九剣のサクリファイス 最終話『ヒトが振るう剣』
最終決戦がしたいだけの小説
『宙域生命体群』と命名された地球外生命体が襲来して20年。
地球人類はその人口を二割にまで減少させ、なおも彼らの攻勢に対し瀬戸際の防衛戦を強いられていた。いくつもの国がその国土ごと消滅するほどの苛烈な攻撃、そして質量と既知の科学を嘲笑う理外の障壁による防御能力、ただ蹂躙を許し、去るを祈るばかりの人類であったが、世界に散在する霊峰から噴出した鉱石が一筋の光明を齎した。
『スティアドール』の登場である。
核となる特殊な鉱石が適合者の生体電気と反応し『宙域生命体群』の障壁を中和する波動を発する人型兵器。あらゆる旧兵器を超える機動力と火力、防御力を有した超兵器の登場により、人類は地球圏外から飛来する脅威に対しようやく対抗手段を得たのである。
30mを超える昆虫然とした巨大な怪物と渡り合う鉄の巨人の姿は正に人類の、地球生命の守護者であった。
散発的な『宙域生命体群』襲来を撃退する日々が続くこと五年、宇宙観測を実施するとある研究所が俄かに信じ難い痕跡を発見する。
その頃、世界各地の防衛部隊では急増する出動に誰もが疲弊と不満の声を挙げていた。
さる研究員が観測と実地のデータを突き合わせ、遂にそれは人類の知るところとなるのであった。
『宙域生命体群』の大軍勢が迫っている。
官民を問わない研究所、観測所等の協力の元、捕捉した個体数は―――100万。
過去五年間で確認された総数の実に万倍である。
選択の余地はなかった。
宇宙空間に防衛線を構築し、迎撃する。
地球の存亡を懸けた戦いがはじまろうとしていた―――。
※この作品は「カクヨム」にも掲載しています。
『宙域生命体群』と命名された地球外生命体が襲来して20年。
地球人類はその人口を二割にまで減少させ、なおも彼らの攻勢に対し瀬戸際の防衛戦を強いられていた。いくつもの国がその国土ごと消滅するほどの苛烈な攻撃、そして質量と既知の科学を嘲笑う理外の障壁による防御能力、ただ蹂躙を許し、去るを祈るばかりの人類であったが、世界に散在する霊峰から噴出した鉱石が一筋の光明を齎した。
『スティアドール』の登場である。
核となる特殊な鉱石が適合者の生体電気と反応し『宙域生命体群』の障壁を中和する波動を発する人型兵器。あらゆる旧兵器を超える機動力と火力、防御力を有した超兵器の登場により、人類は地球圏外から飛来する脅威に対しようやく対抗手段を得たのである。
30mを超える昆虫然とした巨大な怪物と渡り合う鉄の巨人の姿は正に人類の、地球生命の守護者であった。
散発的な『宙域生命体群』襲来を撃退する日々が続くこと五年、宇宙観測を実施するとある研究所が俄かに信じ難い痕跡を発見する。
その頃、世界各地の防衛部隊では急増する出動に誰もが疲弊と不満の声を挙げていた。
さる研究員が観測と実地のデータを突き合わせ、遂にそれは人類の知るところとなるのであった。
『宙域生命体群』の大軍勢が迫っている。
官民を問わない研究所、観測所等の協力の元、捕捉した個体数は―――100万。
過去五年間で確認された総数の実に万倍である。
選択の余地はなかった。
宇宙空間に防衛線を構築し、迎撃する。
地球の存亡を懸けた戦いがはじまろうとしていた―――。
※この作品は「カクヨム」にも掲載しています。