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第11話 ネズミ


洞窟の奥地の方へ入っていくと水溜りが少なくなっていってそのうち無くなっていった。


(水溜りが無いって事は、此処ではスライムは出ないってことかな?)


今まで出て来たモンスターは全てスライムで水溜りから出てきていた。しかし奥に進むにつれて水溜りが無くなっていった。つまりスライム以外の何か別のモンスターが出ていくという事だ。


(さてさて、どんなモンスターが出てくるかな?)


しばらく進んでいくと段々乾燥し始め道が凸凹するようになってきた。さっき迄の洞窟は、どちらかといえば湿地帯をイメージするような所だったから此処は乾燥地帯をイメージするような所だ。所々穴があいていて落ちないように気を付けなければならない。


(全然敵がいないな〜。此処は安全スポットかな?)


なんて思い始めていると。周りの穴の中からネズミらしき生き物が出てきた。


「チュ〜?」

(ネズミだ〜〜!!)


やはり出てきたのはネズミだった。見た目から鳴き声まで何から何まで鼠そっくりだった。


(今更ネズミなんかどうという事ないさ!)


魔物スライムを倒し続けてきた百戦錬磨の私ではどうって事無い。しかし知らなかったのだ。スライムはとても特別な生き物で他の動物との戦いで参考にはしては行けないと。


(くらえ!!!)

「チュ〜!!」

(避けた?!?)


ネズミに向かって剣を振り下ろし倒したと確信した瞬間ネズミが左側に体を捻って避けた。今まで戦ってきた敵はスライムだけでそのスライムは攻撃を避ける事は無かった。だからモンスターは攻撃を防御・回避すると云う考えが無いと思っていたのだろう。しかし実際、攻撃を避けない生き物はほとんどいない。魔物でも無いその辺の動物でも急に攻撃をされたら避ける。そんな当たり前の事を忘れていたのは、慢心と言う他無いだろう。


「チュ!ヂュチュ〜!!」


攻撃を避け、無防備な私を攻撃して来た。呆然としていた私の右脚を齧ってきた。脚を囓られた事で正気を取り戻した私は齧りついているネズミを蹴り飛ばし、距離をとった。薄々気付いていたがこの体は痛みが無いとまでは行かないが少ないようだ。これは良いことと悪いことがある。急な攻撃をされてもパニックならないという利点があるが逆に攻撃されている事に気づきにくい。今回はパニックにならなくて済んだから有り難かった。痛みがそのまま来たらパニックに陥っていただろ。


(このやろう!!やりやがったな!!)


パニックにはならなかったが怒りは抑えられない。怒りのままに剣を振り下ろしても避けられるだけで一向に攻撃が当たる未来が見えない。


(まて、怒るな。いくら勝てる戦いでも怒りに任せていては勝てない落ち着いて相手を見極めるんだ。)


そう自分に言い聞かせて冷静になる。今まで攻撃といえば縦に振るか横に振るかの2つしかなかった。しかし、攻撃を避ける相手に使えば、避けられるだけで意味がない。ならばやる事は一つ。


(ハッ!!!)

「ヂュ〜〜!」

(ここだ!!!!)


縦に剣を振り下ろし、ネズミが横に動いた所で、剣を止め剣を横に動かす。すると横に避けた後のネズミは体制が崩れていてこの攻撃を回避することは出来ない。

スパッ

ネズミが真っ二つになる。


(よしっ!倒した!)


無事にネズミを倒す事ができた。スライムのときよりもダメージを食らってはいないが、一番の接戦だったと言えるだろう。 

 

(それにしても、攻撃を避けたら切り返してもう一度攻撃すれば良かったのになんで攻撃しなかったんだろうな〜)


今回の戦いは敵が攻撃を回避する事が頭にあって、それに正しく対処できていば余裕の戦いだっただろう。しかし戦いだと周りが見えず焦ってしまうと勝てる戦いも勝てない。これはこれから直していかなければならないだろう。


【レベルが上がりました】


(よしっ!レベルはこれでMAXだー!!)


今回の戦いでレベルが上限まで上がった。上限まで上がったと言う事は、予想通りであればアレ・・があるはずだ。


(ステータス!!!)

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