表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/19

四話 技能講習とスノウエルフ

ギルド長に別れを告げ担当になってるらしい受付嬢のところに話を聞きにいく。

マリアンジェラというらしく長い銀髪が綺麗なスノウエルフの女性だ。

スノウエルフとはフェセンハルツさんが言うには寒冷地仕様のエルフで泳ぎが苦手な代わりに

寒さへの耐久力が異常に高いらしい。


「あの、新しく冒険者登録をしたナターシャなのですが冒険者としての基本など色々教えていただきたくて」

「あらナターシャちゃん、ちょっと待っててね。」


ナターシャ"ちゃん"と言われてちょっとむっとしてそんなに小さいのかと見渡したら確かに小さかった。

どうやらこの世界では165センチは無いと人権は無さそうだ。

女性でも160を切っている人は誰もいない、

戻ってきたマリアンジェラさんもよく見たら170センチはこえている。

身長について聞いてみる。


「身長って何センチくらいが平均何ですか?」

「うーん、大体女性で167、男性で181くらいかな。160切るのは子供かドワーフくらいかな

あと、身長が100センチくらいのグラスランナーっていう種族もいるわ」

「じゃあ私子供くらいの身長なんですね…」

「そうね、お姉さんから見たらちっちゃいし翼もほわほわしてて可愛さの塊ね」

「け、けど身長低いから弱いってわけでも無いし!早く基本とか戦い方とか教えてください!」

「分かったわ、お姉さんも昔は冒険者だったのよ、私から教えるよ」

「え、失礼ながら何歳なんですか?」

「私?大体ねぇ…124歳よ、スノウエルフは平均寿命が530年くらいだから人間だと24歳くらいかな

とにかく教えるよ、貴方のステータスを見せてくれる?」

「分かりました」


そう言って自分のステータスを見せるとマリアンジェラさんは眺めながら言った。


「アビリティ4つも持ってるんだね、普通の人間なら大体2つでそこからレベルと共に増えていくんだけど

そしてアビリティの種類も珍しい

冒険者は結構攻撃に振っている人が多いけど、ナターシャちゃんは素早さに振ってる

それにエネルギーシールドっていうアビリティ

これは見た事無いけど光の壁みたいなものかな?」

「はい、多分。命の危機を感じたときに発動しました」

「次は技能だけど、狙撃もってるの?

私も昔はロングボウを使っていたから使い方も教えられそう

ちょっと武器見せてくれる?」


マリアンジェラさんに逆らえなさそうなので背嚢からAKとアーバレストを出す。

AKは初めて見たらしく驚いているように見える。


「アーバレストはいいとしてこの銃は何?」

「えっと、AK−47って言って私が前いた世界で使っていた銃です

対物ライフルって言ってなんかその壁とかも打ち抜けるくらいの威力です」

「ちょっとどのぐらいか調べたいし、練習がてら中庭に来てちょうだい」

「あ、はい、」


中庭は200メートルほどの奥行きで片方の壁に木製の的が貼ってある。

しばらく待っていると着替えたマリアンジェラさんが来た。

さっきまではワンピースだったがその上に半透明の胸当て、籠手、脛当てをつけている。

どういう原料か分からないが氷のようにも見える。


「その装備何製なんですか?」

「魔法を氷にかけて強化した氷鎧よ、スノウエルフの種族専用魔法で氷を鋼並に固くさせる事ができて尚且つ軽くできる魔法で氷鎧はその典型例ね」

「あの、鳥人にもそんなのあったりします?」

「数が少なすぎてわからないけど風魔法の上位互換を使えたっていう記録があるからそれじゃない?」

「良かった…ありがとうございます」

「さあ、射撃練習始めるわよ、まずは15メートルから」

「分かりました」


寝そべり二脚を立てて銃を構え照準を合わせる。

視界が4倍のライフルスコープになる。

的の中心の赤い円を狙い引き金を引いた。

そのとき音響弾をセットしていた事を思い出す、

銃弾は凄まじい音を立てて的へ一直線に飛び的の中心に着弾した。

だがマリアンジェラさんは音響弾もどこ吹く風で賞賛の言葉をかけてくれた。


「あら凄いじゃん、15メートルでも初心者は当たらない人が多いよ」

「前の世界でそういう仕事をしてたので、得意なんです…」


褒められて嬉しくて顔が真っ赤になる。

これだから子供扱いされるのだ。


「…ゎぃぃ…さ、次は20メートルいきましょ」

「その前なんか言いましたか?」

「別に?気のせいじゃない?」


むすーとしながら20メートルの地点で構えて撃つ。

今度は普通の練習弾だ。

これも的の中心に当たる、

lynx最高峰のスナイパー(自称)は伊達じゃない。

AKの射程は約200メートルほど。

20メートルは狙いさえ合えば朝飯前だ。


最後は40メートル、

初心者でそこで当たったら一人前の狙撃手として名乗れるらしい。

同じように構え練習弾をセットする。

緊張で手が震えるが二脚があるため余り関係無い。

さっき150メートルでも当てたんだ、

当てれるはず、

引き金を引く。

放たれた銃弾は真っ直ぐ飛び的の中心に突き刺さる。

そのときステータス欄がいきなり開きレベルアップを知らせてきた

「狙撃がレベルアップしlv4になりました」



「やった!」

「凄いじゃん!これなら狙撃手として食べていけるレベルね!」


「次は魔法の使い方ね、ちょっとかけてみるから見てて」

「はい」


そう言ってマリアンジェラさんは私を座らせ杖を構えた。

そうすると杖から魔法陣が現れ一条の光が私に向かう…え!私に!?

避けようとしても体が動かない。翼も動かない。

動けない私をマリアンジェラさんが抱きしめてくる。

恥ずかしいしくすぐったい。


「ほんっとにいい匂い、ずっとこのまま吸ってたいわぁ

特に翼がいい香りしてる。」

「あの…恥ずかしい…」

「あらごめんね、もうちょっとだけ吸わせて。」

「はい…」


結局5分ほど彼女に抱きしめられ続けた。

驚いたのはその間抵抗しようとしても全く動けなかった事だ。

マリアンジェラさんの魔法の強さを感じる。


「今のは風魔法と氷魔法の複合で相手の周りの空気を凍らせる事で相手を動かせなくする魔法よ。」

「けど私のこと動けなくする必要ありました?」

「それはねぇ、まあ、その?吸いたかったし

まあとにかく魔法の練習するよ。」


マリアンジェラさんから160センチほどの杖と大きな本を渡された。

先端部分に赤い宝石が付いていて、また全体に複雑な紋様が張り巡らされている。


「この杖を持ってちょうだい、こうやって杖を構えて、魔導書の出したい魔法のページを開く、

魔導書は開きたいページを念じれば勝手に開くわ

そして魔導書のページの詠唱をしながら杖に魔力を込めるの。」


魔導書を持ちながらページを開き杖を構える。

そして書かれてある事を読み上げると体から杖へ何かが流れていく感覚がした。

唱え終わると杖から複雑な紋様が描かれた円が現れそこから旋風が巻き起こる…

が3メートルほどでそよ風になり消えてしまった。


「まあ最初はみんなこんな感じよ、lv1とかだとそよ風を起こす事が精一杯ね

今日は魔法に慣れてlvを2まで上げる事を目標にして頑張って」

「はい!」


そこからは地獄だった、ひたすら風魔法を唱えMPが尽きるとクロスボウの練習をする。

クロスボウはライフルと比べ圧倒的に軽く、矢も安価だった。

しかし、 銃架も無く銃身も短いためライフルよりも命中させにくい、

だが、命中率が下がったとは言ってない。

最初は恐る恐るだったが慣れれば簡単だった。

装填もライフルより簡単だし、軽いから負担が少ない。


夕方になって私自身のレベルと風魔法が2に上がった。

今のステータスはこんな感じだ

HP 25→29

MP 12→23

器用度16→18

敏捷度18→27

筋力10→12

生命力8→17

知力14→22

精神力12→20


風魔法 lv1→lv2

威力増加


結構MPと素早さが増え、防御力は余り変わっていない。

紙飛行機の運命からは逃れられないのか…


レベルが2に上がったところで練習は終わった。

魔法の発動体というものを埋め込むそうでアーバレストを預かってもらった

今日はギルド内の宿に泊まり、明日家探しをするそうだ。

ギルド内の宿は一泊10Stellaと安い分、最低限のベッドとクローゼットしか無い。

また男たちしか居ないため、なにかちょっかいをかけられないか心配である、

だが幸い男たちからちょっかいをかけられることはなかった。男たちからは…

寝る前、マリアンジェラさんにもらった寝巻きに着替えていると勢いよく部屋のドアが開いた。

無論、下着姿である。

入ってきたのは…マリアンジェラさんだった。


「ど、どうしました?」

「いや、大丈夫かな?と思って

あと、寝ようとしたけどなんか落ち着かないからナターシャちゃんを吸いにきた」

「えぇ」


そう言うとマリアンジェラさんは私に抱きついて吸い始めた。

抵抗しようがしまいが吸われるのは確定しているので大人しくしている

私のことをいい匂いと言ってくれるがマリアンジェラさんもいい匂いがする

香水の香りかな?また、体温が低く感じる、スノウエルフだからかもしれない

マリアンジェラさんが色々気にかけてくれて嬉しい、だけどこれが毎日続くかもしれないと思うと早く独り立ちしたい。

そろそろ眠気が限界になってきた、腕の中で眠ることだけは避けたいが動く気力も無く

結局私はマリアンジェラさんの腕の中で眠りについた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ