1-4 (四) 二人のさくや姫 六月十三の日、ひつくのか三
第四帖 (四)
急ぐなれど、臣民なかなかに言ふこときかぬから、言ふこときかねば、きく様にしてきかす。
神には何もかも出来てゐるが、臣民まだ眼覚めぬか、金(かね)のいらぬ楽の世になるぞ。
早く神祀(まつ)りて呉れよ、神祀らねば何も出来ぬぞ。
表の裏は裏、裏の裏がある世ぞ。
神をだしにして、今の上の人がゐるから、神の力出ないのぞ。
お上に大神を祀りて政事(まつりごと)をせねば治まらん。
この神をまつるのは、みはらし台ぞ、富士みはらし台ぞ、早く祀りてみつげを世に広めて呉れよ。
早く知らさねば日本がつぶれる様なことになるから、早う祀りて神の申す様にして呉れ。神急けるよ。
上ばかりよくてもならぬ、下ばかりよくてもならぬ、上下揃ふたよき世が神の世ぞ。
卍も一十もあてにならぬ、世界中一つになりての国に寄せて来るぞ。
それなのに今のやり方でよいと思うてゐるのか、分らねば神にたづねて政事(まつりごと)せねばならぬと云ふことまだ分らぬか。
神と人とが交流(まつり)合はしてこの世のことが、さしてあるのぞ。
人がきかねば神ばかりで始めるぞ。
神ばかりで洗濯するのは早いなれど、それでは臣民が可哀そうなから、臣民みなやり直さねばならぬから、気をつけてゐるのに何してゐるのざ、
いつ何んなことあっても知らんぞ、神祭第一、神祭結構。
二三の木ノ花咲耶姫の神様を祀りて呉れよ。コハナサクヤ姫様も祀りて呉れよ。
六月十三の日、ひつくのか三