収束した月曜日
事が収束して、平和に過ぎていく月曜日の事。
土日が過ぎていった。月曜日は何事もなかったように訪れた。
教室ではクラスが何やら騒がしかった。それは、金曜日の事件のせいであろう。
金曜日に何が起こったのか、月曜日に何が起こるのか、そんなことはもう俺の中ではどうでもよくなっていた。
担任の木本はこういっていた。
「爆発は実際しませんでした。爆発物的な怪しいものも見つかりませんでした。ただの愉快犯と言っていいでしょう。」
「だったら、金曜日の朝にしてくれよ~、そうすれば、学校行かなくてよかったのに~。」
と不平を言う生徒もいた。俺はただ前を向いて担任の話を聞いていた。
教室にいる友人の顔を見ることはなかった。教室にいたのかすらわからなかった。
けどどうだろう、彼は今日、大事な演奏会があるのだ。
俺は、授業中は普通に授業を受けた。その時俺はこんなことを考えていた。
誰も気づいてないんだな。この調子じゃ警察の介入もないようだ。
正直やはりホッとしていたのかもしれない。友人が犯した罪を償えないのは許すまじき事であったが、もう俺の中ではどうでもよかったのかもしれない。
そして放課後になった。今日は部活に出なければいけなかった。
部室へ行ってみる。すると誰もいなかった。
誰もと言っても俺以外にいるとしたら月見里しかいないのだが…
思い出した。今日は図書館の当番の日だった。すると俺は今日部室へ来る意味がないな。
帰ろうと思った。しかし、何か落ち着かない気分がした。今すぐにでも、行かなくてはならない所を思い出した。
俺はそこへ行った。着いた所には1人の女性がいた。
月見里星七がいた。しかし、別に彼女に会いに来たわけではなかった。もしかしたらそれもあるのかもしれないけど。
彼女は俺の予想通り、図書当番をやっていた。
「あら?あなたが自分からここに来るのは珍しいわね。」
容姿端麗頭脳明晰のミステリ作家、月見里星七。
「別に俺がここに来ちゃいけない理由でもあるのか?」
「ううん、けどあなたは軽音楽に興味でも出来なのかしら?」
「いいや、ただ、思うところがあったんだ。」
ここは学校の図書館。この建物は、学校の校舎とは別の離れにあり、この図書室の下の階には今日、弦楽部主催の定期演奏会になる会場の講堂があるのだ。
「思うところねぇ。そういえば、金曜日に電話したあれはなんだったの?なんか、あなたらしくはなかったわね。」
「ああ、もう忘れてくれ。」
「金曜日と言えば、こないだの爆弾予告の件の話よ。」
俺は少しドキリとした。こいつまさか…
「ゲームよ!!」
「へ?」
「私が思うに、犯人は、ドラ○ンクエストⅹのオンライン無料時間を使いたかったのよ。無料時間は4時半~6時半の間。犯人は、ゲームがやりたくてこんな事件を起こしたのよ、犯行予告と全く重なるもの。」
「えっ?」
俺は少し剽軽な声を出してしまった。
彼女は結構自信満々に言っていた。しかもいつものドヤ顔で。
俺はちょうど図書館の建物の入り口を見ていた。
今回は彼女の出番は無しかな、なんてそう思っていた。でも、もしかしたら彼女は真実を知っているのではないか?しかし、そんなことはどうでもいい、どうでもいや。
すると、外からフルートケースを持った俺の見知るとある少女この建物に入ってきて、階段をさがっていくのを俺は見ていた。
あとがきは次回最終話でまとめて書きます。