くすぶり人生 ~常に二択の選択肢を間違い続けた男が現実逃避をしたあげく、ある日突然アフィリエイトでお金を稼ぐと言い出したので一年後に絶望させ精神を破壊してみた件~
くすぶり人生 ~常に二択の選択肢を間違い続けた男が現実逃避をしたあげく、ある日突然アフィリエイトでお金を稼ぐと言い出したので一年後に絶望させ精神を破壊してみた件~
大野君のサボっている姿を目の当たりにした私は何故だか少しだけ違和感を覚えた。心の奥底から溢れるような禍々しい悪寒が全身に浸透していくような感覚。
それからというもの大野君に対しての違和感は日々募らせるのである。しかし、そんな感情とは裏腹に大野君は特に変わった様子もなく毎日学校に来て充実した生活を送っているように見える。そんな何の変哲もない日常を過ごしていた。卒業までおよそ3カ月に迫ったある日、なんと大野君と山田君に関する思いもよらぬ朗報が舞い込むのである。同じ会社に面接を受けた二人が合格をしたのである。
「おめでとう!よかったな。」と私は二人に祝福する。
山田君「ありがとう。これで安心だよ。」とホッとした表情で答える。
大野君は少し笑みを浮かべ「ありがとー。緊張して上手く喋れなかったけど受かってよかったよ。あ~怖かった。」と答える。
私も心の底から安堵する。これからみんなは別々の道を進んでいき未来に向かって大きな一歩を踏み出したのだと思う。
そして三ヶ月が過ぎ私達は上京を果たす。環境が変わり、慣れないながらも仕事に明け暮れる日々が続いていった。
入社から四ヶ月たった今日、久々に親友の山田君とゲームをしながら通話することになった。
しばらく会話やゲームをして盛り上がった後、私は彼に問いかけた。
「仕事の調子はどう?」
山田君「大変だけど頑張ってるよ。」と答える。
私は続けて問いかける。
「そういえば大野君は最近どうなの?」
すると山田君は少し黙り込んだ後、重い口を開いた。「最近大野君から相談されたことがあるんだけど…。」
「相談…?」と私は不安そうに尋ねる。
山田君いわく1週間前に大野君から電話がかかってきたというのだ。
山田君「久しぶり大野君。急にどうしたの?」
大野君「久しぶり。いきなり電話かけたりしてごめんね。実は相談したいことがあってさ…。」と深刻そうな声色で話し始めた。
「あのさ~なんか…正直に言って社会人ってつまらないね。」
「当たり前のハードルがエベレスト並みに高いしさ…あ~どうしてこんなに生きづらいんだろ…。」
完全に吹っ切れたように大野君の愚痴が止まることがない。
「職場の高圧的な的外れバカと折り合いつけるにはどうすればいいのかな…。もうウンザリするよ…。」
「俺さ…社会人としてっていう言葉が超絶ウルトラスーパーミラクル大っ嫌いなんだよね。あ~もっと自分に素直でいたいな…。」
「俺…違和感を拭えない日々から脱したいんだよね…。」と悲しげに話す。
突然のことに山田君は唖然としてしまった。