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第二十五話 憂さ晴らし

ヴァンヴォリック編終わりです。

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは悲しいことに異世界転生を果たし、暗殺目的の女に命を狙われてしまったのだが魔剣イフリートことイフに謎の拷問を受け、俺たちに寝返り、彼女が所属する何でも屋ヴァンヴォリックを潰しに本拠地に足を運び、ボスのいる部屋にたどり着き、とある協定を結びつつも仕返しをすべくく一触即発の状態になるのであった、まる。



 鬼町きまちは俺の前に立ちはだかり、腰を落とし、懐から小太刀を取り出し、半身だけ抜き、構えた。

 知識からどうやら、居合の構えだと予測し、剣を片手で持ち、軽く構え、即座に反応できるようにする。

 どちらかが一歩踏み出せば、直ぐに始まる。

 それだけが空気にこの場のルールとして刻まれるか如く、お互いの間に緊張感が流れた。

 そして、しばらくの読み合いののち、先に動いたのは俺だった。

 バアルを全開にし、姿をとらえられないほどの速度で室内中を走り回る。

 その速さは壁を、天井を自由に走り抜けるほどの速度で、三次元的に移動を実現させていた。

 そして、鬼町の直上からメイスの打撃を当てるべく一筋の閃光と化した一撃を振りぬく。

 バチィィン!!

 その一撃は床を抉りぬくだけで、鬼町には当たらず、振りぬいた軌道の真横にきまちは構えていて、彼のい一線が今度は飛んできた。

 確死の一閃。

 小太刀の刀身が輝いて見えたのに、恐怖心を覚え、からを蹴り、空中を高速移動することにより、上方へ退くことによって避けた。

 そして、その勢いのまま、睨み合っていた時に立っていた位置に着地し、振り出しに戻った。

 それにしても、今の反応はなんだ?

 その疑問に鬼町は察したように答えた。


 「…気配を読む能力、それと想像した動きを物理的に可能であれば実現できる能力、その二つだ」


 能力の名前だけで、大体が分かった。

 気配というのは気の動きだと、過去にバーズさんは言っていた。

 気を読む、気配を読み取る能力が尖ると攻撃してくる位置を予測できる、と。

 そして、読めれば防御を想像できる。

 能力をかけ合わせることによって生まれたカウンター。

 恐ろしいものだ。

 そして、思い出す。

 提案を持ち掛ける前の質問で、なぜ、俺が誰も殺さずに部屋までたどり着くことができたのを知っていたのか。

 その答えは能力で説明できる。

 生きている者の気配を数えていれば、一瞬でわかる。

 それで納得がいく。

 だがどうやって攻略をすべきか。

 ドーゴンや動体反射野郎改めて、アーノルドと同じようにイフで一撃を与えるか。

 だが、ヴァンヴォリックの人員の気配を把握していた男が相手だ、俺自身も感じることができるイフの気配を読めるとすれば、詰みになってしまう。

 どうすべきか、考える。

 そして、一つの結論に至った。


 「…二刀流で行くか」


 それはバーズさんから奥の手で教わったものだった。

 バアルの高速移動を生かし、バアルの力の補強を利用し一撃の攻撃力を底上げできる、すべてバアル頼りで成り立つ戦法だった。

 俺は高速で移動しながら、もう一つの武器になりそうなものを探す。

 そして、見つける。

 何に使うかわからない、柄が五十センチほどある木槌を。

 俺はすぐに木槌を拾うとメイスで一撃。

 予想通り、攻撃は受け止められる、という訳ではなかった。

 いなされ、ダメもとで振るった木槌は切られ、手元には二十センチほどの絵だけが残った。


 「ちょっとは考えられるようだが、攻撃そのものが一つの気配だからな、読めるぞ」


 ニヤリと鬼町は笑い、一閃を胴に叩き込んだ。

 バアルが保護してくれているお陰で斬撃として入らなかったが、打撃として俺の身体にダメージを残した。


 「うっぶっ…」


 吐き襲うになりながらも、込み上げるモノを呑み込み、深く息をはくと構え直し、考える。

 考えて、考えて、思い付いた。

 高速移動中は恐らく、彼の身体の物理的に可能な範囲を超える速度だから、いどうっゆうをおそったり反応したりすることができないのではないか、と。

 その理由として、先程、五秒ほどの移動という大きな隙があるのに対し、攻撃することが無かったのだ、なら、それを利用すればいい。

 気配のない攻撃をすればいいのだと。

 俺は超高速移動をし、イフリートを通る場所の所々に打ち込み、鬼町に砂をかけるかのように瓦礫を飛ばす。

 だが、その攻撃は無雑作で、当たるのは瓦礫だけ。

 意思の無い、数を撃てば当たる戦法の乱打に鬼町は気配の能力を封じられる。

 それでいいのだ。

 俺は超高速移動でそれを続け、ほぼ同時に全方向から瓦礫が飛ぶようにまで荒らし続ける。

 そして、目標のレベルで瓦礫を飛ばせていることを確認すると、瓦礫ともに、イフリートを一振り。

 その攻撃は瓦礫をいなし、粉砕することに思考を割いている鬼町にクリティカルヒットし、鬼町を吹っ飛ばした。

 声も上げず、吹っ飛んだ鬼町は壁に大きなクレータの様なへこみを残し、倒れた。

 俺は高速移動を続けたため、息絶え絶えになりながらも、鬼町の前に立ち、手を差し伸べた。

 鬼町はすぐに立ち上がろうとし、俺の手を借り、立ち上がった。

 それで、すべては終わった。

 俺の安眠は取り戻された。



 その後、サワムラというと、ヴァンヴォリックの下っ端にボコボコにされていたのを発見し、救出した。

読んでいただきありがとうございます。

ヴァンヴォリック編終了です!

ですが、まだ大きな部分けでは序奏ですので、サビまでノリと勢いでさらに加速していきます。

では、次回もお楽しみに!

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