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砂漠

作者: AKUTA

 1991年 カヴィール砂漠


「……暑い。暑すぎる」


 クエート近郊の広大な砂漠の中心で、アメリカ合衆国陸軍第八連隊所属ハートマン軍曹は呟いた。


「あのクソ上官がいなけりゃ……ちくしょうっ!」


 ハートマンは砂を蹴り上げるとそのまま地面にあお向けに倒れた。

 空には雲一つ無く、太陽は容赦なく大地を照らしていた。


「今度は……つながってくれよ」


 おもむろにポケットから携帯無線機を取り出すと、送信ボタンを押し口に近づけた。


「こちら第八連隊、繰り返すこちら第八連隊所属ハートマン軍曹。敵の奇襲で連隊は全滅。救援を求みます、くりかえす救援を」


 送信ボタンから指を離し耳に無線機を押し当てるが、聞こえるのは雑音だけだった。


「っこのオンボロがぁ!!」


 突然立ち上がりそのまま無線機を放り投げた。

 そして背中にかけてあったM16を構えると無線機へ乱射した。


「クソっ! 水もねぇ、食い物もねぇ! こんな物あってもどうしようもねぇだろうが!!」


 M16を地面に投げ捨てると、ハートマンはそのまま走り出した。


「ちくしょうちくしょうちくしょうちくしょう!!」


 

 走り続けているうちに、ハートマンは地面に倒れこんだ。

 口の中に砂が入り込み、気持ちの悪い感触が口内に広がった。


「なんだよ……俺が何したんだよ……」


 砂を吐き出すと、あお向けになり目を見開いた。


「神様ってヤツは俺が嫌いなのか? 人の生き死に決める野郎がそんな簡単に人嫌いになるんじゃねぇよ」


 見開いていた目を閉じると、ハートマンは小さく呟いた。


「あいつにもう一回電話しとけばよかったな……ごめんな、亭主のくせにこんな早死にしちまってよぉ」


 目から一滴の涙がこぼれた。

 

 

 それ以降、ハートマンの目が開くことは永遠になかった……


初心者ですがこれからも頑張っていきたいと思います。

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― 新着の感想 ―
[一言] 初心者でここまでの作品を仕上げるって、かなりの才能ありますよっ!! 後は、プロの人々の小説を読んでみては? かなり上達しますよ〜♪ わたしもそうやって上達しましたもん(実際は全然ですが。 こ…
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