3.グリーンチームの先発はアンダースロー
「ごちそうさまっと」
弁当を食べ終わった僕は,ぐいっと烏龍茶を喉を鳴らして飲む。烏龍茶飲んだからカロリープラマイゼロ!
再びの立ち読みタイムに入ろうかと思った時に、威勢の良い声が市営球場から聞こえてきた。
「大久保さん,先発頑張れよー」
草野球がこれから始まるらしい。
球場に入ると内野席に観覧している人が七、八、九人。
見る専ではあるが野球は昔から好きだ。
日本シリーズも終わりちょい寂しかったこの頃なので、観戦することにした。
緑ユニフォームと青ユニフォームの対決。
どちらも知り合いのようで両チームとも世間話しながら整列→試合開始。
「先発,アンダースローなんだね」
「あ、ホントだ」って、えー!!
古都さんが隣に座っている!
「野宮くん入って行くの見えたから。焼きおにぎり食べる?」
古都さんのバイト先にさっき売られていた焼きおにぎりを一ついただく。
「さすが!男子は食べとくべきだよ!」
「バイトは終わり?」
「うん、見ての通り」
生地使いが独特なジャケットみたいなコートみたいな服がよく似合っている。
おでこは前髪がかかる大学でのスタイルに戻っている。もち、どちらでも可愛い。
ドギマギと空回りっぽい会話を繰り返すうちに段々とスムーズに話せるようになってきた。「そうなんだ!」、「それでそれで」と話に興味を持っているぽい、相槌が嬉しい。
草野球はトンネルやら、盗塁失敗やら微笑ましい試合ぶりで,4回裏3対3の同点。
「意外と両チームとも外野にボール飛ばないね」
「それ、僕も気になってた」
「だよねー」と言いながら古都さんは、ノートを取り出してなにやらメモしている。
ちらっと覗き混んでみたら
“外野守備、体感時間約十倍”
と書いてあり、僕は思わず吹き出してしまった。
「これ、覗き見は良くないぞ」
「ごめん、それ日記的なもの?」
「違うよ,ネタ帳だよ」
「ネタ帳?」
「うん」
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