表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

プレアデスの夜に、七つめの星は未来を照らして

作者: 逢乃 雫

茜さす道の


紅葉が架けるアーチを



くぐりながら


歩む先には少しずつ



新たな季節の


扉が開きゆくように



夕紅葉の丘に


風の薫りは


カモミールのように



咲いたパンジーの


三色の花びらは



藍色の空と


浮かぶ雲の白さと


星の明かりを映すように




夜空に星を


瞳に光をあつめるように



遥か東の彼方で


オリオンが目覚めるとき



神来月(かみきづき)の宙へと


浮かび上がる


光はプレアデス星団



星をあつめて


すばると呼ばれて



やさしく青く


風に澄み渡わたるように




夜空に星を


心に光をあつめるように



道を彩なす


真紅の葉のカーペット



宙には綾なす


六連星(むつらぼし)が瞬いて



プレアデスの夜に


七つめの星を


心に想い浮かべながら




言の葉は


すばるのように



いくつもの


願いや想いをあつめて



時に物想いの窓辺に


曇り空を見つめるときも



同じ窓の景色も


移りゆく季節に


一つとして


同じものはないように



明日の窓辺には


また新しい景色が映って




こころは


すばるのように



いくつもの


言の葉をあつめて



あたためた時が


未来を芽吹かせるように



心に寄り添い


あたためる


言の葉が、きっと



秋に種をまいて


冬を乗り越え


春に咲きわたる


カモミールの花のように




雨上がりの


虹明かりのアーチを



くぐりながら


歩む先に見つめる



夜空は明日への


扉へ続く道となって



こころは、すばる


七つめの星は


きっと、それぞれのこころに



プレアデスの夜に


未来を見つめる、瞳を照らしながら



















11月頃から見頃のプレアデス星団は、大小100以上の星が集まり、プレアデスは神話の7人の神々とされます。目で見えるのは6つほどで、「六連星むつらぼし」「すばる」とも呼ばれます。


約千年前に清少納言が書いた枕草子では「星はすばる」とあります。「すばる」は「まとまって一つになる」などが元の意味とされます。秋に種を蒔き、春に咲くカモミールの花言葉は、「逆境で生まれる力」です。


秋から咲くパンジーは、フランス語の「思う」が由来とされ、三色スミレが別名です。紫は「誠実」、黄は「つつましい幸せ」、白は「心の平和」の花言葉があります。神来月かみきづきは11月です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
「新たな季節の 扉が開きゆくように」という言葉に、季節の移り変わりを鮮やかに感じました。 プレアデス星団の、目に見えない七つめの星に想像が広がりますね。 「秋に種をまいて 冬を乗り越え 春に咲きわたる…
だいぶ寒くなってきて冬がもう来ているのではないかと錯覚する時もありますが、本作を拝読すると心地良い秋の終わりが感じられて幸せな気持ちになりました。 目に見えるのは6つの星なのに、プレアデス星団は7人の…
 小学生が習い事の帰途に、夜空に浮かぶ凄く小さい北斗七星(おおぐま座)のような星の集まりを見付け、星座の本を読んでそれがプレアデス星団(昴)と理解した時の感動は今も忘れていません…☆  神無月に出雲大…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ