遺され捻れ歪んだ先の終着点の世界で
『もしも、許されるならば……やり直したい』
眼の前が霞んでぼけていく。
深夜、少年はベッドで横たわりながらそう考えていた。
かつての仲間の指輪を手放せずに居る、彼らは死んだ。
私のせいで。
『もしも、生まれなければ彼らは死ぬことはなかったかもしれない』
『もしも、生まれ変われるなら彼らに謝りたい』
『もしも、夢を諦めなければ救えたかもしれない』
『もしも、もっと早く気づけていたら……』『もしも、……』『もしも、……』
たくさんの後悔が並ぶ、その中で、最後に出来ることを、
少年は記す為に傍らにあったペンと紙を取り出す。
『私のミスでした、それによって、引き起こされた結果、その結末に私はたくさんの人を失いました。
ですから、これは警告です。私のようにならないでください。
この世界で苦しむのは私たった一人で充分ですから。』
遺書と書かれた紙を傍らに、ペンを置く。
少年は独り言のようにつぶやく
『罪に気づくのはいつだってすべて、終わった後』
ベッドに横たわりながらまさにここで天に召されるかのような光のない目をしていた
少年はずっと後悔していた
『愛を捨ててしまったこと……。』
『評価ばかりを求めすぎたこと……。』
『支えてくれた手を振り払ったこと……。』
『私は、何もできなかった……。』
霞んでく目で過去を思い浮かべる。
『初めて親友と出会ったこと、話してくれたこと、たくさんの仲間ができたこと、自らが重ねた罪の数々と、その結末。もうあの頃には戻れない。』
既に心は枯れ、廃墟の中座り込んで捨てられたかのような心に後悔を抱いていた。
体は傷つき、動くのでさえままならないほど
酷く荒れていた。
あれから何年経ったのかもわからない。
彼女にはもう使い果たしたかのような、動けるほどの気力も体力もなかった。
『私は、遺された世界で、何が残せるだろう……
この捻れ歪んだ先の終着点で、私は、なんのために生まれたのだろう……。』