表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

1話 白いキャンパス

ある、ほがらかな日のこと、桜の花が咲き、私は、初めて学校に来る。

純粋に、多くの大人たちが、私達を迎えた。

今日から、お友達たくさん作って、たくさん遊ぶ。

そんな期待を胸に、私は入学した。

あれはまだ幼かった頃の私。

いや、まだ、私が誰なのかも知らなかった頃の私。

やっと退屈だった入学式が終わり、先生が教室へ案内する。

ここから、新しい生活が始まる。


『みなさん入学おめでとうございます』

先生が教台に立って、皆の前で話す。


その後は、何も覚えてない。

昔のことはあまり覚えてはいない。

今だからこそ気づくこと。

『私が思い出が少ないのは自分を捨てて他の人に合わせて言われるままに生きてたからだ。

それはまるで……【道具のように】』


ある日のこと……………

『はぁ……今日も学校か……』重い腰を上げ、布団から出る。

正直、制服を着るのは好きじゃない、とはいえ、

着ないわけにもいかない。

着替えをして、ランドセルを背負い、早々にパンを咥えて、外に出る。

どうせ、誰も返事もしなければ何もしない。

家に誰もいないわけではない、話すことがないだけだ。

誰も居ない道、一人でうつむきながら歩く

『何で生まれたのだろう……』

そう、思いながらも歩き、バス停にたどり着く。


そこから数分後にバスが来る。

ここは田舎でほとんど人も居ない。

3人くらい乗ってたが誰も気づきやしない。

まるで、【私が居ないように】

いつも通りの朝、いつも通りの日常。

学校につくと皆は走って学校に向かう、私はその後ろで1人歩いていた。


4-1の札を見て教室に入る、相変わらずガヤガヤと賑わっている。

その隙間を私は歩く、誰も返事もしなければ気づいてすら居ない。

机に向かうと、相変わらずいつものようにひらがなやカタカナで、

「きえろよ、しね、バケモノ、かいぶつ」と書かれている。


『いつも通りの日常……』まだ、落書きならばマシだろう。

そう思いながら何も話さず、カバンに入れていた、ウェットティッシュで拭く、それがいつもの日課。

『いつからだろう………』私はそんなことを考えていた。

3年になって周りと違和感を感じ始めた。

『思っていたのと違う』


幾度も月日が経ち、他人と私の間には線を引かれたように深い溝があった。

中間休みの鐘がなる。

私は、図書室に行き、昨日、読んでいた本を取る。

その本は、水からチョコレートを作る機械で

ある日、機械が暴走して、機械ごとチョコレートに埋まり島になるというそんなお話。

私は、本を読んで妄想するのが好きだ。

ただ、それだけが、現実を切り離してくれる

そんなのにふけていると中間休みの終わるチャイムが鳴る

『とても楽しかった♪』

そんなことを言いながら図書室を出て次の授業を受ける。

次は体育で、着替えて運動場に行く。

『確か、体育では短距離50m走だったな』

短距離走には、別に早いとも遅いとも言えないが、

自信はある、32人の中で、

上から数えてトップ10に入るくらいだ。

列に並び、順々に周ってくる。

そして、私の番になった。

先生が、ストップウォッチを握りながら、傍らに記録の書くボードを持ち、

こっちを見て準備ができたのを確認している


私はそれに対して、いつでも大丈夫というように、目で合図をする。


先生が掛け声をする『位置について』

掛け声に合わせて位置に並び、呼吸を整え、落ち着せ万全な状態に入る。


先生が掛け声をする『よーい』

私は、足を地面に深く踏み込み、掻き上げるような体制を取った。


そして、先生が掛け声で『ドン』と言った瞬間、地面を蹴り上げ走り出す。


一歩一歩を蹴り上げ、前に進み走る、風を切るように、

ただ、真っ直ぐに走る、徐々に肺が締め付けられるように呼吸がし辛くなっていく。


息が上がり始めるのを感じつつ、呼吸を整え走る。

目の前にゴールの線が見えてくる

さらに、追い込むように加速し線を超える


『5秒18!!』


先生がストップウォッチを止めそう叫ぶ。


私は、息を切らしながらも、喜んでいた


『やった、この前の記録を塗り替えた!』

つまりは7秒台から2秒縮めた。

これによって順位は当然上がる。

その後、何回もしたが記録は下がっていく。

『流石に、疲れた……』


瞬発力はあっても、持久力はないため、長くは続かない。


体育が終わりいつもの場所に行く。

そこにはホワイトボードがあり、

さっき先生が書いてた記録が貼り出される。

そこには名前とタイムが書かれ順位が振られる


『えっと、順位は………』

上から順に目を通していくがそれはすぐに見つかり。

『あった!、やった1位だ』


1位になったらとはいえ、何かあるわけではない

ただ、1位になると達成感がある。それだけだ。


そして時間は過ぎ、給食の時間がやってくるが、

その前にやっておかねばならないことがある。

教室の生徒たちよりも早く自分のを確保しなければならないことだ。


今日は体育があった為、着替える時間があり時間に余裕がある。


『後、3分したら給食室に今日の給食が置かれる。』

手には袋を持ち、その時間を待つ。


そして、その時は来て、給食が置かれ戸が閉められる。

『よし、行くぞ。』

今日は、フライとパンを袋に入れる。

スープは扱いが難しいからパスをし。

牛乳は嫌いだから取らない。


そうして、今日の分の給食を手に図書室へ向かう。

徐々に階段が近づき、教師の背中が見えた途端に隠れる。

『第1階段が使えないか。』

急いでそこから離れ、第2階段に向かう途中、生徒の声が聞こえ、ロッカーに潜る。

『今日はツイてない………』

そう、愚痴をこぼしながら声が遠ざかったのを確認しロッカーから出る。


『階段を上がれば目の前は図書室だ。』

結果的には、近くなったのに胸を下ろし図書室の角の本を取りさっき取った給食を隠す。


『ダメ元でとりあえず行くか………』

なぜこのようなことをしているのか、理由は、明白で給食を用意してくれないからだ。


体操服を脱ぎ制服を着て、何食わぬ顔で教室に行く。

『相変わらず……か』

今日も、給食は、私の分が配られることはなく、机の上には何もなかった。


周りは、私を見て嘲笑っている。


そう、私は虐められている。

それは、私が【人とは違うからだ】


生まれた時から、【既に……】

【最初から…】そうだった……。


私は生まれた時から1人だった。

親は私が生まれるときに亡くなった。

私の家系は、代々続く母方の医師の家系に生まれた。

母親は看護師で父は医師を努め。

父は、手術では執刀医を任せられるくらいの腕の立つ医師だった。

父は、私が生まれるのを楽しみにし。

花を買いに行き、その帰り、走行中の飲酒運転車に轢かれ買った花が母に届くことはなかった。

母は私を産むのに苦労しながら私が生まれたときには母は冷たくなっていた。


母方の祖母の家に共に引き取られ大きくなるまで居た。

唯一の肉親の姉は居るが私とは正反対だった。

それでも、姉に守られて私は幸せだった。

祖母には亡き娘が1人居り

その孫が私よりも年下で、義理であっても妹が出来たようだった。


そんな私だけど、不幸は終わらない。

私は生まれつき、いろんな困難に苛まれることになる。

1つ目は、生まれつき右目が見えないこと。

2つ目は、この体………私の自認と体の性が合わないのだ。

3つ目は、普通の人よりも知能がないこと。

どういうことかと言うと、馬鹿だってこと。

普通の人ができることがなかなか出来なくて、よく失敗する。

その度、色んな人に笑われ続けた。


そして、父方と母方がよく言い争いをしている。

私の父は、医師を目指し父方の跡取りとして町工場を継ぐことを辞め、振り払って縁を切り、医学の世界に来た。

しかし、どこで嗅ぎつけたか見つけ私に継がせようとしているのだ。

私がただ男子に生まれただけでこの扱いだ。

しかし、自認は昔から女の子だ。

祖母もそれに気にすることはなく、むしろ三姉妹だと変わらず愛してくれた。


私が小学4年のある秋頃の夕方

私の姉は帰ることはなかった。

姉は勇敢だった、正義感に満ちていて。その目は曇り一つなく。

そんな姉は………【私を守るために犠牲に………】

家が不審火が起き家は燃え、全焼した。

思い出も、何もかも全て…


それ以降私は姉に憧れていた

姉のようになりたかった。

でも、なれなかった

小学校卒業後

祖母が病に伏し、天に召される日が近づいた

衰弱していく祖母と、泣きじゃくる妹……

私は泣くことを堪えて勇敢でなければそう思っていた。


それでも、不幸は続く、母方の祖母が亡くなった訃報を聞き入れ私達は、父方に引き取られることになった


そこから、私達の人生はすべて、壊されることになる

中学入った頃、人も変わり少しはマシかなと思っていた


虐めは続く、私達は、いつも学校行くたびにいじめられ

妹も巻き込まれることになった


1年後

妹は自分で死を選んだ

私は一人になってしまった

そこからは地獄のようだった。


作法としていろんなことを押し付けられ

成績のために家に閉じ込められた

何もかもが父の思惑通り……生きてる理由もわからなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ