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不慣れで遅いものも慣れてしまえば早くなる…手伝いを初めて1時間、今日やる仕事はすべて片付いたようだ。


「夕陽も陽和ちゃんもありがとーう!何とか今日の仕事を終わらせることが出来たよ」

「今日は陽和ちゃんも来てくれたからいつもより早く終わることが出来たわ、ありがとう」

「いえ…初めての体験だったので、楽しかったです」


直也さんと芽衣さんに頭を撫でられた。


「陽和、夕陽先輩!お茶をどーぞ!」

「ありがとう」

「ありがとう梓」


緑茶だ。


「悠斗、これを森田先生に持っていってくれ」

「了解です」

「会長、さっきの予算出たんで集計しておきます」

「頼んだ浩介、新太を使ってもいいぞ」

「了解です!」

「会計の手伝い?」

「新太も計算早いから手伝いよろしくー」


私と夕陽が休憩している間も彼らの仕事はまだ終わらないのか。


「あ、晴人~!陽和ちゃんが分けてくれた奴もう手を出していいぞ~」

「分かりました…こっちは夕陽先輩のですよね?」

「おうよ、そっちもいいぞ」


私と夕陽が分けたやつじゃないか…ちゃんと分けられているだろうか。よく見ているはずだから大丈夫だとは思っているけど…初めてだったから少し不安だ。


「大丈夫だよ!陽和、後半はすごい速さで分けてたし全部正確だったよ」

「それは僕も見たよ、あんなに早いのに間違いがないんだから驚き」

「良かったな陽和」

「うん」


大丈夫だったのなら良かった。


「ん?この会計少しおかしくないか?」

「どれ?…ほんとだ、どっかでミスってるなこれ」

「うげぇ…また計算し直しかよ」


ん?何やら問題発生…浩介さんと新太さんがやっていた会計にミスがあったようだ。


「どうした?」

「夕陽、ちょっとこれ見てくれ」

「…ああ、確かにおかしいな」

「だよなー…」


少し気になったから夕陽の隣に立って紙を見てみる、夕陽がそれに気付いて見やすいようにしてくれた。見事に数字ばかり並んでるその用紙の合計を見ると確かに変だ…これは完璧にどこかで計算ミスしている。


「計算したもの、全て見せてくれませんか?」

「んっと…これだよ」


浩介さんから受け取った紙全てを見て……あった。


「ここ、この計算が間違ってます」

「は?…ほんとだ」

「……陽和ちゃん、今計算した?」

「しました」

「…………まじかぁ」


何故か全員が驚いた表情をしていた…夕陽も驚いているのだが。


「夕陽、この子何者?」

「期待の新人」


よく分からないことを言われたが頭をポンポンしてもらった。


「みなさん、お疲れ様です」

「頑張っているかい?」


学園長とボスが来た。


「学園長、ボス、こんにちは」

「久しぶりだな直也。陽和が持ってるのは会計書類だな…驚いただろう?」

「ええ、皆ビックリしてましたよ」

「俺も最初は驚いたからな」


どうやら私の計算スピードに驚いていたようだ…そんなに早かったかな?


「また今度手伝わせにこさせるよ」

「お願いします」


どうやら時間のようで挨拶をして帰った。学校という場所は初めてで最初はドキドキしたが生徒会の人達も皆おもしろい人ばかりだった。


「陽和、楽しかったか?」

「はい」

「それは良かった」


こうして濃い一日が終わった。




    *    *    *




夕食が食べ終わり私と夕陽、摩耶と圭佑はボスの部屋に呼ばれていた。


「夕食後にすまないな」

「私達4人が集まったということは何か任務ですか?」

「そうだ。陽和にとってはこれが初任務になる」


今まで私は組織の人達と訓練を続けてきたがまだ実践は行っていなかった。最初は大変だった自分の能力も今では自由自在だ…だがいきなり任務とは。


「違法研究所が発見された。諜報部からの情報によると以前陽和を保護した研究所と共同で実験を行っていた所だそうだ」


私がいたところと共同で…そういえば、稀にスーツを来た人達が実験を見に来ていたな。でもそれがその人とは限らないし…。


「研究所に出入りしている人間は既にリストアップされている」

「…厳重じゃないようですね」

「ああ、数ある研究所の中でも一番下っ端みたいなものだな」


顔写真を見ると何人か見覚えのある人がいた、それこそスーツを着て見に来ていた人だ。あの人達、私がいた研究所の研究者よりも凄かった気がする…普通死んでいるのに攻撃させるなんてしないぞ?


「…より、陽和?」

「…ん?」

「ボケっとしていたが大丈夫か?」


ボスたちが心配そうな目で私を見ていた。


「…大丈夫です」

「辛いか?」

「…?この写真の中に知っている顔がいたので」


この人達が私に命令してきた内容を簡略に言ったら都姫さんと摩耶が青ざめてしまった…食後に話す内容では無かったか。


「…ごめんなさい」

「大丈夫よ陽和…こちらこそごめんさい、嫌なことを思い出させたわね」


別に嫌なことではないというのは人として駄目か…最近知ったのだが私はどうやら殺すことに罪悪感とかそういうのが無いらしい。そういう感情は恐らく実験の為に消されたのだろう…あったら実験できないからな。研究者によって能力を入れられ命令されて実験体同士が能力を使う、能力が弱い実験体は死ぬだけ…強いものが生き残り減った人数はまた新たな実験体が追加されるだけなのだ。


「明日の午前中に詳しい内容を話して夜に任務を行ってもらう」

「「「「了解」」」」


明日のために今日は早く寝ることにしよう。

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