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三十七話 戦いはいつだって決めた時から始まっている

頭をほんの少し使ったゴリラみたいな戦法が好きなんです。

Aの特攻野郎たちが好きなんです。

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは悲しいことに異世界転生を果たし、何でも屋ヴァンヴォリックと共に世界の敵となっているヨコタシュンスケの一味の一人、エミリー・フリッツを打倒することを決意したその矢先、イフが攫われ、サワムラハルコが重傷を負ってしまい、近衛騎士団から取り調べやらを受けたのち、バーズさんと再会を果たし、ヴァンヴォリック、国王直属騎士団、俺の三つ個人と勢力で協力しエミリー・フリッツを倒そうという提案を受け、ヴァンヴォリック、国王直属騎士団、俺の三勢力の協定がむすばれたのだった、まる。



 今日の正午、例の場所でバーズさんと集まるまえにサワムラの見舞いに病院に足を運んでいた。

 病室に入ると、サワムラは目覚めていた。

 看護師に訊くとサワムラは昨日の晩に目を覚ましたという。

 そして、本日の夕方辺りから、国王直属騎士団からの事情聴取を受けるという事になっているという事も訊き、俺はあえて、事件の話はしないでおこうと決めていたのだが。



 「すいませんッ!イフさんを助けることができなかった上に、こんなザマで、足手まといになってしまいました!」


 開口一番に謝罪だった。

 それほど悔しかったのだろう、その目には涙が浮かんでいた。

 俺はサワムラの肩をつかみ、言った。


 「いいんだ。なってしまったのはどうしようもない。騎士団からの事情聴取で正直に話した後、俺にもあの時に何があったのか話してくれ。それが今のアンタに出来ることだ」


 それにサワムラは泣いた。

 少なくとも、その姿を見て、敵として俺たちの前に現れた彼女は見当たらなかった。



 正午。

 俺と鬼町きまち兼弘かねひろとヨハン・ラウドとアーノルド・ヴィン・ラハールのヴァンヴォリックのメンバー、バーズさんと副団長であるバウナフル・ヤーヴェンさんの国王直属騎士団の計六人が例の店に集まった。

 改めての自己紹介をすまし、バーズさんは中心となり、鬼町からヴァンヴォリックの現状動くことができる人員名簿と国王直属騎士団の名簿を見ながら、


 「うむ、今回は総力戦として我々は闘うつもりだ。ヴァンヴォリック側もこの名簿に書かれている者は自由に使っていい人材として寄せてくれている。頭数は問題はないな」


 頷いて、言う。

 それにヨハンは、


 「ですが、バーズ様、頭数は足りていても、エミリー・フリッツの居場所が突き止めていないのでは?」


 丁寧に根本的なことを訊くと、バーズさんは不敵に笑って一枚の報告書を出した。

 そこには『エミリー・フリッツの足取りについて』と書かれており、そこにはヴァンヴォリックとの話し合いでは解らず仕舞いだった今までの動向と王都に来てからの目撃情報と交戦した場所から割り出した行動範囲が記されていた。

 それを見て、手紙に書いてあった通り、王都北端の製鉄所の倉庫群あたりにその行動範囲の円中心があった。

それに気づき俺はバーズさんの方に顔を向けるとバーズさんは俺の視線に頷いて続けた。


 「エイトには話しているが、彼の自宅でエミリー・フリッツの名が書かれた置手紙が発見されている。そこには、『王都ビスタリア北端の製鉄所の八番倉庫で待つ。イフリートには手は出していない。ヨシダエイトだけで来い』と書かれていた。最初は取引場所としての指定と思っていたが、どうやら、奴の拠点に来いというものだったらしい。その裏図家として行動範囲の円に指定場所付近が存在している」


 押して、全体に俺にだけ教えてくれていた情報を開示し、共有した。

 それにヴァンヴォリック連中は頷き、鬼町は訊く。


 「どこにいるかは分かった。だが、指定があるんだ、どう対応する?」


 その質問にバーズさんはヤーヴェンさんの肩を叩き、ヤーヴェンさんが代わりにと話し始めた。


 「もちろん、最初はエイトさんのみで突入していただくつもりです。ですが、丸腰で行かせるわけではございません。エイトさんには魔法の効果が掛かった特殊な機材を持たせます。その機材には一定人数を機材の元に転位させる魔法が掛かっているのでエイトさんがエミリー・フリッツの拠点である程度交渉したのち、その機材を用いて、第一部隊を転送し、交戦開始です。大智部隊が転送後、第一部隊の数名にエイトさんに持たせる機材を持たせておき、さらに第二、第三と部隊を用意し、製鉄所の倉庫群を中心の戦場として戦闘を行います。ありがたいことに製鉄所自体は動いていますが倉庫群はほとんど使われていない上に、周囲に民家は存在しません。簡単かつ、短期決戦を目標にした作戦となっています」


 一息でよく喋れるなと思う、長文を読み上げて、鬼町はそれに「ほう」と短くうなずいた。

 だが、やはり。

 手紙の話をバーズさんが言い始めたあたりから、俺が鉄砲玉二なるのではないかと予感していた。

 そして、予感していたのが的中した。

 どうやら俺は中心から抜けてはいないようだった。

 だがそれは織り込み済みだ。

 だから、俺は訊く。


 「俺はどんな交渉をすれば?」


 それにヤーヴェンさんは答える。


 「それはですね、――――――」


 そして、そこからさまざまなことを訊き、作戦の不備が無いように固めていった。



 初めての話し合いから三日後を迎えた今日、作戦は完成を迎え、五日後に決行となった。

 昨日あたりから、我が家も解放され、中身はある程度纏められ、清掃も済まされて、何もなかったことにしたような綺麗さな我が家になっていた。

 そんな我が家の自室のベッドに仰向けで寝ころがり身体を預け、思う。

 絶対に助けてやるのだと。

読んでいただきありがとうございます。

次回、エミリー・フリッツ戦、開幕!

では、次回もお楽しみに!

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