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第七十三話 運命の朝焼け

前置きは今回で終了です。

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは悲しいことに異世界転生を果たし、様々なことがありフィエナ帝国の帝王アルク・フィエナの依頼により、世界会議に無理やり絶海の孤島『ピリオン』に住む魔女を連れてきてほしいとのことで、報酬が船一隻というのに釣られ、引き受けることになり、ピリオンで出会った魔女改めだらしない超絶美女のエルスティ・アーモと開港を果たした、しかし、信頼できないとい理由で俺とサワムラはベタなアレなホテルの一室の様な部屋に手錠で繋がれた状態で丸一日の期限付きで閉じ込められ、手錠を壊すなり、脱出を試みるなりするもできず、一日を過ごすことになり、サワムラと頂点快適に心の距離を縮めたのであった、まる。



 部屋に閉じ込められ半日というところで寝始めてからは早かった。

 空腹で起き、空腹を満たして、適当に話し、また寝る。

 それを半機械的に繰り返し、気づけば、俺とサワムラはエルスティさんの前で座っていた椅子に戻っていた。

 二人の間に手錠はない。

 どうやら戻ってこれたらしい。

 ふと、俺のもう隣り座っていたいないことに気付き、あたりを見回すと、エルスティさんの膝の上で見た目通りに眠っていた。

 見た感じ何かされたわけでもないし、何があったのかはわからないけど、仲良くなっている、みたいだ?

 そう思いながら、俺はエルスティさんに訊いた。


 「…どうしてこんなことを?」


 エルスティさんはそれに答える。


 「アルクちゃんが手紙であなたを友人だって書いていてね。あの子がそういう人間は本当に信頼できる人しかいないのよ。だから、実はもともと、信用自体はしてたの。だけど、魔女らしくチョットした試練を与えたくてね」


 ごめんね、そんな感じの表情を浮かべつつ笑うエルスティさんに俺は改めて訊いた。


 「という事は、信頼自体はもともとしていて、俺たちにいたずらしたってことですか…」


 それに、神妙な面も日でエルスティさんは再度答えた。


 「だいたい合ってるわ」


 その答えに俺とサワムラは呆れた。

 なんか嫌だ、この人。


 「まぁまぁ、そんな私のことを嫌がらないでよ。イフちゃんには疑ってないことを話して、謝罪して許してもらってるのよ」


 そう言いながらエルスティさんは椅子から立ち上がると、部屋の端の長椅子に寝かし、近くの毛布を彼女の掛けた。

 イフの寝顔は安心している場所で見せるような警戒心のない寝顔だった。

 どうやら、エルスティさんは本当に迷惑いたずらをするだけの人、という事らしい。

 善人とは言い切れないが、悪人でもなければむしろ、味方側に近い人なのかもしれない。

 いろいろ言いたいことがあったが、とりあえず今はこれ以上のことは聞かないようすることにした。

 これは飽くまで、クエストなのだ。

 試練というのならそれはそういうクエストの一環として受け入れよう。

 そう切り替えて、俺は趣旨を戻した。


 「…嫌がる嫌がらないは置いといて、今回の世界カギに出席いただけますか?」


 強引でも、仕事は仕事だ。

 達成しなければ意味がなかった。

 俺のそんな心の元での発言にエルスティさんはクスリと笑い、


 「真面目だからあの子はあなたをみちおメたのかもねぇ…。いいわよ、世界会議に出ましょう。だけど、今日は少し準備がしたいから、明日の早朝にこの島を出ることにしましょう。今から、あなた方が乗って来た船には伝書魔法を飛ばして、出発のことを伝え解くわ」


 ほぼ任務が達成されたのだった。



 その夜。

 俺はイフにいろいろ俺たちがいなかったときのことを訊いた。

 俺たちは一日過ごしていたはずなのだが、いなかったその時間がだいたい六時間程度だったらしい。

 六時間の間、エルスティさんといろんなことを話したらしい。

 まず一番最初に発言の謝罪とネタ晴らし。

 そしてそれから、俺たちがどう思っているのか、どんな冒険をしてきたのか、それを話してくれと言われ、今までの出来事を隠すべきところは隠しながら話した。

 そこからはこれからはどんなことをしたいかとか、どんなものを見たいか、そんな未来の話をしたらしい。

 彼女曰く、楽しい時間だった、らしい。

 イフ的にはエルスティさんは良い人だとはいっていたが、いたずらをされた身としては、良い人、とまではいかないという事も伝えると、イフは笑って言った。


 「エルスティさんが言ってました。良い人じゃないといたずらは仕掛けられないって」


 それに、なるほど、とは思ったがもっとやり方を選んでほしい、そう思ったのだった。



 翌日の早朝、船が止まっている地点までエルスティさんの転移魔法で移動し、ピリオンから出航した。

 歯車は大きく動きだし、この先に起こる事件は俺たちの運命を左右することになる事もしらないまま、ただ、その時の俺たちは上りつつある朝日を眺め、希望を胸に抱きながら、船にゆられるのだった。

読んでいただきありがとうございます。

次回から本編です。

では、次回もお楽しみに!

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