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第七十一話 停滞した時間とかいう滞り

なんなんだ今回

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは悲しいことに異世界転生を果たし、様々なことがありフィエナ帝国の帝王アルク・フィエナの依頼により、世界会議に無理やり絶海の孤島『ピリオン』に住む魔女を連れてきてほしいとのことで、報酬が船一隻というのに釣られ、引き受けることになり、ピリオンで出会った魔女改めだらしない超絶美女のエルスティ・アーモと開港を果たした、市kぁ氏、信頼できないとい理由で俺とサワムラはベタなアレなホテルの一室の様な部屋に手錠で繋がれた状態で丸一日の期限付きで閉じ込められたのだった、まる。



 一通り、叫んだ俺たちはとりあえず、手錠の鎖だけでも切ることにした。

 見た感じ金属、特に鉄当たりの感じ。

 だが触っても、情報が入ってこない。

 まるで樹木に触っているかのような、そこにあるモノとして認識しかなかった。

 という事は、手錠これはこう言うもの、という事らしい。

 ならば、どうにかして壊すことができないのか。

 そう考えながら、キッチンにしまってあった包丁で切ろうとしてみたり、戸棚にあった工具箱の道具であーだこーだと模索したり、お互いに息を合わせて引っ張ってみたり、いろいろやってみた。


 「はぁ、はぁ、はぁ…。やっぱダメっすね…」


 結論は疲れるだけで何をしても無駄という事だった。

 息を切らしつつ、困った表情を浮かべるサワムラに俺は


 「…一日くらいだし、我慢するしかないみたいだな・・・」


 そういう結論を言い渡した。



 それなりに時間が過ぎたときに、グルル、と俺とサワムラの腹がなった。


 「腹、空いたな」


 「そうっすね」


 意見が一致した瞬間、手錠の鎖がとんでもなく長くなった。

 それはまるで料理しやすくするためのようにそうなったと言わんばかりに延長された鎖に俺は、


 「えぇ…」


 困惑した。

 サワムラもどう反応すればいいのかわからないような表情で困惑しており、サワムラはそんな中で優先順位を選んだのだろう。


 「え、えっと…、アタシ、料理作りますよ。いつも吉田さんとイフ様に作ってもらってばかりなんで、今くらいは任せて欲しいっす」


 と、自ら、立候補してくれた。


 「なら、今回は頼めるか?」


 俺はせっかくという事で念を押した質問を投げた。


 「任せてくださいっす!」


 それに元気よくサワムラは応えた。


 そこから少し経ち、俺は目の前の光景にちょっと驚いていた。

 いつもイフからは『飯すらも作れないタダ飯喰らい』とたいそうな馬頭をされているが、実はその逆。

 めっちゃ手際がいい。

 トトトトトトトトッ。

 小気味のいい音を立てながら野菜を切り、

 ジャー、ジャー、ジャー。

 中華鍋の様なもので踊るように宙に浮かんだ炒められた食材たち。

 本当に花嫁修業しまくったんじゃないかというほどの手際。

 いつもなんとなく作ったりしてる自分が恥ずかしいくらいだった。

 そして出来上がったのは、炒飯だった。

 コトンと盛り付けられ皿を床に置かれた卓袱台に置き、地べたに向き合うように座った俺たちは両手を合わせ、いつもの文言。

 そして、食べ始めた。

 一口入れて、味わって、俺は思う。

 普通にうまい。

 そこらの中華料理専門店とタメを張れるくらいにうまかった。

 なんなら某格安中華専門店よりうまいかもしれない。

 焼きビーフンが有名なあのお店と食べ比べがしたいくらいだ。

 そんなおいしさに衝撃を受けていると、何も言わない俺にサワムラは、


 「どうですか?おいしいっすか?」


 自信があるような、すこし心配しているような、とにかく、興味深そうに訊いた。


 「うん、とってもおいしいよ」


 俺は正直に返すとサワムラはうれしそうに笑った。

 それを見て、ちょくちょく忘れるけど、サワムラは自分と同じ年の少女なんだよな、と思い出した。

 そして、その思い出したことに少しだけ鼓動が高鳴るのを感じた。

 だがその高鳴りもその程度で、異性を意識する程度で、仲間は仲間な訳で、そこから全くだった。

 ただ、そのあとも、サワムラは家事をなんだかんだでこなしてくれて、申し訳ない気分になるばかりだった。

 だから、俺はあまり良くない頭を捻って、


 「肩でも揉ましてくれないか?」


 小学生みたいな結論に至った。

 それにサワムラは少し考えた後に、


 「じゃあ、お願いします」


 乗ってくれた。

 食事あたりに伸びた鎖は少し縮まった程度で何だかんだ長いままの状態だった。

 だから、俺はサワムラの後ろに回り、肩をもみ始めることにした。


 「あー、吉田さん、すごいマッサージうまいっす」


 リラックスしたようにサワムラはそういうと、


 「ならよかったよ」


 俺は短く返し、続けた。

 続けたのはよかったのだが、


 「ん、…ぅん、あぁん…」


 喘ぎ声を上げ始めた。

 気持ち位から息が漏れてるのだろうが、単なるマッサージだ。

 あれなビデオのマッサージじゃない。

 だが、それなりに続けるうちに、


 「あっ、イイです…。そこっ、うぅ…、気持ち、イイです…、あん」


 わざとらしく声を上げ始めた。

 それに俺は一言。


 「成人向けのモンとちゃうわ」


 「ぎゅぇ!?」


 突っ込みを入れて、サワムラの両首筋にも手刀を入れるのだった。



読んでいただきありがとうございます。

では、次回もお楽しみに!

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