猫さんの肉球は幸せの香り
「えっと、お母様からナーシャが一緒に川辺に行きたいと伺ったのだけど…ボクは精霊に気に入って貰っているからその…」そう言って困ったように笑う姿は八歳
とは思えないくらい諦めてるような顔だったから
「お兄様、失礼しますね」そう言って豆腐のような柔らかさのベッドから座っているミカエルの傍に寄れば首を傾げるから髪の毛をわしゃわしゃと撫でて
「ミカくんと猫ちゃんは優しいね」そう言って顔を見ればポカンとするからポカンとしていてもミカくんは公式美少女枠(仮)なんだなぁ…
イケメンは何をしても絵になるなぁ…なんてことを思って首を傾げれば…
「えっと、ナーシャ髪の毛が…あと呼び方」そう少し笑うお兄様だったから…
「え?…お兄様申し訳ございません!」そう両手を高く上げて後ずさればお兄様が可愛らしく笑って手招きをしながら
「警戒心のあるアルフみたいだね、大丈夫だよ」そう笑って撫でてくるから
「アルフ…?」アルフって誰だろ?そう思ってお兄様を見れば
「うん、おいでアルフ」その声と同時に出ていたのは…
「ねこさん‼」耳と二又の尻尾の先にオレンジ色の炎がある彼の契約獣で…
優雅に動かす赤毛の尻尾は私にとっても猫じゃらし。
スラっと伸びた足の先には白い靴下さん…ちらりと見えた肉球はピンク色。
丁寧にブラッシングされている赤毛は艶々としていて…
正直に言えば今すぐモフりたい、そのお腹に顔を埋めて嗅ぎたい…
肉球の香りを嗅いで肉球でパンチされたい。
そんなことを考えていたからかお兄様は心配そうな顔をして撫でているから
思い切って言ってみることにした。
「お兄様‼」そう顔を上げると同時に呼べば
「う、うん」何故か背筋を伸ばす兄様だったから
「アルフを撫でてもいいでs」「ナーシャ一緒にお茶を…え」お茶を持ったお父様が止まり
「旦那様いかがなさい…まぁ」目を丸くするお母様だったけども
お兄様が立ち上がって頭を下げて…
「お母様、お父様契約獣を出してしまいもうしわけありません」
そんな言葉で私も血の気が引いた。
もしかしたら彼は出してはいけないと言われていたのに私のモフ欲の所為で
出すことになってしまったのでは…そう思って私も謝ろうとしたが…
お父様の震えている背中から聞き間違えだと疑いたくなる単語が飛び出てきたことにより私は眩暈がしたんだ。
いやどうしてそうなるんだお父様…確かに娘にかなり甘い印象を受けてたけども…そうか、お父様の影響で妹大好きなミカくんになったのか…なんて現実を少しだけ逃避したくなった。
初めまして、颯夏と申します。
攻略キャラクターや軽い用語説明回などあれば読者の皆様が読みやすくなりますでしょうか…?
もしお手数でなければコメントなどで教えていただけると幸いです。