プレアデスの夜に、七つめの星は未来を照らして
茜さす道の
紅葉が架けるアーチを
くぐりながら
歩む先には少しずつ
新たな季節の
扉が開きゆくように
夕紅葉の丘に
風の薫りは
カモミールのように
咲いたパンジーの
三色の花びらは
藍色の空と
浮かぶ雲の白さと
星の明かりを映すように
夜空に星を
瞳に光をあつめるように
遥か東の彼方で
オリオンが目覚めるとき
神来月の宙へと
浮かび上がる
光はプレアデス星団
星をあつめて
すばると呼ばれて
やさしく青く
風に澄み渡わたるように
夜空に星を
心に光をあつめるように
道を彩なす
真紅の葉のカーペット
宙には綾なす
六連星が瞬いて
プレアデスの夜に
七つめの星を
心に想い浮かべながら
言の葉は
すばるのように
いくつもの
願いや想いをあつめて
時に物想いの窓辺に
曇り空を見つめるときも
同じ窓の景色も
移りゆく季節に
一つとして
同じものはないように
明日の窓辺には
また新しい景色が映って
こころは
すばるのように
いくつもの
言の葉をあつめて
あたためた時が
未来を芽吹かせるように
心に寄り添い
あたためる
言の葉が、きっと
秋に種をまいて
冬を乗り越え
春に咲きわたる
カモミールの花のように
雨上がりの
虹明かりのアーチを
くぐりながら
歩む先に見つめる
夜空は明日への
扉へ続く道となって
こころは、すばる
七つめの星は
きっと、それぞれのこころに
プレアデスの夜に
未来を見つめる、瞳を照らしながら
11月頃から見頃のプレアデス星団は、大小100以上の星が集まり、プレアデスは神話の7人の神々とされます。目で見えるのは6つほどで、「六連星」「昴」とも呼ばれます。
約千年前に清少納言が書いた枕草子では「星はすばる」とあります。「昴」は「まとまって一つになる」などが元の意味とされます。秋に種を蒔き、春に咲くカモミールの花言葉は、「逆境で生まれる力」です。
秋から咲くパンジーは、フランス語の「思う」が由来とされ、三色スミレが別名です。紫は「誠実」、黄は「つつましい幸せ」、白は「心の平和」の花言葉があります。神来月は11月です。
季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。




