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第四話 無一文から脱出するために

勢いです。

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは絵面が強い神様にチート能力特典を添付され異世界転生させられ、さらにチートアイテムとしてもらって剣が美少女になっていて、それでなお、始まりの街にたどり着いていなかったため、美少女と共に歩き始めたのでした、まる。



 魔剣イフリートとただ広いだけの草原を歩き、気付けば夜になった。

 今日は野宿になりそうだ。そう思った時、地平線のちょっと手前に光を見つける。

 その光は電気由来ではなく、火由来のモノらしく、そんなに明るくない。

 だが、火があるという事は人がいるという事になる。

 俺は何も言わずにイフリートと顔を合わせ頷くとそこへと最後に気力で向かうことにした。

 そして、歩くこと二時間ちょっとで大きな塀が目の前に立ち塞がった。

 言わずもがなこの塀は人工物だ。

 という事は最低でも人が住んでいる区域がこの塀の中にあるという事になる。

 最悪、野宿になったとしても、身の安全はある程度、保証されるかもしれない。

 となれば、入る以外の他はない。

 俺とイフリートは塀の出入り口を探すべく、周囲を歩くと程なくして、大きな木製の門と恐らくそこを守る守衛らしき鎧を着た人影が二人。

 とりあえず、俺はソレを見て対策として、イフリートに指示を飛ばすことにした。

 

 「イフリート、恐らくだけど、あそこを通るために検問に掛かるから、取り敢えず、旅人だって答えてくれないか?あと、イフって名前聞かれたら、答えてくれ」


 「わかりました。ですが、どうして私はそう名乗らなければならないのですか?」


 「この世界かどうかわからないにしても、元々は悪魔なんだろ?もしイフリートな名前が悪い奴として通ってるなら、その名を冠してるのはヤバいだろう」


 「なるほど、わかりました」


 ステータス:イフリートはイフと呼称されるようになった!

 なんてゲームチックなことを思いながら、普通に門の前に立つと、


 「こんばんわ、すみません、旅人なのですが」


 と、至って何の背景もないただの旅人を装うべくありきたりな挨拶を守衛にするからはじめることにした。

 そしてその瞬間俺はミスに気付く。

 この世界の言語って、日本語通じるの?

 それに、日本語ってこの世界にあるの?

 そう、そのミスは言語だった。

 言語の壁の有無の確認ができてなかったことだった。

 これ、死んだのではないだろうか。

 そう思った瞬間、守衛が口を開いた。


 「あ、旅人の方ですか。この先はビスタリア大陸の中心、王都ビスタリアですので宿は少し高めですが、よろしいのですか?」


 その口から発されたのはに日本語だった。

 そして、やけにRPGのNPCみたいなこと言うな。

 めっちゃ親切やん。


 「一応、今日は安全な場所で寝れればいいので、大丈夫ですよ」


 俺は親切な守衛に返す。


 「では、安全のために検査を行いますのでよろしいでしょうか?」


 接客業でもしかしたらいい線いけるんじゃないかと思うような丁寧な接客で聞かれたその質問に俺は、


 「はい、お願いいします」


 二つ返事で返した。




 検査は持ち物検査、身体検査、どうして入国もとい、入都したいのかの動機理由だけで終わった。

 簡単な検問でよかったと思いつつ、始まりの街として辿り着いた王都ビスタリアの中に入って思ったことは中世の街並みにとても似ている、と言うものだった。

 さらに街をとりあえず観察しながら、寝れるような場所を探していて、思ったことがさらに増える。

 まずはすべて、音声、文字両方とも日本語になっている事。

 次に知らない記号が何個かある事。

 最後に馬車程度しか文明が発展していない事。

 大まかにこの三つだった。

 細かく言えば日本語であっても知らない名前のモノがいくつかあるなど、そういってしまえばキリがない。

 そんな風景の中、大きな広場のような場所を見つけそこに置かれた二つのベンチを見つける。


 「イフ、ここでいい?」


 俺はイフリートにそのベンチを指さしながら聞くと、


 「私たち、一文無しですもんね…」


 意見を一つ。

 これは意見というよりは毒よりの言葉だった。

 まぁ、ごもっともではある。


 「明日は仕事を探すか」


 「はい」


 俺が明日の予定を口にすると、イフリート改め、イフは返事をし、一人一つのベンチを使い、その場で寝ることにした。



 次の日の朝、俺とイフは街の市場のような場所に足を運び、仕事の募集用紙を探していた。

 だが、この世界の経済は日本の園とは別の通貨で回っていた。

 『ルーカス』、これがこの世界の通貨だった。

 そして、この世界は、というか少なくとも、ここビスタリアはかなり、物価が安いように思える。

 リンゴのような、食べモノの値段が150ルーカスであり、高そうな武器屋の鎧一式のセット販売価格が4200ルーカスとなっている。

 ここから推察できるのは鉄の素材費用が安いであろうという事だ。

 それこそ、経済に詳しいわけでもないし物価がどうだとかは全く分からない。

 だが、市場は人にあふれており、様々な人間が所狭しと買い物をしており、ボロボロの服、古い服やシンプルな服、その逆もしかり、綺麗な服、新しい服や豪勢な服など様々な服装の人間が通貨と商品を交換している。

 それが根拠だった。

 服装はある程度の状態であれば、貧富の差が見て取れる。

 服が綺麗かつ新しく、豪勢であれば割と潤っていると推察でき、ボロくかつ年季があり、シンプルな服であればそれほど潤ってはいないと推測できる。

 実際推察は推察、予想に過ぎないため、それが一概にも正しいとは言い切れないが少なくともある程度は当てはめることができる。

 そこから物価を見て、推測したのが俺の物価がすくなくてもこの町は安い説だった。

 だが、そんな推測が出来たとしても、問題は残るばかり。

 そう仕事が見つからないのだった。

 一応、宿屋を見つけ一泊の費用を見たが、500ルーカスとなっており、現所持金たまたまポケットに入っていた120円という金属の塊のみで完全無一文。

 どうしようもないのが現状だった。

 絶賛路頭に迷い中のそんあ時、ふと、看板が目に入る。

 『冒険者募集!ギルド加入しませんか?』

 看板にはそう書いてあり、俺とイフは顔を合わせ、早歩きでそこに向かうのであった。

読んでいただきありがとうございます。

次回も勢いです。


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