第九話 剣の練習
お久しぶりですね
翌朝、体に重さを感じ起きると上にフィアンマが乗っていた。まだ寝てたのでベッドに置いといて朝ごはんを作ろう
黒パンと何故か売ってるコーンポタージュ。それとサラダだ。
出来上がった時フィアンマが起きた。寝ぼけているがそっちの方が竜として威厳があるように見える。
黒パンをコーンポタージュに漬けると良い感じに柔らかくなったので、あげると美味しそうに食べた。
そういえばこの子草食なのかな?だとすると防御力が高いのも分かる。
食べ終わったので今日はレベル上げを練習しようかな。
工作で矢を3ダースほど作る。矢は昔趣味で作ってたこともあり、手慣れたものだ。20分ほどで3ダースの矢ができた。アーバレストを構えると視界が2倍のスコープになり新たに十字線と目標の距離が追加された。
これで大分撃ちやすくなる。木の的をを狙う。20メートルほどの距離をとり、撃つ。2分で3ダース全てを撃ち切った。的の中心に当たったのは5本、30本くらいがその周辺に当たっている。1本が明後日の方向にあるが気のせいだ。
次はフェンサーの練習でもしよう。けどマチェットしか使えないし、あ、そうだ、マリアンジェラさんに聞いてみよう。
ギルドへ行って聞いてみるとマリアンジェラさんの後ろから浅黒いエルフの男性がやってきた。190センチ近い身長は見る人を圧倒させる。にしてもどっかで見たことがある気が…
とりあえず声をかけてみる。
「あのー、フェンサー技能を取得したんで、練習つけてもらえませんか…?」
「ナターシャちゃんじゃない!今ちょうど旧友のシーエルフのサプタラが来てたからよかったら練習させてもらったら?」
「は、初めましてサプタラさん、ナターシャです」
「こちらこそ、初めましてなのかな?サプタラだ。いつも君が買っていってるパン屋だよ」
「へ!?そうなんですか!?いつもありがとうございます」
「これからも贔屓にしてくれよ」
「はい!」
「ところで剣の練習がしたいって?」
「はい、家だと素振りくらいしか出来なくて」
「剣は持ってる?」
「持ってないです。家では鉄の棒を振ってました」
「じゃあマチェットを貸そう。君の筋力ではマチェットが1番合うだろうから」
「ありがとうございます!」
早速中庭で練習をつけてもらう。サプタラさんはロングソードとショートソードを持っている。
複雑な紋様が彫ってある剣は美しさを感じる。
「さあ殺すつもりできなさい!」
「はい!」
マチェットを逆手で構え腰を落とす。サプタラさんはショートソードを前に斜めに構えロングソードを頭より高く構える。
左足で地面を蹴り一気に間合いを詰めてマチェットを下から振り上げる。それをショートソードで受け止められた。
サプタラさんはそこからロングソードを振り下ろした。死の恐怖を感じたが頭の真上でぴたっと寸止めだった。こんな速い振り下ろしから寸止めさせることができるサプタラさんの筋力に驚愕させられる。
一旦距離を取り逆手から直して脇構えのような構えをし、詰めよって振り上げる。それも振り上げようとしたタイミングでマチェットをロングソードで叩き落とされる。そこでストップをかけられた。
「君の腕は悪くない。だが、焦っている感じがする。隙が無いところを攻撃しても反撃されるだけだ
隙の見定めを重点的に練習するべきだな」
「分かりました」
「ただレベル1とは思えないほどだ。レベルが上がって行くと沢山の技を覚えられる。その時に破格の強さになるのは確かだな」
「…」
褒めてもらい顔が赤くなる。これさえなければ大人っぽくなれる気がするんだけどな…
その後色々教えてもらい練習を終わり休憩する。ギルド内のテーブルでうとうとしているとサプタラさんがやってきた。
「すこしいいか?」
「あ、はい」
「こないだランティスに声をかけられただろう?新発見の海王の迷宮というダンジョンがあってな。
そこに俺たちが第2先遣隊として派遣されることになったんだ。1か月後だな。南洋諸島というところにあってここから2000キロくらいのところだな。船で5日くらいだが行かないか?ちなみに君に拒否権はない」
「拒否権無いんですか…、けど海に行きたいとカモメの血が叫んでるので行きたいです」
「分かった。一応これは国家プロジェクトだからレベル15以上か何かのA級資格を持っていないといけない。
レベル15は無理だろうからシューターのA級試験を受けてくれ」
「どこで受けれるんですか?」
「B級をここで受けた後帝都で受けることができる。
南洋諸島へ行く時に帝都には寄るからその時だな」
「分かりました。B級は今日にも受けれますか?」
「今日は無理だ。明日試験官を呼ぶからその時受けてくれ」
「はい」
明日か…一応ドラグノフのメンテをしておこう。
午後は魔法の練習だ。何故かフィアンマが一頭でここにきているので一緒に受ける
ソーサラーでありヒーラーでもあるというマリアンジェラさんが教えてくれた。
前も説明した気がするが魔法は発動体を構え、呪文を詠唱し発動体に魔力を流し込むと発射できる。
何個かの攻撃魔法を習った後、マリアンジェラさんに攻撃魔法を見せてもらえることになった。
マリアンジェラさんが弓を構え詠唱をする。すると白銀に輝く矢が現れた。そのまま弓を引き矢を射る。
矢は弾道が下がることなく真っ直ぐ飛び壁に突き刺さった。刺さった矢を中心に壁が凍り始め3秒ほどで5メートル四方ほどが氷漬けになる。私はマリアンジェラさんの強さを思い知ることになった。
「今のがフォーエバーフリーズっていう技ね。永久に解けない氷を打ち出す魔法よ」
「怖いですね…」
「そう?S+級にもなるとこのくらいでも全く効かない魔物もザラにいるからさらに強い魔法も必要になるわ」
「ふへぇ」
「ふふ…貴女ならできるようになるわ。さっきやった大技私に向けてもう一回やってみて」
「いいんですか?」
アーバレストを構え詠唱を始める
「神々の風よ、我に美しき風を!! 天の桜吹雪!!」
そう唱えるとマリアンジェラさんを10メートルを超える高さの桜色の竜巻が巻き起こった。
「フィアンマ!」
フィアンマが魔導火炎砲を放つ。そして炎は竜巻に巻き込まれ竜巻は桜色から紅に色を変える。
竜巻は全て鎌鼬のように切り裂くことができるためダメージ量も大きいという代物だ。ここから生還するのは難しい。そう思っていた。
竜巻が晴れて目を疑う。竜巻が内側から凍っていっているではないか。そして氷が割れ中から余裕そうなマリアンジェラさんが出てきた。
「うん、悪くない魔法だね。内側から凍らされるなんて思いもしなかったでしょ?」
「はい…」
「フィアンマも魔導火炎砲の威力が高いね」
頭を撫でられフィアンマは嬉しそう。この子はスキンシップが好きなのかも知れない。いつも誰かにくっついている。
「フィアンマももうちょっとで風魔法覚えられるんじゃないかしら」
「ディノスって魔法覚えるんですか!?」
「そうだよ。属性を2つ覚えられる。2つ以上覚えると古い順に忘れていくけどね」
「フィアンマ、そうなの?」
問いかけると嬉しそうに頷いた。そして翼の間に丸いエネルギー体みたいなものを生み出した。
それを前に飛ばすと飛んでいる途中でエネルギー体は旋風に変わる。
風魔法を習得したの!?この2、3時間で覚えるとは恐ろしやディノスの飲み込みの早さ。
しばらく練習して3時の鐘の時に家に帰った。明日はB級の試験がある。今日はゆっくりしよう。
夕方になって銭湯へ行き、帰ってご飯を食べて9時には床についた
個人的にシーエルフ結構好きです