第9話 夜の長念話
2019年2月5日に誤字を修正しました。
『ヒカル、これから魔王に会いに行くまでにやって欲しい事があるのだけれど。』
『うん、なに?』
『キッチリとガッチリと体を鍛えて欲しいの。あと剣術や体術も。』
『え?だって、僕は魔法が全属性使えて魔力も無限なんでしょう?明らかに魔法職だよね。』
ぬ
『ねぇ、ヒカル。もし魔法が使えない場所、敵が魔法を使えないようにする魔道具なんかがあって、私が死にそうな危険な事があった時、ヒカルはどうするのかしら?』
『え、それはナナが自力で逃げる…………とか?』
『ヒカル、あなたまさか私を頼る気でいるの?』
『だって、そんな危険な事になったら………』
『ヒカル!私を頼る事だけはできないの。わかってる?』
『そ、それはもしかしてナナが女神様だから?とか。』
『そう、今は一応人の姿を纏っているけど、私は女神なの。最初に10個だけなんでもお願いを聞くって約束はもう無いの。』
『え、じゃあ、僕が最後に告白して一緒になる。ってのは、ただのお願いだったの?』
『そ、それは…………ち、ちがう………わない………ど。』
『ナナ?なんか言葉が途切れ途切れでよくわからないよ!』
まるで一昔前の携帯電話のようですね。
『ヒカル、聞こえる?』
『あ、やっと普通に聞こえる。で、さっきの話だけど。』
『ヒカル、いい。明日からお父様でもお兄様でもいいからキッチリ鍛えてもらいなさい。』
『うん、わかった。ねぇ、ナナ?』
『なあに。』
『学校楽しみだね。』
『そうね?確かに楽しそうね。何を学ぶのかしら。』
『やっぱり、一般科目必ずあるはずだよね。僕、英語が苦手だったんだよなぁ。』
『ヒカル、ここは異世界って事忘れていない?』
『あ、そうか。じゃあ、何を…………あ、魔法とか。』
『必ずあるでしょうね。でも私達には不要になりそうね。』
『ナナ、最初からテンション下がる事言わないでよ。』
『だって本当にそう思ったんですもの。』
『…………あれ?デジャブ。今ナナが言った事をどこかで聞いたような………』
『気のせいじゃない。でも、学校に入学するまで、あと4年もあるわ。』
『僕はその間、ナナに言われた通りに体とかを鍛えるよ。』
『あ~ぁ、私は何をしてようかしら。』
『ナナは、礼儀作法とかダンスの練習とか色々あるんじゃない?』
『まさに、その通りだわ。あ~ぁ憂鬱だわ。』
『女の子なんだからしょうがないよ。』
『ヒカル。』
『なに?』
『もう眠いから、続きはまた明日にしましょう。』
『うん。わかった。ナナおやすみ。』
『おやすみ。ヒカル。』
なにこれ?バカップルの電話を盗聴している感じは?
はぁ、疲れた。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
第8話分の誤字などは修正しました。