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第四十八話 姿は蝶へとなるために

長めです。

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは悲しいことに異世界転生を果たし、何でも屋ヴァンヴォリックと共に世界の敵となっているヨコタシュンスケの一味の一人、エミリー・フリッツを打倒することを決意したその矢先、イフが攫われ、サワムラハルコが重傷を負ってしまい、近衛騎士団から取り調べやらを受けたのち、バーズさんと再会を果たし、ヴァンヴォリック、国王直属騎士団、俺の三つ個人と勢力で協力しエミリー・フリッツを倒そうという提案を受け、ヴァンヴォリック、国王直属騎士団、俺の三勢力の協定がむすばれ、その最中、エミリー・フリッツの居場所が判明し、三勢力の共同戦線をもって、エミリー・フリッツ討伐作戦が始まり、過去に街であった少女がエミリー・フリッツであった事とイフがエミリー・フリッツの手によって心まで操られ敵となって再会した事の二つに驚きながらも戦いが始まり、イフを俺とバーズさんとアーノルド・ヴィン・ラハールを中心に構成圧された部隊で倉庫内に、エミリーを鬼町きまち兼弘かねひろとを中心に構成された部隊で倉庫外に隔離することが成功し、それぞれが相手専用に練った作戦に嵌めることに成功し、俺はイフの意識に入り込み精神的な操作を断ち切るべくイフの意識へと飛び込んだのだが、一方、エミリー・フリッツと交戦しているヤーヴェンさんとヨハンの策を逆手に取り、ヤーヴェンさんはエミリー・フリッツの一撃を食らってしまう、そして、イフの精神世界に入った俺は黒い繭を見つけ、自分の影と闘い、己の弱さと向き合い、意志を新たに固め、さらに影から勝利を奪い、黒い繭からイフを回収し、イフとの交戦は最終段階へと進むことができ、その一方、ヤーヴェンさんとヨハンと交代するように鬼町がエミリーと交戦を始め、鬼町は上に立つものとして教示を見せつけるようにエミリーにチェックメイト告げた、そんな好機の中、エミリーが仕組んでいた罠により、倉庫内にクラスタベアの地軍が流れ込み、イフ対応組とクラスタベア、イフと俺に分断された挙句、イフの攻撃により、俺とイフはエミリーの元に吹き飛ばされてしまう、ヤーヴェンさんとヨハンと鬼町と俺対イフとエミリーという構図の中、イフの操作を解除する手立てとして、俺の体をエミリーに遇えて触れされ、『何でも使い方が解っちゃう超絶感覚』で使用法、解除法を調べるという荒業の作戦を俺は考え付き、即座に実行に移した、俺は策戦として、エミリーの説得をするもエミリーの反撃でヤーヴェンさんとヨハンと鬼町に再参加が難しい距離まで吹き飛ばされつつも、イフに有効打を与え、抑え込むまでを成功させた、まる。



 俺は問いをさらに繰り返した。


 「お前、なんで戦っているんだ?」


 有効打を受けてなお、暴れるイフを抑えながら、エミリー・フリッツに言った。

 彼女は苦虫を噛んだような表情を浮かべ、頭を左右に振るう。


 「仲間が見せてくれたんだ!お前を生かすと世界が争いに満ちるんだ!だからっ!」


 さけぶように彼女は俺に応え、イフを指さし、


 「【あなたは強者、主の首を立つ剣】っ!!【絶てよ、あなたの主を】っ!」


 命じた。

 命じた瞬間、イフの片手は魔剣イフリートの刀身へと変わり、俺の右肩をめがけ、振るわれた。

 ブオン!

 気味の良い音を立て振りぬかれた斬撃は俺の右腕を肩からバッサリと切り裂かれた。

 バアルの硬度を貫通し、切り裂くイフリートの鋭さには感心させられる。

 度を通り越した痛覚は脳がショック死をま逃れるためシャットアウトするらしく、痛みはなかった。

 ただ重たく、どさりと地面に落ちた右腕と体を襲う右腕分の喪失感と軽くなった感覚。

 血は落ちた右腕から噴き出てはいるがまだ活きている身体はバアルが発光による熱で止血したらしく、激痛にも似た熱さが体をさらに襲った。


 「ぐぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 あまりの痛さに叫んだ。

 単純な熱さは痛覚になり得た。


 「あああああああああああああああああああああああああああ!!」


 絶叫。

 のたうち回った。

 声が枯れても、叫んでのたうち回る。

 だが、ほんの少しだけどうしてかできた思考の隙間で俺は左手を思いっきり噛んだ。

 バアルで守られているため、痛みや傷は左手にはできなかったが、歯が折れた。

 何本か俺、何本かが欠けた。

 証拠にかんでいる途中、白いものが飛び散り、血がバアル俺の口の隙間から流れているのだ。

 俺はそれらを感じても痛みをこらえ、イフを見た。


 「すみません…ッ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」


 涙を流し、今にも押しつぶされそうな声で首うを横に振りながら謝っていた。

 だが、その足は俺の元にゆっくりと歩んでいて、イフリートに変わっている、手はそのままで、何時でも俺の身体を切れるように構えをとり続けていた。

 そして、俺はようやく激痛を乗り越え、大きく息を吐いて、言った。


 「謝んな、イフは悪くない。だから、これからすることを許してくれ」


 それだけ口にすると、俺はバアルを全開にし、走り出した。

 目標ははイフ。

 作戦はあった。

 そのためにはイフに近づかなくてはいけない。

 走って、走った。

 イフは変形させていない手を振り、俺の進路を塞ぐように爆炎を振り撒く。

 火炎に巻かれながらも、突き進む。

 感覚はもうない。

 ただ走るだけだ。

 そしてイフの元へ辿り着き…。

 腹部に嫌な感覚が走った。

 冷たく縦長く、薄いものがあるような感覚。

 俺は腹部を見ると、イフの変化している腕が刺さっていた。

 口から血があふれ、みるみる視界が暗くなり、真っ暗になった。

 体が動かない。

 やけに鼓動が強く感じるが少しづつ、一回の拍動ごとに弱くなっている。

 そして、速度も、比例するように遅くなって行き、何も聞こえなくなった瞬間。

 ぷっつりと何もかもが途切れた。


 わけではなかった。

 まだ終われるか。

 そんなちっぽけな思いが俺の感覚を引き戻した。

 作戦は失敗になっているが、まだやるべき言ことがある。

 再び目を開けイフの顔を見ると、耐えきれなかったイフは涙を流し、


 「ご主人、さ、まぁ…」


 俺のことを呼んでいた。

 呼び声にはこたえるのが通り。

 ましてや必要と叫ぶ者ならなおさら。

 悲しませないために、俺は力を振り絞ってイフを抱き寄せた。

 激痛はすでに感覚を超え感じず、冷たい何かが体を深く通り抜ける感覚を感じながらも俺は精一杯抱きしめ、言った。


 「言ったろ、俺を傷つけても悲しむな、耐えろって」


 その言葉にイフは何か言い返そうとしたがそんなの聞きたくもなかった。

 今から勝つんだ。

 だからどうすればいいか、なぜかわかった。

 だから、口止めついでに実行した。

 それは簡単な話、キス。

 接吻を交わすその程度のことだった。

 瞬間だけ交わされた唇を離し、俺とイフは見つめあって、笑いあった。

 その瞬間、イフの背中から銀色の糸が幾億とあらわれ、俺とイフを包むと巨大な繭を形成した。

読んでいただきありがとうございます。

では、次回もお楽しみに!

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