1.話は唐揚げ屋さんから始まる
冬休みにかけて、長めの旅行に行こうと仲間内で話していたから,ここ数ヶ月結構頑張って短期バイトをお金を貯めていたんだけど「やっぱり彼女と旅行に行く」とか、「実家から帰って来いとうるさくて」とか、「お前と二人なら行きたくないなー(おい!)」と言った諸々の理由が重なり、計画は空中分解。
おかげで予定まるで無しの冬を過ごしている。
昨日はバンダイ書店の古本コーナーで徹底的に立ち読みして時間を潰してた。
今日も開店から入店して立ち読み。読み重ねた「美味しんぼ」は山岡×栗田さんのプロポーズ成功まで辿り着いた。
フゥと一息ついてトイレに向かう。
軽ーい筋肉痛で立ちっ放しの時間の長さを感じさせる。そして情けない気持ちにさせる。。。
とほほ、スキーしたかったなぁ。
時計見るとお昼前だ。
小腹は空いているが部屋に戻って自炊もめんどくさい。どうせ午後も立ち読みして過ごす予定だし。
バンダイ書店の向かい側、歩道橋を渡った先に黄色い看板の唐揚げ屋が見える。
男子はみんな好きだよね,唐揚げ。
想像しただけで食欲倍増、つばか口の中に溢れてくる。唐揚げ屋の先には公園付きの神社があるし、ベンチで弁当食べるかな。
のろのろ唐揚げ屋のレジに向かうと
「いらっしゃいませ!」と元気な声。
明るくて、聞き心地の良い、そして聞いた事があるような気になる声。
見上げてビックリ!
「あれ、野宮くんじゃない!」
薄い唇のピンクのアヒル口。
大学の人気者グループの古都さんではないか!
普段は前髪があるが,肩までの髪が帽子の中にインしているので、普段見えない綺麗な形をしたおでこが剥き出しになっている。ドキ!
モブキャラの僕を古都さんが認識している。ドキ! 挨拶くらいしか交わした事なかったからジンワリ嬉しい。
「古都さん、バイト?」
「そうだよ、見ての通り!」
つまらない話の切り出しだ、ダサい。
「ここの,唐揚げ美味しいんだよ。だからバイトしてマスターしようと思って」
「なるほど」
そうだな、なるほどだな。。(語彙力)
「野宮くん、お弁当で良いのかな?それとも唐揚げ単品?コロッケ単品?」
「じゃあ,お弁当で」
なるほど唐揚げの数で金額変わるのか。。。
「唐揚げ4つの弁当お願いします」
「おぉ、さすが男子沢山食べるね。彼女さん、料理作りがいがあるね」
「いや,彼女いないっすから!」
「そうなんだ、仲間仲間! 唐揚げ種類あるけどどうする?醤油、塩,山賊、バジル、カレー,辛唐,竜田揚げと種類豊富だよ。
オススメは全種類!(全部かい!・笑)」
悩んでいると
「じゃあ種類バラバラで四つ,私おまかせでも良いかな?」
「うん、おまかせするよ」
こうして、ビックリ対面の結果、古都さんセレクトの唐揚げ四つ弁当が出来上がったのだった。
呑気なお話を書き始めてみました。
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