第四十四話 人の上に立つ者の矜持
今回はメッチャ短い
俺こと吉田英斗は悲しいことに異世界転生を果たし、何でも屋ヴァンヴォリックと共に世界の敵となっているヨコタシュンスケの一味の一人、エミリー・フリッツを打倒することを決意したその矢先、イフが攫われ、サワムラハルコが重傷を負ってしまい、近衛騎士団から取り調べやらを受けたのち、バーズさんと再会を果たし、ヴァンヴォリック、国王直属騎士団、俺の三つ個人と勢力で協力しエミリー・フリッツを倒そうという提案を受け、ヴァンヴォリック、国王直属騎士団、俺の三勢力の協定がむすばれ、その最中、エミリー・フリッツの居場所が判明し、三勢力の共同戦線をもって、エミリー・フリッツ討伐作戦が始まり、過去に街であった少女がエミリー・フリッツであった事とイフがエミリー・フリッツの手によって心まで操られ敵となって再会した事の二つに驚きながらも戦いが始まり、イフを俺とバーズさんとアーノルド・ヴィン・ラハールを中心に構成圧された部隊で倉庫内に、エミリーを鬼町兼弘とを中心に構成された部隊で倉庫外に隔離することが成功し、それぞれが相手専用に練った作戦に嵌めることに成功し、俺はイフの意識に入り込み精神的な操作を断ち切るべくイフの意識へと飛び込んだのだが、一方、エミリー・フリッツと交戦しているヤーヴェンさんとヨハンの策を逆手に取り、ヤーヴェンさんはエミリー・フリッツの一撃を食らってしまう、そして、イフの精神世界に入った俺は黒い繭を見つけ、自分の影と闘い、己の弱さと向き合い、意志を新たに固め、さらに影から勝利を奪い、黒い繭からイフを回収し、イフとの交戦は最終段階へと進むことができ、その一方、ヤーヴェンさんとヨハンと交代するように鬼町がエミリーと交戦を始めたのだった、まる。
刃で撫でるただそれだけの斬撃はエミリーを恐怖に陥れる。
恐怖的な支配。
それがこのリングで行われている事象だった。
それだけの攻撃が事象として扱わなければならないその理由はたった一つ。
異常と呼ばれるほどどの精度で行われる攻撃だ。
絶対に致命傷は与えない。
絶対に急所は与えない。
だが、流血はさせる。
だが、痛みが大きい場所を切る。
歴戦のやり方。
その表現が最も似合うやり方。
陰湿ではあるが、相手の繊維だけを削ぐには最も効果的な方法。
それはまるで精神だけを刈り取る嵐のようで、それが事象として成り立った。
鬼町は一度足を止め、その瞬間にエミリーは攻撃を止め、箱を落とした。
エミリーは恐怖し、困惑しているのを確認した鬼町は何事も無いようにのんびりと歩いて、近づき、エミリーが落とした箱を魔法で消し積みにならないほど燃やし、ショウシツさせ、エミリーの直ぐ目の前、に立ち、鬼町は振り返りエミリーに背を向けた。
背を向け、また来た道を歩くと十秒ほど後、エミリーの腹部から鮮血が流れた。
振り返りざまに気付くか気づかぬかそんな偶然のあるなし程度でしか見ることができないほどの神速の閃光をエミリーの腹部、横一文字に鮮やかに切り抜けていた。
そして、少し歩きエミリーが膝をついた音が聞こえたタイミングで鬼町は言った。
「悪いな、奥の手があるなら今のうちに出しとけ。ちなみにうわさで聞いた声については無駄だ。大声出すもんなら、腹の出血がデカくなって失血死っつー死に方になる。死ぬなら吐くことはいて死んでくれ」
最高の罵倒だった。
そして、思う。
この程度、出来ないと部下は守れない。
部下が出来ないのなら上が悪いのだ。
上司、首領、そういう上がやらないといけない。
そこに命のやり取りがある組織なら、尚更だ。
首領がやらないと誰がやる。
俺が出来てないと、だれの例を目指して、下がうごくんだ。
敵には悪いが一瞬でやらせてもらうほかなかった。
恐怖的な圧勝を飾り、指針として残す。
それが上に立つ者の矜持だ。
「…お前はこのリングから出たとしても俺には勝てん」
そう言い捨てると、フィンガー・スナップをするとリングが光の粒子となり消失した。
読んでいただきありがとうございます。
では、次回もお楽しみに!




