梶原 力
人は結局のところ孤独と一緒に生まれて
孤独と一緒に死ぬのだろう。
どれだけ思いあっていても
どれだけ共感しても
どれだけ連れ添っても
その人の孤独の中には入っていけないんだ。
じゃあ、なんで俺らは
同じ時間を共有する家族、友達、恋人と一緒にいるのだろう?
俺は、活発でいたずら好きで
自分で言うのもなんだけど、明朗快活な子供だった。
特にがり勉をしなくても
小、中学校ではいつもトップクラスの成績で、
部活のサッカーはサボりながらやっていたけど、
それなりに活躍できた。
自信家だった俺は
県内で一番できる高校を受験した。
落ちるはずがない。
そう高をくくっていた。
合格発表の日も、
「じゃあ、合格の確認しに行ってくるわ!」
家族にそう言って
意気揚々と出かけていった。
しかし、目を皿のようにして見ても
俺の番号は載っていなかった・・・
愕然とした。
そりゃ、受験勉強を必死でやった。
人よりも少ない期間だったろうけど、
俺にしてはすごい頑張ったんだ。
俺の不合格を知って、
周りが慰めの言葉を掛けてきたが、
嘲笑にしか聞こえなかった。
その時、俺は心が折れたんだ。
滑り止めの高校に入ったが、
俺は入学式すら出なかった。
夜な夜な街を徘徊しているうちに
族に入り、そこに染まっていった。
喧嘩に明け暮れてると
何も考えなくてよかった。
酒とタバコも覚えて
女も抱いた。
彼女も出来た時があったが、
面倒くさくてすぐに別れた。
学校には当に見放されていたが、
別にかまわなかった。