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恋い焦がれる愉快犯  作者: 水無月旬
6/7

収束した月曜日

事が収束して、平和に過ぎていく月曜日の事。

 土日が過ぎていった。月曜日は何事もなかったように訪れた。


 教室ではクラスが何やら騒がしかった。それは、金曜日の事件のせいであろう。


 金曜日に何が起こったのか、月曜日に何が起こるのか、そんなことはもう俺の中ではどうでもよくなっていた。


 担任の木本(きもと)はこういっていた。


「爆発は実際しませんでした。爆発物的な怪しいものも見つかりませんでした。ただの愉快犯と言っていいでしょう。」


「だったら、金曜日の朝にしてくれよ~、そうすれば、学校行かなくてよかったのに~。」


 と不平を言う生徒もいた。俺はただ前を向いて担任の話を聞いていた。


 教室にいる友人の顔を見ることはなかった。教室にいたのかすらわからなかった。


 けどどうだろう、彼は今日、大事な演奏会があるのだ。


 俺は、授業中は普通に授業を受けた。その時俺はこんなことを考えていた。


 誰も気づいてないんだな。この調子じゃ警察の介入もないようだ。


 正直やはりホッとしていたのかもしれない。友人が犯した罪を償えないのは許すまじき事であったが、もう俺の中ではどうでもよかったのかもしれない。


 そして放課後になった。今日は部活に出なければいけなかった。


 部室へ行ってみる。すると誰もいなかった。


 誰もと言っても俺以外にいるとしたら月見里(やまなし)しかいないのだが…


 思い出した。今日は図書館の当番の日だった。すると俺は今日部室へ来る意味がないな。


 帰ろうと思った。しかし、何か落ち着かない気分がした。今すぐにでも、行かなくてはならない所を思い出した。


 俺はそこへ行った。着いた所には1人の女性がいた。


 月見里星七(せな)がいた。しかし、別に彼女に会いに来たわけではなかった。もしかしたらそれもあるのかもしれないけど。


 彼女は俺の予想通り、図書当番をやっていた。


「あら?あなたが自分からここに来るのは珍しいわね。」


 容姿端麗頭脳明晰のミステリ作家、月見里星七。


「別に俺がここに来ちゃいけない理由でもあるのか?」


「ううん、けどあなたは軽音楽に興味でも出来なのかしら?」


「いいや、ただ、思うところがあったんだ。」


 ここは学校の図書館。この建物は、学校の校舎とは別の離れにあり、この図書室の下の階には今日、弦楽部主催の定期演奏会になる会場の講堂があるのだ。


「思うところねぇ。そういえば、金曜日に電話したあれはなんだったの?なんか、あなたらしくはなかったわね。」


「ああ、もう忘れてくれ。」


「金曜日と言えば、こないだの爆弾予告の件の話よ。」


 俺は少しドキリとした。こいつまさか…


 「ゲームよ!!」


 「へ?」


「私が思うに、犯人は、ドラ○ンクエストⅹのオンライン無料時間を使いたかったのよ。無料時間は4時半~6時半の間。犯人は、ゲームがやりたくてこんな事件を起こしたのよ、犯行予告と全く重なるもの。」


「えっ?」


 俺は少し剽軽な声を出してしまった。


 彼女は結構自信満々に言っていた。しかもいつものドヤ顔で。


 俺はちょうど図書館の建物の入り口を見ていた。


 今回は彼女の出番は無しかな、なんてそう思っていた。でも、もしかしたら彼女は真実を知っているのではないか?しかし、そんなことはどうでもいい、どうでもいや。




 

すると、外からフルートケースを持った俺の見知るとある少女この建物に入ってきて、階段をさがっていくのを俺は見ていた。


あとがきは次回最終話でまとめて書きます。

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