表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/76

第五十二話 一段落と振り返り

少しお色気?

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは悲しいことに異世界転生を果たし、様々な変化を迎えながら前に進むことを続けているのであった、まる。



 クエストは無事終了し、クエストの報酬は後日ギルドを経て、贈られることになった。

 そして、以前からの約束通り、報酬に加え、一日だけ露天風呂含め旅館を貸し切りにしてくれることになった。

 いろいろあってから、何も考えずに本当に羽を休める。

 そんな時間は今回が初めてだと思うと今まで忙しかったなと思い返してしまう。

 陽キャ集団Inした車に轢かれて、グラサンマッチョの陽気な服装のマッチョマン神に転生されて、チート能力てんこ盛りでも負けを味わい、バーズさんと出会って、弟子入り修行して、倒しべき者がわかったり、命ねらわれたり、ヴァンヴォリックを潰したり、そこから、相棒が攫われ、倒すべき者に一派の転生仲間と闘って、いろんなことがあった。

 一年は経たずとも、山あり谷ありの転生人生を送った。

 その中で武器だったイフも人間の因子を持って、サワムラという奴隷兼仲間兼荷物持ちが増えたり、助けてくれる人間がたくさん増えた。

 ありえない世界でありえたことを経験して、ありえない世界で生きている。

 その中で何をしたいのかも見つけ前へと進んだ。

 決していいことをしてきたつもりもないし、悪の道へ落ちて行ったわけでもない。

 ただ、ただただ、生きた。

 この世界で俺は生きていた。

 そう思う。

 イフとサワムラが窓の外、ベランダで大きな月を眺め談笑しているのを眺めながら、椅子に座り俺は思いふけった。

 こんな時間があるのも、こんな時間を過ごせるのも、こんな時間を感じられるのも、俺の選択と周囲の人間との出会いがあったからだ。

 エミリー・フリッツの自殺は何か響くものがまだ消えない。

 しこりが小さくなってもつっかえるのは治らなかった。

 そんな中、それでも立ち止まろうとは思わなかった。

 それはたぶん、目の前のものが教えてくれている。

 そう信じている。

 信じるしかない。

 俺は心の何かを感じながらため息っぽい何かをふぅと吐くと、窓の外から室内に戻ってきて、


 「温泉、行きましょう!」


 サワムラが俺に提案した。


 「ご主人様、いかがでしょうか」


 それに引き続き、イフも続く。

 どうせこの世界でも性別ごとに風呂場は分かれているだろうに…、なんて思いながらさそいを断る理由もなく、むしろそうしたほうが気分的には良いのだろうとも思い、


 「そうするかな」


 二人の提案に乗ることにした。



 予想通り脱衣所の入口からやはり男女に分かれていて、元居た世界と何ら変わらないノリで各々浴場へ足を踏み入れた。

 なんとなく元の世界と勝手が似ているという事もあって、脱衣所の中の勝手は何となくわかった。

 そして、浴場もそれと同じような感じなのだが、窓越しに映る露天風呂がやけに煙が多い。

 煙というか湯気なのだろうが、やけに黙々と立ち込めている。

 それは何というか、少しアレな漫画とかアニメで画すべきところを隠す謎の光兄貴とか、ピンポイントで濃度が濃くなる湯気みたいなレベルの湯気が立ち込めていた。

 俺はとりあえずその窓越の光景に驚きつつも体を洗い、一通りすますと、露天風呂へと足を進めた。

 『『ガチャリ』』

 露天風呂をあける音がどうしてか二つした気がして俺は思わず、おそらくの方向へ向くと、目の前には例え通り、ピンポイントを湯気で隠されたイフとサワムラの二人の姿があった。


 「…あの、吉田さん、ここって女性専用風呂っすよ」


 「いや、一応、俺、男風呂からここに来たんだけど…」


 俺とサワムラが状況に困惑して言葉を交わすと、その状況を総合して、


 「どうやら、露天風呂は混浴となっているようですね」


 イフが結論を指してくれた。

 俺とサワムラは顔を見合わせ、とりあえず、画すべきん部分を隠すためのタオルを取りに露天風呂を一旦、後にした。



 お互いにタオルを巻いた状態で露天風呂に戻って、両者見えて田舎の確認を取って湯船につかるころには一度、浴場のドアを開けたからか湯気があまり見えなくなっていた。

 本当に隠すための湯気だったような気がしてならないがそれは、まぁ、まぁね?


 「さっきは驚いたっすよー」


 ちゃぷ、と手を水面で遊ばせながらサワムラが一言。


 「わかる」


 俺も対面に浸かるサワムラに短く同館の意を示した。


 「私としてはご主人様に見てもらえることに光栄と感じる他なかったのですが」


 だが、イフは謎の感情からのトンデモ発言を口にしサワムラに巻かれたのだろうタオルの裾をつまんで不満そうに口を尖らせていた。


 「…俺はたまにイフの忠誠心が怖くなるよ」


 そんなイフに俺は感想を述べる他なかった。

 それにしても、本当に裸の付き合いという事はこのタイミングに魔物に襲われたりでもしたら、死ぬだろうななんてふと思い、俺は虚空を見ながら眉を寄せた。

 そんな俺に何か話題を出したほうが良いのかと感じのか、


 「突然ですが、以前私がご主人様に私の体型についてお話したのは覚えていますでしょうか?」


 「え、まぁ、覚えてるけど」


 イフは振ってくれたことに俺は答えると、


 「では、私の子供のような体と、サワムラの肉のノリが良い豊満な体どちらがご主人様の好みなのでしょうか?」


 純粋に興味深そうな表情でイフは爆弾以上の何かと類似した発言をぶっ放してくれた。


 「…ねぇ、これ答えなくていいよね」


 「だめです」


 俺の逃走発言に通せんぼ。

 【逃げれん】俺氏、従者の発言に完全拘束され、敗北してしまった【助けて】

 脳内会議のスレタイが決まった瞬間と化した。

 イフを選んでも、サワムラを選んでも、救いはない。

 確かに、サワムラのたわわとした双丘は魅力的でもあるが、それを避けようとイフを選ぶとロリコン確定となってしまう。

 逃げ道なし、選択肢のみ。

 人生の様なものだが、こうも板挟みになると選択をしたくもなくなる。

 性癖暴露大会にしたくもなく、俺は考えて考えて、


 ブクブクブクブク…。


 のぼせて気が付けば溺れていた。


 「「わーっ、吉田さん!」ご主人様!」


 二人は慌てて、俺を救助したのだった。

読んでいただきありがとうございます。

では、次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ