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あの日の決意  作者: ボンホー
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あの日の温もり 〜あの日の決意 第一章〜

僕が小学生の頃、学校に居場所はなく、いじめられる日々だった。

毎日悪口や陰口を言われ、あること無いことも噂され、ばい菌扱いもされた。そのうちに、僕は誰も信じられなくなった。本当に苦しい日々

僕があの場所に迷い込んだのは、そんな日々の中のことであった。




そこはただ単に、走る電車を眺めるだけのトレインビュー公園だった。

見た感じ公営の公園ではなく、私有地を活用した公園らしかった。

そこからは横に伸びる山とその中に広がる住宅地や畑、そして奥へと伸びる二本のレールが見えた。

僕は電車が好きだったから、しばらくその景色を眺めることにした。独りの時間を過ごすにも丁度良いだろう。

何本も電車が通り過ぎて行き、その度に聞こえてくる踏切の音や電車のジョイント音に耳を傾けた。


そうしているうちに空は赤く染まり、帰ろうとしたところ、3〜4人の男女のグループがやってきた。

男と女の二人ずつだろうか。

「こんばんは〜」

爽やかな男の人と

「ばんわ〜」

清楚な女の人

「お、新入りさんかな?」

クールな男の人と

「のようだね〜」

少しギャルっぽい女の人

みんな優しく僕に話しかけてきた。

「あ、は、はじめまして!」

僕は慌てて挨拶を返した。慌てたせいか、少しこれが裏返ってしまった。

「あ、声裏返ってる〜(笑)」

「カワイイ〜!」

爽やか系の男の人と少しギャルっぽい女の人が笑う。

「どこから来たの?」

清楚な女性の人が聞いてきた。

「立川辺りです。」

「立川!良いよね〜!私好きなの立川!」

「立川ってあずさとかも停まるよな。あとは南武線と青梅線か。」

クールな男性の人が言う。

基本は白い目で見られるか怪しまれるかの僕だったが、こんな優しい接し方をされたのは初めてだった。

「あなた達は、ここによく来るんですか?」

僕がそう聞くと

「そうだよ~」

と清楚な女性が答えてくれた。

話によると、毎日夜になると10人ほどがここに集まって、雑談とかゲームとかをするらしい。

そして4人は自己紹介をしてくれた。

爽やかな男の人が大宮さん、清楚な女の人がモモさん、少しギャルっぽい女の人が茅野さん、クールな男の人が石和さんだ。


しばらく雑談とかをしていたら、ここにいる人達とは明らかに年上そうな人がやってきた。

「どうしたんですか?皆さん盛り上がって」

「あ!管理人さん!新入りが来たんですよ!」

と、モモさんがその人に嬉しそうに伝える。

どうやらこの公園の管理人さんのようだ。

「新入りさんですか。どうも、こんばんは。」

「こ、こんにちは。ここ、電車がよく見えるんですね。」

「そうなんだよ。線路までも近いし。ちょっくら線路の向こうまで走ってこようか?」

「そしたら向こうまで行ったときにこっちに手振ってよ!」

と、茅野さんが言う。

「いいよ!そしたら行ってくるね。」

と、管理人さんは走っていった。

「さぁ、どれぐらいで着くんだろうねぇ?」

石和さんが囁いた。

管理人さんが線路の向こう側に着いたとき、こちら側に大きく手を振ってくれた。そして4人も大きく手を振り返していた。

どうやら僕は、とても楽しく面白い場所に来たようだ。

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