第六十九話 世界最高の魔法使い
新編開幕です。
俺こと吉田英斗は悲しいことに異世界転生を果たし、様々なことがあり、なんだかんだでめっちゃ強くなることができたのだが、俺本体がメチャクチャ弱いことに気付き、山籠もりを少しの間することを選び、体術的になんか強くなれたのだった、まる。
山籠もりから数日。
アルク帝から手紙が届いた。
内容は二つあった。
一つ目はミャリャリ・クェクェがようやく尋問できるようになり、それなりの速度で聞き取りを行っているという事。
二つ目は依頼だった。
約束した奴、とかではなく、この俺たちがいる世界でヨコタシュンスケについての対策を話し合う世界会議に呼んでいるが返事もなければ、何もない魔女がいるという事で、魔女を俺たちが連れてきてほしいという。
アルク帝的には俺とイフの融合魔翼を見せれば、興味を示して、いう事を聞いてくれるはずだからその作戦でおびき出してほしいとのこと。
アルク帝曰く、その魔女は興味が惹かれない限り、世界が滅びようが自身が死のうが行動に移さない変人とのこと。
なんとなく推薦理由は分かったが、内容が内容であるせいでやる気がどうもおきなかったが、依頼の報酬を見て、乗った。
報酬『船一隻』。
やっば。
受けるしかないじゃーん!
というノリで俺は二つ返事で手紙を返し、さらに数日後、ギルドに俺は呼ばれ、正式の国家クエストを受領したという事でいろんなサポートを受けられるという事でその説明を受けた。
そしてそこから三日後、荷物やら装備をまとめて、船に乗り込み、出港した。
今回の船旅はビスタリア大陸からはるか遠くに離れた絶海の孤島『ピリオン』へ向かった。
船旅は何事もなく、天候にも恵まれ、難なくピリオンに到着した。
ここからは地図通りに多少人が切り開いたと思わる獣道を進まなくてはならない。
実はこの島、本当に危険な生物が多く、島に船を留めることが精いっぱいというヤバイ島であり、そういう事もあり、未発見、未知の生物しかいないのだ。
おかげさまでようやく積み重なり始めた知識も全く使い物にならない。
俺、イフ、サワムラの三人で道がありそうで道がない、ちょっと道がある山道を智頭ひとつで進まなくてはならない。
マジしんどすぎるのはみんな一緒だと自分に言い聞かせるもさすがに辛くなってきた俺達一行は、
「みんな、そろそろ休憩にしないか?」
「ふぅ、ふぅ…、そうですね…」
「はふぅー、賛成っす」
俺の提案に各々の返事が返ってきたタイミングで休憩することになった。
地面に腰掛け、各々に給水して談笑していると、イフは俺に素朴な疑問を投げかけた。
「なんで魔女を世界会議に呼ぼうとしているんでしょうかね?」
それに俺は手紙の内容を思い出し答えた。
「なんか、アルク帝曰く、ヨコタシュンスケたちの異能を魔法的観点から解析したいからってらしい」
その答えにイフは何とも言えない顔を浮かべ、
「なんというか、ですね…」
チート特典は魔法じゃないんだけどと顔に書く様に言った。
ごもっともだ。
そしてしばらくの静寂が来た瞬間。
「なんでそんな面白い事教えてくれなかったの!!」
謎の女性の声が周囲に広がり、俺達は身構える。
その瞬間、山の風景が歪んだ。
それはまるで水面に塗料を落として描いたものを一方向に風を吹かし歪ませるように風景が変わり、風景がはっきりしたころには山の風景のやの字もなく、ごみ屋敷を彷彿とさせるような本やら衣服やら、実験器具やらが散乱した、木の香りがする部屋に俺たちはいた。
「どういう…?」
イフが戸惑いながら呟くと、
「私が改良した転移魔法よ」
答えた女性の声がした方向に俺たちは一斉に振り向いた。
そこにはもうだらしないという言葉しか当てはまらないような服装に白衣を羽織っただけの超絶美女が椅子に座っていた。
「・・・あの、あなたが?」
俺はもしやと尋ねると、超絶美女はニヤと笑って、答える。
「ここにきたってことは私と会うのが目当てなんだろうから・・・。そうよ、私があなたたちが探していた魔女、一応、『世界最高位国際魔術師』って肩書がああるけど、実際は島一個もらって好き放題に魔法の研究をしてるだけの魔女のエルスティ・アーモよ。気軽にエルとか、エルお姉ちゃんって呼んでね♪」
なんとなく、やわらかな雰囲気の超絶美女改めエルスティさんはフランクな感じに自己紹介をした。
それに乗っ取って、俺達も自己紹介をし、本題に入る。
「あの、フィエナ帝国皇位アルク・フィエナ様が世界会議に出席なさる様にとお手紙を出したのですが、応答がないため、その催促にと使われた次第でございます」
下手な敬語を使いながら俺は片膝をつき跪いた。
俺のその光景に慌てて、イフとサワムラも真似をして片膝をついた。
それにエルスティさんは、
「いいよ、そんなのしなくて。もっと気軽にいこ?」
軽い様子でいうと、俺たちは顔を見合わせながら立ちあがると、
「んじゃ、椅子に座って、お話しよ」
彼女はそういうと俺たちを指さすように、人差し指、中指、薬指をひりずつに向け、すこし揺らすと俺たちの後ろに椅子が出現して、各々「失礼します」と口にしながら腰かけた。
どうやら、本当にすごい魔法近いらしい。
そう思いながら、とりあえず普通に会話をすることにしたのだった。
読んでいただきありがとうございます。
では、次回もお楽しみに!




