情を浮かべたが、男は目敏とくそれに気付いた。


 「意外か?」


 ニヤっと笑った男が、ユウトに声をかけた。


 「えぇ、まぁ。刀鍛冶と聞いていたので、てっきり鍛冶専門だとばかり」

 「最近はそうだからな。間違っちゃいねぇ」

 「最近、ということは、前は店もやるつもりで?」

 「まぁな。そういやまだ名乗ってなかったな。俺はドバンだ」

 「俺はユウトといいます。冒険者です」


 ドバンと名乗った男の実年齢は二十七歳だが、無精ひげやボサボサの髪が実際よりも年上に見せていた。背はユウトと同じくらいだが、鍛冶で鍛え上げられた筋肉は細身のユウトよりも多く、むしろドバンの方が冒険者らしく見えるほどだった。


 「やっぱ冒険者だったか。なら話くらいは聞いてやる」

 「それは助かります。ちなみに、何か嫌いな職種でもあるんですか?」

 「糞ったれな貴族どもと、自分じゃ武器一つ打てねぇ商人のカス共だ」


 深く考えずに聞いたユウトだったが、思った以上に憎しみの篭った顔で答えたドバンに驚いた。


 「……事情をお聞きしても?」

 「聞きてぇか? 聞きてぇよな?」


 ――聞きたくない。

 ドバンの食いつきように若干引いたが、何を言っても無駄だろうと観念した。

 ――これは長くなりそうだなぁ。

 ユウトは遠くを見詰めて溜め息をついた。


 ドバンは子供の頃にヤマトから持ち込まれた刀を見て、惚れ込んだ。剣とは違った鋭い切れ味や美術品のような美しい刀身に、一つの武器の到達点を感じた。しかし、この大陸では刀の存在はほとんど知られていない。

 このとき、この大陸において刀を主流の武器にすることがドバンの夢になった。

 刀の素晴らしさを伝え、剣に替わる武器にする。そのために、ドバンはヤマトに修行に行った。自ら刀を打ち、大陸に刀を広めるために。

 ドバンは五年前に修行を終えて戻ってきた。店を構え、満足のいく刀を揃えた。


 「最初は場所が悪いのもあって、客なんて来やしなかったが。しばらくすると、ポツポツ来るようになった。嬉しかったよ。夢の第一歩だ、ってな」


 純粋な子供のように嬉しそうに語っていたドバンの表情が翳る。


 「……少しして、噂を聞いたんだ。武器の形をした美術品が貴族の間で出回ってるってな。ピンと来たよ。俺の刀だって。だが、俺の刀は美術品じゃねぇ、武器だ。飾って置いておくためのもんじゃねぇ。戦士が命を預けるために打ったもんだ。……それを俺の刀を買っていった商人の奴らに言ったんだ。そしたら奴ら何て言ったと思う?」 


 ドバンの握った拳が力の込めすぎで震えていた。

 静かに首を振ったユウトを見詰める目の奥には、怒りの感情が見てとれた。


 「あんなものが武器になるわけないだろう。置いておく以外にどんな価値がある?」


 そう言われたドバンの失意はどれほどのものだったのか。心血を注いで鍛え上げた刀を単なる置物と言われたドバンは、そんな周囲に絶望した。


 「俺は、刀一つ振れないような貴族に飾らせてやるために打ったわけじゃない。武器に込められた鍛冶師の魂を理解できない商人に預けるために打ったわけじゃない。俺は、俺の刀の意味を理解できるヤツにしか、俺の刀を握って欲しくない」

 「だから、店を閉めたんですか?」

 「いや……それからは、売る相手を選んだ。そしたらどうだ。どいつもこいつもボンクラばかり、売って良い奴なんて一人もいやしねぇ。そのうち誰も来なくなったよ。形だけの店なんて意味が無い。だから閉めたんだ」

 「では、俺が見た刀は?」

 「最低限生きるためにも金は要る。何もしなきゃ腕も鈍る。だから飯代稼ぎに片手間で打ったやつを、そこそこましな奴に売ってやったんだ。お前が見たのはそれだろう」


 話を終えたドバンは、先程の怒りを忘れたように、何でもない顔をしていた。

 刀を武器として広めることを夢見たドバンは、周囲の無理解に挫折した。しかし……

 ――諦めたわけじゃないんだな。

 ドバンは夢を諦めたわけではない。そうでなければ、鍛冶の腕が鈍ることを嫌ったりはしない。ドバンは今もまだ燻ったままなだけだ。一度は挫折し、周りの無理解を変える術も持たず、どうにかしたくとも、どうにも出来ない。今のドバンはそんな状態だった。


 「んで、ユウト。お前は刀が欲しいんだったな。そこらのなまくらで良けりゃ持っていきな。話を聞いて貰った礼だ、やるよ」


 ドバンが顎で指した方には、数本の刀が無雑作に置かれていた。ユウトは近寄って、そのうちの一本を取ると、腰に構えて刀を抜き放った。 

 ――これでなまくらなのか……

 刀を抜いたユウトは、内心舌を巻いていた。ドバンがなまくらと評したこの刀ですら、ユウトが折った刀より優れているように感じたからだ。

 同時に、その様子を見ていたドバンの目が見開かれる。


 「……ユウト。お前、誰かに刀の扱いを習ったのか?」


 ユウトが振り返ると、ドバンは真剣な目でユウトを見ていた。


 「いえ、我流です」

 「と言うことは刀を持ったことはあるんだな?」

 「えぇ、これです」


 ユウトは持ってきていた刀を取り出し、ドバンに渡す。ドバンは受け取った刀を抜き、半ばから折れた刀身をジッと見た。


 「これは……俺が打った奴だな。随分前のだが。半ばから折れてるな。……魔物の攻撃でも刀身で受けたか?」

 「はい、ヘルハウンドの爪を受けたときに……」

 「直接的な原因はそれだろうが。それ以前に相当悪くなってたんだろう」


 ユウトが刀を手に入れてからの期間は短いが、魔物との戦いは勿論、王都に来る際のBランク冒険者たちとの模擬戦などでも使っている。魔物を斬ったり、刃を合わせていれば、その分刀に負荷もかかる。加えて、技術的に未熟な部分を“強化”で補っているため、それも災いしていた、

 ――だが、妙な折れ方だな。半ば砕けたような跡がある。まるで内側から……

 ドバンは微かな違和感を感じていたが、今は結論が出なかった。


 「ところで、お前その年でCランクなのか?」

 「いえ、Eランクです」

 「は……? いや、今ヘルハウンドって」

 「えぇ。ヘルハウンドの爪を受けて、刀を折ったと」


 ユウトが何を言っているか分からない、といった風情でドバンが戸惑いを見せた。


 「……お前、Eランクのくせにヘルハウンドと戦ったのか?」

 「はい」

 「命知らずな……」


 呆れた様子のドバンに、ユウトが乾いた笑みを返した。

 ほとんど駆け出しと言って良いEランクの冒険者が、Cランクでも上級のヘルハウンドと戦う。それはドバンの言う通り、命知らずと言う他ない。ユウトもその圧倒的な魔力量と“強化”が無ければ倒せなかっただろう。

 ちなみに、ドバンは戦ったのかとは聞いたが、倒したのかとは聞いていない。Eランクの冒険者がヘルハウンドに勝てるわけが無いと思っているドバンは、ユウトが命からがら逃げ切ったのだろうと考えていた。ユウトはドバンの誤解に気付いていたが、敢えて放置した。

 ドバンは少し考える素振りを見せると、立ち上がった。


 「ちょっと待ってな」


 そう言い残すと、店の奥に入っていった。しばらく経って戻ってきたドバンの手には一振りの刀があった。


 「これは俺が昔打った刀だ。最高の出来ってわけじゃねぇが、お前の折ったやつよりはずっと良い出来だ。これをお前にやっても良い」

 「え、良いんですか?」


 突然の申し出に驚く。

 ユウトが使っていた刀よりもずっと良い出来だとドバンが言うのであれば、その通りなのだろう。ユウトが使っていた刀は、ガロで安く譲って貰ったものだが、元の値段はかなり高かった。そうなると、ドバンの持っている刀の値段はどれほどなのか。

 ユウトが戸惑っていると、ドバンが真剣な顔つきになった。


 「代わりに条件がある」


 ドバンは真っ直ぐにユウトの目を見た。――ユウトの心を見透かすように、ユウトを試すように。

 己の刀を持つに値する人物か見定めようとしていた。

 ――試されてる。

 そう感じたユウトも、表情を硬くした。


 「一つ目は、Aランクになることだ。別にすぐに、って訳じゃない。いずれで良い。だが、必ずなれ、俺の刀でな。お前が有名になれば、刀の価値が分からない阿呆どもにも少しは物の価値ってもんが分かるだろうからな」


 一つ目の条件は、ユウトがいつか必ずAランクになること。

 これは刀を広めるというドバンの夢を叶えるためだ。周囲の無理解を変えるためには、刀の武器としての価値を示す必要がある。しかし、ドバンに刀を十全に扱う技術は無い。

 だから、ドバンはずっと待っていたのだ。ドバンの夢の協力者となり得る誰かを。


 「二つ目は、お前がもっと腕を磨くこと。全くのタダって訳にはいかないが、今後もお前にあった刀を安く譲ってやる。その刀に見合うだけの腕を身につけろ」


 二つ目の条件は、ユウトがこれからもドバンの期待に答えられる剣士であり続けること。

 この条件はドバンのもう一つの夢のとっかかりだ。ドバンにはユウトには告げていないもう一つの夢がある。それは自身の鍛えた最高の刀を、自身が認めた最高の剣士に使って貰うことだ。

 ドバンはユウトにその兆しをみた。ただの勘でしかないが、刀を抜いたユウトの姿に、いつかの未来の姿を見出した。


 「どうだ?」


 口調は軽かったが、込められた意思は本物だった。

 ドバンはずっと燻り続けてきた。一度は夢に挫折し腐りながらも、いつか現れるかもしれない、共に夢を追ってくれる友を待ち続けてきた。そして、そう思える少年に出会えた。

 ――この出会いは、必然だ。

 絶望しながらも、槌を完全に捨てることは出来なかった。心血を注いだわけではないが、刀を打ち続けた。巡り巡って、一本の刀はユウトの手に渡り、ドバンはユウトと出会った。

 ドバンは意思の篭った瞳でユウトを見詰めていた。

 ユウトはドバンの目を真っ直ぐに見返す。

 ドバンの瞳にどんな意思が込められているのか、それはユウトには分からない。しかし、ドバンが何かを思い、それをユウトに懸けようとしていることは伝わった。

 ――真剣に向き合わなきゃいけない。

 ドバンの期待に沿えるかどうかは分からない。それでも、その覚悟は持ち続けなければならない。


 「……はい」


 その決意を込めて、ユウトはしっかりと頷いた。

 ドバンは晴れやかな笑みを浮かべると、刀をユウトに差し出した。

 

 「契約成立だ。受け取れ、銘は白光(ビャッコウ)だ」


 受け取った刀を少しだけ鞘から抜く。露わになった刀身は光を受けて白く輝いているように見えた。

 ユウトは美しい白の刀身に目を奪われた。呆けたユウトを、ドバンが笑う。


 「銘の通りだろ?」

 「はい……ありがとうございます」


 素直に礼を言うと、ドバンは頬を少し赤らめてそっぽを向いた。


 「それから、これもやる。そのままじゃ抜きずらいだろ」


 ドバンは、ベルトのようなものをユウトに手渡した。


 「これは?」

 「刀用の剣帯、みたいなもんだ」


 通常の剣帯はベルトに通して腰から吊るす形になっており、そこに剣を通す。ユウトが今使っているのも同じものだ。しかし、ドバンが渡したものは、ベルトと一体になっており、ベルトに直接刀を固定するためのホルダーがついていた。

 刀にはハバキという、刀身を鞘に固定し、簡単に抜けるのを防ぐ金具がついている。そのため、安定しない腰から吊るした状態では、片手で鞘を押さえなければ抜くことは出来ないが、腰に固定されていれば、片手で抜くことも出来る。咄嗟のときに片手で抜けるかどうかの差は大きい。


 「ありがとうございます」


 ユウトが再び笑顔で礼を言うと、ドバンがきまりの悪い顔をした。


 「……そっちの槍とか剣、急ぎじゃねぇなら研いでおいてやる」  

 「お願いします」


 照れているドバンの様子を見てユウトが苦笑する。

 防具が完成するまでの五日間は、依頼を受けられない。槍や剣の劣化も気になっていたため、渡りに船だった。

 顔を合わせた当初の図々しさはどこへ行ったのか、ユウトは素直に喜んだ。

 その様子を見てドバンも笑みを浮かべた。

 ――ここからまた始めるんだ。

 刀鍛冶を志し、それを成してこの地に戻った。一度は挫折し、火が消え錆び付いた魂は、少年と出会って再び火を灯し始めた。ならば、今度こそこの火を灯し続けよう。錆び付いたなら鍛え直せば良い。諦めようとしながらも、諦めきれなかったこの夢を今度はこの少年と共に見よう。――この日、ドバンは再び槌を取った。




 翌日、ユウトは研ぎ終わった槍と剣を受け取りに行った。

 防具が完成するまでは討伐にもいけないため、鍛錬と新しい刀――白光(ビャッコウ)の感触を確かめることに集中した。

 場所を提供する代わりに刀を振っている様子を見てみたい、というドバンの提案に乗り、鍛錬はドバンの店先で行なうことになった

 ドバンの店は大通りから外れた裏路地にあるため、大通りのように建物が密集しておらず、広く空いている場所が多々あった。人通りも少なく、周囲に配慮することも少なくて済むため、鍛錬を行うには丁度良かった。

 まずは走りこみを行った。

 王都の外周付近を大きく周るコースを走る。「冒険者は何をするにも体力だ、戦場で動けなくなれば死ぬだけだ」とランドはよく言っていた。ユウトもそれは正しいと思っている。特に、戦闘中動き回ることの多いユウトは、足が止まれば木偶にしかならない。

 “強化”で補えるとはいえ、体力はあるに越したことは無い。普段は討伐に行くことも考え、毎朝軽く走るだけにしているが、鍛錬を集中して行う場合は本格的に走りこみを行うことにしていた。

 走り込みが終わると、休まずに槍の鍛錬を始める。

 常に万全の状態で戦闘を行えるわけではなく、ある程度疲れた状態でも変わらず動けなければ意味が無い。槍を構え、突きと薙ぎ払いの動作を正確に繰り返し行う。

 続いて実際に体も動かすイメージトレーニングを行う。この半月ばかりでユウトの対人戦の経験は増えている。王都への旅馬車で一緒になったBランク冒険者にギルツ、ランドたちとイメージの相手には事欠かない。

 槍を用いたイメージトレーニングを終えると、槍を置いた。

 今度は白光(ビャッコウ)を抜き、構える。ドバンが待ってましたとばかりに熱心な視線を向ける。

 ユウトは基本の動作を、一動作ずつ確かめながら行う。一通り終わると、今度は複数の動作を繋げて行う。袈裟切りから左薙ぎ、右薙ぎから左切り上げ、連撃を繰り返す。繋ぎの隙が少なくなるように試行錯誤しながら、刀を振るった。その後は、再びイメージトレーニングを行なった。

 鍛錬が終わると、ドバンと戦い方について色々話をした。

 「お前に合った刀を作るためにも、お前の戦い方や戦術を知る必要があるんだよ」ということだった。

 その後も、毎日ドバンの店先で鍛錬を行なった。

 



 そして防具の完成する日を迎えた。

 早朝、ユウトは頼んでおいた防具を受け取りに行った。ヘルハウンドの皮を用いただけあり、赤黒い革の新装備はとても着け心地が良く、前の革に比べて頑丈だった。

 新しい物が手に入れば使ってみたくなるのが人情だ。それはユウトも例に漏れない。さすがに、防具を試すために敢えて攻撃を受ける訳にもいかない。今回はドバンから譲り受けた新刀、白光(ビャッコウ)の切れ味を試すことにした。そのため、槍は邪魔になるため置いていくことにした。

 ユウトはギルドへ向かい、五日ぶりとなる討伐依頼を受けた。

 今回の討伐対象はスラッシュバグだ。

 蜂に蟷螂の鎌をもたせたような八十センチくらいの大きさの虫型の魔物で、飛び回りながら鎌で斬りつけてくる。複数で行動することが多く、特に女王の産卵期の間は、凶暴性が増し、数十体規模で活動するため注意が必要になる。

 ユウトは王都から一刻半ほど北に行ったこところにある森に向かった。

 森に入ってから“探査”を行なうと、森の中に多くの魔力が点在していたのが分かった。ユウトは一番近い魔力がいる方向に向かって進んで行った。

 しばらく歩くと、羽音が耳に届いた。視線を上にずらすと三匹のスラッシュバグが飛んでいた。

 白光(ビャッコウ)を抜いたユウトは“強化”を使う。

 ユウトとの距離を開けたまま、ブンブンと木々の間を飛ぶ回るスラッシュバグ相手に地上から攻撃する術はない。そこで、ユウトは坑道で得た経験を活かすことにした。

 木々で視界を遮られるため、目だけで捉えるのは困難だ。ユウトは“探査”でスラッシュバグの位置を把握しながら、木々の隙間を走り回る。木が目隠しになるのは、スラッシュバグも同じだ。高速で動き回るユウトをすぐに見失った。

 ユウトは木の幹を足場にして跳躍を繰り返し、スラッシュバグに飛びかかる。スラッシュバグの死角で、刀を振り下ろす。仄かに白く光る刀身がスラッシュバグの体を真っ二つに両断した。

 ――凄い。

 鍛錬のときから感じてはいたが、とても手に馴染む。しかも切れ味も抜群だ。スラッシュバグを斬ったときに全く抵抗を感じなかった。

 地面に落下しながら、右手で右腰の剣の柄を逆手に持つ。剣を抜く動作の延長で、近くを飛ぶスラッシュバグに剣を投げつけた。

 一直線に飛んだ剣は、スラッシュバグの体に突き刺さり、スラッシュバグはそのまま地面に落ちた。

 着地したユウトは走り出し、再び木々を足場に跳躍し、死角から近づき最後のスラッシュバグを切り殺した。


 「やっぱり良いな。前のよりずっとしっくり来る」


 白光(ビャッコウ)を握りしめながら、嬉しそうに呟いた。

 誰も聞いていないのについ口に出してしまうくらい、ユウトは舞い上がっていた。

 刀を鞘に納め、スラッシュバグに突き刺さったままの剣を抜いてから、討伐証明部位である鎌と素材になる翅を切り取る。

 切り取った部位と素材を袋に入れ、次に近い魔物のところへ向かった。




 それから二ヶ月の間、ユウトは殆ど毎日何かしらの魔物を討伐に行った。

 その結果、ユウトは早くもCランクに昇格することになった。


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