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第二十一話 そして、この御方はバーサーカー

ギャグの気分で書いた普通の回です。

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは悲しいことに異世界転生を果たし、暗殺目的の女に命を狙われてしまったのだが魔剣イフリートことイフに謎の拷問の餌食となってしまったのだった、まる。



 暗殺者アサシン捕獲から三日過ぎ、八度の拷問を繰り返し、俺を殺そうとした転生経験済みの少女、サワムラハルコは彼女が所属していた何でも屋、『ヴァンヴォリック』を裏切り、俺に寝返ることを宣言した。

 この事実は俺の許可や認知がないうちにした宣言であり、すべてイフの判断で下されていた。

 要はサワムラが仲間になったと事後報告で聞いた。

 正直な話、自分を殺そうとした奴とは一緒にはいたくないのだが、イフ曰く、俺たちを一瞬でも裏切る行為又は裏切ったと思われる行為を見せた瞬間に殺害するらしい。

 非常にブラッディな首枷だ。

 だが、とりあえずサワムラが俺たちに付くのはありがたかった。

 その理由として、最近、俺に突然襲い掛かって来た男を二人をしばき倒したところ、その男がヴァンヴォリックの一員だという事が判明し、追手が俺に次々と伸びていることを意識させられた。

 このまま、追手をしばき続ける毎日は嫌になる。

 その考えから、俺とイフは近いうちにヴァンヴォリックの本拠地を叩いて、そこのボスをしばき倒そうという結論に達した。

 だから、サワムラが味方に付いてくれるのはありがたい話だった。

 と言う訳で、サワムラ自身の戦闘力を見ようという事で大量討伐系のクエストを受け、本日、森にいる。

 討伐対象はアリ型の魔物『アヴトン』。

 体長は二メートルで集団で行動する雑食の魔物らしい。

 口から強力な酸を吐き出すため、鎧が解け使えなくなることもあるらしく危険度は高めに設定されている。

 討伐時に排出される者はアヴドンの堅硬な顎の破片で、基本的に手の平サイズの物だ。

 そして、本日、アヴトンの巣一つを壊滅させる、というかなり大雑把な内容のものを受けた。

 実際、アヴトンを目の前にして思ったのは虫眼鏡でアリを見たらこんなんだったなぁ、と言うもので、チート特典てんこ盛りな俺からすれば結構余裕で対処できた。

 だが、サワムラはなんか違った。


 「オリャアアアアアアアアアアアアア!!!!」


 と、気配を消し、認知できなくなったと思えばアリをナイフや刀で切り裂いたり、刺し潰したりとやりたい放題していた。

 その光景に余裕というより、なぜか忙しそうにやっているという印象を受け、俺は困惑した。


 「キェエエエエエエエエ!!」


 たまにサワムラが妖怪みたいな声をあげるが無視したらいいのか、反応したらいいのか、わからない。

 まぁ、それなりに敵を討伐しているからいいのだが、戦闘中のサワムラはなんというか暴走している。

 それこそ…、


 「このハルコ様を倒せる奴はいねェかァあああああああああ!!!!!??????」


 絶叫しまくる狂戦士バーサーカーのようだった。

 

 「おーい、サワムラさんやー」


 俺は一旦、巣から離れ、巣穴に毒が練り込まれている餌の魔物の生肉を投げ入れるため、サワムラを呼んだのだが…。


 「ひゃりゃアアアアアアアアアアアアア!!」


 止まることはなかった。

 止まるどころか、行動速度上昇の作用があるポーションを何度もがぶ飲みし、高速で動き回り続けている。

 叫び声は五月蠅いわ、言う事は訊かないわ。

 彼女サワムラを仲間とし迎え入れるメリットが果たしたあっただろうか。

 いいとこ捕虜止まりにすれば良かったのではないか。

 現状の光景を見て思ってしまう。

 確かにドンドン討伐数を伸ばしているが、その調子だと日が暮れて野営を張ってまで討伐を続けなくてはならなくなる。

 さすがにそんな非効率的な作戦は出来ない。

 そもそも野営を張るモノを持ってきてはいない。

 という事で、バアルの高速移動を使い、サワムラの背後に移動。

 そのまま全力で腹パンをし、即気絶させると、サワムラを担いでその場を離れた。

 その間、約二秒。

 チート特典や守りの俺だから出来る芸当だった。

 巣穴からかなり離れた茂みにサワムラを寝かせると、イフに彼女の護衛を任せ、毒入り肉を携え、俺は再び巣穴へと向かい、当初からの予定通り、巣穴に毒入り肉を投げ込んだ。

 投げ込み、巣穴から少し離れた場所に隠れ、巣に変化が起こっているかを観察する。

 二時間ほど経ち、やけに挙動がおかしいアヴドンが巣穴から何匹かできたところを確認し、巣穴に俺は高速移動で飛び込んだ。

 ちなみに巣穴から出たアヴドンは念のために用意していたナイフで倒した。

 ナイフを手に侵入すると予想通り、挙動のおかしいアヴドンが大量にいた。

 実は毒は麻痺毒を使用しており、筋肉が弛緩し、動きにくくなるという効果がある。

 その毒を混ぜた肉を一つの餌を巣内で共有する性質を持つアヴドンにぶつけた。

 その結果が今のアヴドン達だ。

 動きが鈍くなったアヴドンに向かって、全力で切りかかり、連続で討伐する。

 巣穴を探索し見つけたアヴドンの卵が密集している部屋には油をばらまいた上でマッチの様なものを使い、火を点け焼き払う。

 それを続け、女王の部屋にたどり着く。

 たどり着くと、女王も毒にやられているようで動きがおかしくなっており、何か工夫するわけでもなくその場で討伐した。

 あとは脱出するだけだ。

 出来るだけ消え無理を吸わないように息を止め、最高速度で巣を抜け出す。

 地上に飛び出るように戻ると、全身が煤で黒くなってしまった。


 「…体洗うの大変だな…」


 ぼそっと文句を口にしながら、巣穴から討伐し損ねたアヴドンがいないか巣穴の前で待つ。

 予定ではあと一時間待てば、大丈夫という算段になっている。

 一時間待っても出なければ、巣の中で酸欠か一酸化炭素中毒になって死んでいるか、全滅出来ているかのどちらかだからだ。

 そして、一時間を経過し、何も出ないことを確認すると、討伐しながら回収した顎の破片を入れた麻袋を持ち直し、イフともう一名が待つ場所に向かった。




 街に戻り、達成後の報酬を貰った後、帰路でサワムラは目を覚まし、俺は彼女を叱ったのち、帰宅後、イフにしっかりと折檻された。

読んでいただきありがとうございます。

では、次回もお楽しみに!

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