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お嬢様について 番外その1

イノリとミノアが柊を嫌っている理由の一つ

『〇月〇日

小さきお嬢様は、本当に可愛らしかった。

私はこれからドンの娘のヒノエお嬢様の従者です。

今日は、ドンの別宅へ住居を移しましす。

移すにあたり何人かいたメイドは解雇いたしました。

何でもドンナの息が掛かったメイドらしいですが、お嬢様を放置している時間が長く、ドンも忙しい為顔を見せる事が出来ないらしく管理しきれていないそうなのです。

これからは、私が厳正に審査しメイドを雇いいれるのです!』




「なっ、なに、この本」

久しぶり別宅へ遊びに来ていたミノアは、廊下で書籍を偶々拾い、持主を探すためページを軽くめくり驚いていた。

「へ……変態」




『〇月〇日

今日はお嬢様のお好きな豆大福を作りました。

なんでも、東の国のお菓子らしく、別棟に住む家庭教師たちに聞き作ったのがきっかけです。

粉を口の周りに付けながら、お顔全体で豆大福を食べていらっしゃるお嬢様は、素敵です』



『〇月〇日

本日は、本宅のドンと共に第13回ヒノエお嬢様のメイド審査を行う日でした。

何度も厳正な審査を繰り返しているが、いいメイドが現れない。

ドンもあまり良い感触の者がいないのか了承を頂ける人物が現れず。

お嬢様の日常を納めた写真をドンにお渡しするいい機会だったのでまあ、よしとしましょう』



『〇月〇日

お嬢様は本日三味線の試験らしく朝から緊張していらっしゃいました。

昨夜も真剣に寝室いて練習なさっておいででした。

寝不足はいけませんが、真剣なお嬢様の写真を納めるべく、ベランダの陰にスタンバイ。

これも私の使命にございますれば』





「何してるの?ミノア」

イノリは体術の帰りにこの別宅顔を出していた。

「イノリ……コレ」

ミノアは、固まったまま姉に本を手渡す。

「何かしら?………」


「ミノア、柊は?」

「この時間だとヒノエの昼食を作りに台所じゃないかな」

「……行くわよ」



「柊ーーーーーーーー!」

「変態、従者ーーーー!」




その日、台所にてひと騒動あったらしく、ヒノエお嬢様の所には姉たちは現れず、お昼御飯も届くことはなかった。



「渡、お腹空いたね」

「そうじゃな、ワシの部屋に昨日収穫したリンゴで作ったアップルパイがあるぞ」

「食べよー」

「じゃな」



ヒノエお嬢様は、本日も平和にお過ごしである。

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