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第四十一話 砂漠

格闘技が好きな人しかわからないネタがここから一定区間までどんどん出てきます。

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは悲しいことに異世界転生を果たし、何でも屋ヴァンヴォリックと共に世界の敵となっているヨコタシュンスケの一味の一人、エミリー・フリッツを打倒することを決意したその矢先、イフが攫われ、サワムラハルコが重傷を負ってしまい、近衛騎士団から取り調べやらを受けたのち、バーズさんと再会を果たし、ヴァンヴォリック、国王直属騎士団、俺の三つ個人と勢力で協力しエミリー・フリッツを倒そうという提案を受け、ヴァンヴォリック、国王直属騎士団、俺の三勢力の協定がむすばれ、その最中、エミリー・フリッツの居場所が判明し、三勢力の共同戦線をもって、エミリー・フリッツ討伐作戦が始まり、過去に街であった少女がエミリー・フリッツであった事とイフがエミリー・フリッツの手によって心まで操られ敵となって再会した事の二つに驚きながらも戦いが始まり、イフを俺とバーズさんとアーノルド・ヴィン・ラハールを中心に構成圧された部隊で倉庫内に、エミリーを鬼町きまち兼弘かねひろとを中心に構成された部隊で倉庫外に隔離することが成功し、それぞれが相手専用に練った作戦に嵌めることに成功し、俺はイフの意識に入り込み精神的な操作を断ち切るべくイフの意識へと飛び込んだのだが、一方、エミリー・フリッツと交戦しているヤーヴェンさんとヨハンの策を逆手に取り、ヤーヴェンさんはエミリー・フリッツの一撃を食らってしまうのだった、まる。



 倉庫内、イフ交戦組。

 イフの意識の飛び込んだ俺は足が何か、地面の様なものについた感覚に眼を覚ます。

 視界に映ったのは広大に広がった砂漠だった。

 赤さびの様な久住を持った赤茶色の空に真っ赤な砂。

 常に吹き荒れている高温の風。

 砂塵は常に舞い、その光景はさながら地吹雪。

 精神世界にいる為か、熱風の暑さや砂塵が目に入ると言うものはないが、視界が狭い、風で歩き難い、その二点は現実世界さながらの状況だった。

 俺はイフの精神世界で何かに導かれるように思考もなく歩き始め、五分ほど歩いたところで、あるモノを見つけた。

 それは墨よりも黒い繭だった。

 光が吸収され過ぎていて、むしろ構成している糸が解るほどのどす黒い繭。

 形こそは蚕のそれなのだが、デカさも特筆すべき点として上がる。

 おおよそ、高さだけで二メートルほど。

 直径は一メートル五十センチくらいだろうか。

 そんな繭が目の前に現れた。

 俺はその繭に触れた瞬間、触れている手の平から電流が走る様に声が伝わった。


 『…いやだ』


 その声はイフのモノだ。

 どうしてそんなことが起こったのかは、わからなかったが、ただ繭の中にイフがいて、そこから助け出さなきゃいけないという事だけは分かった。

 だから、俺はバアルを換装し、繭に正拳を塗り込むように打ち付けた。

 攻撃の感覚こそはゆっくりだったが、一撃一撃は砲弾よりも重く爆力があるy物と自負している。

 だが、繭が硬い。

 まるで鉄板を素手で殴りつけるかのような感覚。

 それに悔しさを覚えながら、バアルの出力と拳速を上げて行く。

 そして、ようやく、線維が破れる、ぶちぶち、という音がまゆからなった瞬間、俺の右側から何かとんでもない速度で飛んできていることに気付き、俺は後ろへ避けるように飛んだ。

 飛んで地面に足をつく直前、それなりの大きさの影が俺がいたところで急停止し、衝撃波がその場で生まれる。

 恐らく無知と同じように、空気に打ち付けられるように急停止したその影に圧迫された空気が波となって生じたモノなのだろう。

 何者?

 いや、まず何だ?

 そう思い、砂塵の先にいる影に目を凝らすと、それが何なのかわかった。

 それは真っ黒な俺だった。

 それこそ今いる俺の影がそのまま俺と切り離され独立しているような、そんなやつが俺の目の前にいた。

 そして直感的にその影がエミリーが俺がもし精神世界に行き、イフを助け出そうとした場合、それを成功させないようにするいわば、守り人の様なものなのだと。

 なるほど、俺は感じたモノに納得し、構えた。

 それは徒手空拳にて、最も無難として取り扱われる、半身。

 一般で言うボクシングの構え、ファイティングポーズ。

 顎と鳩尾の最低限をすぐ手で隠せるように挙げられた両手、打面積を最小にすべく、身を相手に対し斜めに構える半身、そして、クッションとスプリングを成すために若干曲げられた膝。

 人間が戦うという上で、近代で最も簡単にママえることができる構えを俺は無意識的にした。

 俺の影、いや、まるで、俺のことを鏡のようにマネをしてるとこから見れば、翳と言ったところだろうか。

 翳は俺と同じ構えをし、スゥっと腰を落とし、構える。

 翳がほんの少し後ろに出ている足をさらに後方へ動かしたのを見て、熟知する自らの癖を思い出し、もしやと俺は予見し、予想し、対策のために目を張った。

 そして、翳が動いた。ほんの少しの踏み出しと共に上段回し蹴りが放たれる。

 だが、俺の予想が当たっていた。

 上段蹴りをするときに後ろ足をさらに下げ加速するための路を造ろうとする癖が俺にはある。

 だから、俺は翳に一歩ほど近寄り、太もも辺りを腕で止めるように宛て、最低限のダメージで押さえ、抑えた手をそのままジャブの要領で影の胴に打ち込んだ。

 翳は腹を抑え、下がり、俺も深入りをしないよう一度下がった。

 そして、また、お互い構え、見つめ合う。

 どうやら、目の前の翳をどうにかしないと先に進むことも許してくれないらしい。

 だから俺は、声を発するかもわからない翳に言った。


 「癖も真似てんのなら俺には勝てねぇよ」

 

読んでいただきありがとうございます。

次回、主人公対翳!!!

では、次回もお楽しみに!

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