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2.通りゃんせ、猫ちゃん

唐揚げ弁当を持って神社のベンチに座る。

味気ない白い弁当容器を開くと、強烈な唐揚げの色が飛び込んでくる。

ボリュームもなかなかだ。


古都さんが選んでくれた唐揚げを早速食べてみる。先ずは正統派・醤油味を食べてみよう。

        パクリ。

つるっとした鶏肉は溶けるように柔らかくて味が染みている。周りの衣はカリカリで絶妙なタイミングで、肉から離れて行く。

これは美味い!たしかにマスターして自分で作る事が出来たら嬉しいな。好きなタイミングで食べられるなんて最高だな。


古都さん、可愛かったなぁ。

僕みたいなモブに,レアなおでこ出しバージョンで笑顔を見せてくれた。

嬉しい。唐揚げが美味しいうえに、思い出しにやけで顔が緩む.


「どうしたニャ?」

まんまるの目をさらにまんまるにした、ハチワレの野良猫が,僕を見ている。

「なんでもないよ」

と呟きながら手招きをしてみたら、猫は驚いたのかビュン!と参道を突っ走り逃げて,すぐ見えなくなった。


通りゃんせ発祥の神社だけど、猫に“帰りは怖い”思いをさせちゃったかな?

今度、かつぶしパックを持ってきてあげよう。



二つ目の唐揚げを食べる。竜田揚げだ。

からっとしていながらじわじわ舌に濃い味があふれる、美味い!


そう言えば古都さん,ゼミの自己紹介でこの街の出身って話していたな。

大学から一時間弱だし、一人暮らしの僕からみても住みやすい街だから、実家出る必要ないもんな。

まさか、ばったり遭遇するとは思いもよらなかった!



三つ目の唐揚げはカレー。

想像通りの味だけれど,カレーはハズレがないからもちろん美味い!


古都さん、僕に彼女いると思っていたみたいだけど、どこをどう見たらそう思うんだろう。女子の友達もいないわけではないけれど,彼女がいる自分なんて想像つかない。お世辞かな?


そう言えば古都さん,ゼミの自己紹介でこの街の出身って話していたな。

大学から一時間弱だし、一人暮らしの僕からみても住みやすい街だから、実家出る必要ないもんな。

まさか、ばったり遭遇するとは思いもよらなかった!


三つ食べた時点でお米がギリギリ残っている。お米、大盛りにしておいてよかった。

ラスト一口はお米で締めたい派の僕だ。



最後の唐揚げは,謎だった山賊味。

甘じょっぱいソースにスパイスが効いている。噛み締めて食べる。

ただ山賊と言うネーミングについては味だけでは解決せず。。。


「ん?」

ふと古都さんとの会話を振り返る.

古都さん、彼氏いないのーー!!


キャンパス内でも男子に声かけられる姿を何度も見たことがあるし,飲み会的な場所でも引っ張りだこな古都さんがフリーだなんて!!!

意外だなぁ。


とは言え、モブな自分には関係ない話だ。




と、思っていたのだが。。。

それ以上のことを考えていなかったんだが。。。

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